台湾駐日大使について

日本と台湾(中華民国とも言う)の間には国交がないのはご存じであろうが、とは言っても査証発給などの業務は必要である為、大使館に相当する民間機関が日本と台湾にはそれぞれ存在している。

台湾にあるのは「日台交流協会」であり、日本にあるのが「台北駐日経済文化代表処」という名前の組織である。既述のとおり国交が無いため、治外法権、外交官特権は付与されていない。しかし、そこで行われている業務は殆ど「大使館・領事館」と同じである。
そのため、この組織の代表は、外交特権はないものの、実質的な大使の役割を担っているため、人々からは「大使」と呼ばれることが多い。メディアなどは正確性を期すために「代表」や「処長」という肩書を使用している。

では、現在の台湾駐日大使に相当する人物は誰なのか?というと、謝長廷さんである。京都大学に留学し、修士号、博士号も取得しており、日本語も堪能な日本に詳しい人物であり、且つ現在与党の民進党の重鎮でもある。2008年の総統選にも出馬したが、残念ながら馬英九氏に惜しくも敗れてしまった。そんな謝長廷さんが駐日大使に就任したことは、蔡英文政権が日本とのつながりを重視していることの表れの1つであると言っても良いと思う。

謝長廷さん

現在の大使とは対照的に馬英九政権時の駐日大使は「史上初」と言われる大使が就任されていたことはご存じであろうか。

2012年~2016年まで駐日大使を務めた 沈斯淳 (しん しじゅん) 氏である。何が史上初なのか?というと、歴代大使の中で

日本語が出来ない

という部分である。沈氏の前任の「馮寄台(ふう きたい)」氏は、子供の頃5年間だけではあるが、日本の小中学校へ通ったことがあるが、その後外交官としては日本とのつながりが薄く、外国語の中で日本語が一番の不得意であったため、何度も就任要請を断ったが、馬英九総統からの懇請を受け入れた経緯がある。就任後、必死に日本語を勉強したため、ある程度のレベルまでは達したが、敬語が不得意だという声があるのも事実である。

しかし、2012年から大使に就任した沈氏に関しては、ある程度のレベルにも達しておらず、また通訳を介さなければならないレベルであるため、就任前に多くのメディアが沈氏の能力を疑う報道が多くなされた。

※大使が必ずしも着任国の言語が流暢でなければならない規則はないが、その国を理解するにはまずは言葉が出来なければ理解できないのは明白である

日本語が出来ない=外交能力がない

とは必ずしも言えないが、現地の本音を聞くには現地の言葉を”ある程度は”理解している必要があると私は考えている。(素人レベルの考えかもしれませんが)

いずれにしても、日本語が堪能で且つ外交手腕も一級の外交官が多くいる台湾において、わざわざ日本語の出来ない大使を任命した馬英九政権が如何に中国を重視し、日本を軽視していたかが分かる出来事だと思い取り上げてみました。

ちなみに2000年~2008年までの陳水扁政権時の駐日大使は誰か?というと

羅全福(ら ぜんふく)氏 2000年~2004年
許世楷(きょ せかい)氏 2004年~2008年
であり、両名とも生まれたのが戦前であり、且つ日本で教育を受けた背景があるため、日本語が堪能であった。

2022年1月13日 編集(八度妖)

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