トンガ王国の大噴火でコメ不足?

皆様もニュースをご覧になりご存じかと思いますし、SNSなどで今後どのような影響があるのか?という予測が数多く出されておりますね。

ソースが「朝日新聞」で申し訳ないのですが、以下のようなツイートと記事の紹介がありました。

記事によるとフィリピンのピナトゥボ山(朝日的には「ピナツボ」じゃないのね)の噴火の2年後に冷夏が起きて、米不足につながったと解説しています。あの頃を覚えていますか?白米が手に入らず、タイ米を緊急輸入して、白米に混ぜて炊くなどして、つらい思い出として残っている人も多いのではないでしょうか?

記事内では火山の噴火から2年後に冷夏になり米不足が起きたと解説していますが、その関連性は不明である為、その部分は無視して良いと思います。今日はお米について話そうと思っています。

皆様の中に、もしかしたら、93年の米不足のせいでタイ米について「マズイ」と思っている人もいるかもしれません。タイ米はタイ米の炊き方というのがあり、我々が日ごろ食べている白米とは別のおいしさがあることは、東南アジアへの旅行が当たり前になってきたころから知られるようになりましたよね。性質の違うお米を、従来通りの炊き方で焚いても美味しさは引き出せませんよね。もし、タイ米はマズい、と思っている方は、ちょっと勇気を出して今度タイ料理や東南アジア料理レストランへ行って、タイ米に適したお米料理を食べてみる事をお勧めいたします。それでもマズい、と感じるのであれば、それはそれでで個性と好みの違いによるものだと思います。

さて、今日はタイ米の話が出てきたので、ついでと言ったらなんですが、台湾米についてのお話となります。

台湾は1895年に日本に統治されてから嘉南大圳事業や全国の灌漑事業などお米の開発と生産に力を入れていたことはご存じかも知れません。1939年製作の国策映画「南進台湾」においても以下のように紹介されております。

【南進台湾】25分38秒頃から

台湾では米が二度獲れます
蓬莱米 ※ という内地米とほとんど変わらない良い米が年に2度獲れ、盛んに母国へ輸出されております。
母国に対する台湾の使命は砂糖の自給自足とともに米の自給自足を図る上からしても
その使命は実に重大なものであります。


蓬莱米・・・高温多湿である台湾での栽培が難しいと言われたジャポニカ米を品種改良したお米。

統治前はタイ米と同じ細長い「インディカ米」の生産が殆どでしたが、やはり日本人の口には合わないということで、蓬莱米が開発され、生産したものを内地へ輸出するくらい主力産業となっておりました。その影響で台湾でのコメの生産はジャポニカ米が殆どとなりました。現代に於いても、台湾で植えられている98%がジャポニカ米であり、蓬莱米が台湾の米文化に大きな影響を与えました。

また、統治時代には、台湾東部の「池上」で獲れたお米は極めて上質ということで、皇室へ献上したこともあり、当時台湾では「御用米」「皇帝米」とも呼ばれておりました。

今では、「池上米」以外にも「台南11号」やセブンイレブンのおにぎりで使用されている「台梗9号」等の品種も戦後開発されており、日本人も納得できるお米を食べる事ができるのが台湾であります。

ちなみに、台湾でも栽培できるジャポニカ米「蓬莱米」が開発され、日本にも輸出されることとなった為、それまでの主力農作物であった甘蔗(サトウキビ)栽培から蓬莱米栽培へと転作する農家が増えてきたため「米糖相克(べいとうそうこく)」という現象も起きるようになりました。これは何か?というと、甘蔗を作っていた農家が蓬莱米へ転作するようになり、製糖業者が甘蔗を買い取る際のコストが高くなり、結果として製糖業者の利益が大きく減ってしまったという現象を指します。その後問題を解決するため「米価比準法」という甘蔗の買い付け価格と米価を連動させる制度を実施して、米糖相克は徐々に解決されるようになりました。


さて、話が飛んでしまいましたが、何が言いたいか?というと、もし今回のトンガでの噴火が原因で冷夏になり米不足となった際に、台湾から輸入するということも有りなのかな?と思ったからです。コメ輸入に係る関税がどのくらいなのか?植物検疫はどうするのか?という問題もあるかもしれませんが、インディカ米(タイ米)ではなく、ジャポニカ米を食べたいという時に、台湾から輸入できれば日台どちらもWin-Winになるかもしれないと思い記事にしました。

2022年1月17日 編集(八度妖)

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