台湾を守るミサイルの重要部品が中国製!浸透工作?!

最近、ウクライナ情勢が注目されると同時に台湾情勢にも注目されるようになっておりますが、今日は軍事関係の不祥事をお伝えいたします。

タイトルやサムネイルをご覧頂いたと思いますが、なんと台湾の国防において不祥事があった。台湾を守るべきはずのミサイルに中国製の部品が使われていたというニュースがあり、台湾独立系メディアはもちろん中共寄りメディアもこぞって報道していたので、取り上げたいと思います。

今日は自由時報ではなく、台湾大手テレビ局「台湾電視台」台湾テレビのニュース記事を和訳したいと思います。

天弓ミサイルに「タオバオ」パーツが混入 中科院 4点を声明

中共軍機が頻繁に台湾をうろつく中、国防部が軍機を飛ばして阻止する以外にも、台湾各地にミサイル配備し追跡を行なっているが、台湾の兵器開発・製造・販売を手掛けている行政法人「国家中山科学研究院」(以下、中科院)が開発製造する天弓等の各種ミサイルのパーツに中国製低品質、偽物が紛れていることが明らかになり、調査の結果3つの企業が億を超える額を手に入れていたことが分かった。
※億とは日本円で少なくとも4億円以上となる。

国防部の購買計画関連について大々的に宣伝して輿論を煽り立てている最中に、台湾の週刊誌が握った情報によると、最近台湾沿岸に配置されている中科院が研究開発した中共軍機追尾用地対空天弓ミサイルとミサイル発射器などの武器系統などにおけるネジ、爆発用の過塩素酸アンモニウム、通電用シリコン整流器、MIL規格電線、ダイオード及びアナログIC等の重要パーツ入札において問題があることが発覚。少なくとも3企業が長期に渡り中科院が注文するパーツを納めていた。

これ以外にも中国の廉価な偽物がアメリカ純正製品として紛れ込んでいたり、中国から偽物を仕入れて包装し直すなど、一部のパーツにおいて中国タオバオのサイトで購入でき、価格差は100倍以上のものまであった。ミサイルにこれら偽物のパーツが一旦使用されると、発射不能または爆発を引き起こす恐れがあり、国家安全保障に深刻な影響を及ぼすため、これに対し中科院は以下の4点について声明を出した。

1.シリコン整流器購買案に関して、本院は2020年8月ネット上で入札を公告し、2021年3月検収を上げる際に、納品業者が不法な行為をしたことが明らかになったため、即座に法的措置を取り、並びに賠償請求を行なった。

2.悪徳業者が偽装し、中国製品、偽物などに(米国製の)純正証明書を付けた不法行為に対して、本院は厳格に対処し、同時に純正メーカーと確認する体制を整え、再発防止に努める

3.報道で言及されている国家安全保障に影響するミサイルパーツ購買について、本院は検収時に発覚したものであり、即座に緊急体制をとって処理したため、武器生産及び各任務遂行には影響がない。

4.本院は公平公開の原則に則り購買を行なっており、国内業者が国防産業に参入することと、国防発展を共に推進することを歓迎している。本院は改心し(原文は「戒愼恐懼(カイシンキョウク)」、今後の行動は更に慎重に行い、各項安全管理を確実に行い、予定通り各任務を遂行、品質の達成に協力し、戦争の備えを十分にする。以上4つを明言する。

はい、以上が記事の和訳でした。


ニュース記事、特に見出しだけを見ると、中共による浸透工作が台湾国防の要であるミサイルにも及んでいるように思いますが、よ~く見ると浸透工作というよりもお金の誘惑に負けた業者が不正を行なった、安く仕入れて高く売る、という悪徳業者が今になって発覚したということでしょうから、こういう事象は恐らく昔から行われていたんだと思われます。

これに関して、中共情報戦にやられてしまった台湾人と思しき人たちが「蔡英文政権になって、口では中共に毅然として臨むと言いながら、実際はこのように中共との関係を断ち切ることが出来ていない、実は中共と仲良しだぁ」みたいな主張をしていました。

もし、このような不祥事が蔡英文政権になってから初めて発覚したのであれば、一つは、昔は隠蔽されていたことが明るみになった、つまりは健全な方向へ向かっていると考えられますが、もう一つは、今までは非常にクリーンなパーツの納品だったにも関わらず、蔡英文政権になって、不祥事をする体制になってしまった、と考えられます。

皆さんは、どちらだと思いますか?私はもちろん前者なのですが、後者のような主張をするのは、国民党支持者、中共支持者、あとは独立派であると言いながら蔡英文政権・民進党を批判する人たちなんですよね。そもそも蔡英文政権や民進党批判をする人は、大体時系列がおかしいんですよね。

今回のケースに関して、以前もこのような不祥事はあったはず。つまり、蔡政権だからこのような不祥事が発覚したのではなく、以前からある問題が再度発生してしまった、と考えるのが普通なのでは?と思う訳でありますが、皆さんはどうお考えでしょうか。

ちなみに、ニュース内で述べられている悪徳業者は近日中に文書偽造、詐欺の罪で起訴される予定だとの事です。


そして何より、もし本当にこれが浸透工作の一環であれば、人民日報台湾版とも揶揄される台湾の新聞社「中国時報」やテレビ局「中天ニュース」などが大々的に取り上げるはずはありません。都合の良い事は大々的に宣伝し、都合の悪い事はひっそりと報道、もしくは全く報道しない、ということをやるのがお得意なメディアですからね。

浸透工作の可能性が少ない、つまり現在の蔡英文政権時に発生した不祥事であるから、蔡英文政権批判をする口実になる。これで支持率が下がり今年11月下旬に実施される統一地方選挙で国民党が有利になるように動いている、と私は理解しております。

もちろん、このような不祥事は批判するべきだと思いますが、政権批判につながるような主張は台湾海峡が緊張している中ではやるべきではないと考えます。

なお、私などのような台湾ヨイショ派と言われる人物は、民進党をちょっとでも擁護するような発言、例えば、国民党が妨害している、だから民進党は苦しい立場にあるんだ、みたいな発言をすると、それに対して、「国民党が絶対悪みたいなことを言うけど、それは間違っている。民進党だって悪い所がある。」みたいな反論がくるんですが、それはそのとおりなんです。民進党だって悪い部分、日本の国益とぶつかる政策や思想もあります。でも、私から言わせてもらうと、「中共の脅威が迫る中、今、それ言う?」的な感じに思えるんですよね。更には台湾の国益を損する妨害工作ばかりしている国民党を批判すると、「あの李登輝さんだって国民党出身だったんだ。」みたいな主張をするんですよね。

いやいや、李登輝さんだって、「せっかく台湾の農民のために勉強してきたのに、その意見が通らないのでは意味がない。国民党に入ることで台湾のためになるのならたやすいこと」ということで国民党に入党した訳ですし、周りの人たちに話したら「頭がおかしくなったんじゃないか?」と言われたと、李登輝さんの奥さんが述べておりました。

つまり、民進党批判をしている人たちは、そういういきさつ、流れを話さず、一つの事象だけを取り上げて、あたかも国民党だって悪くないんだ、みたいな主張をしてるんですよね。2001年に国民党を離党しましたから、既に20年以上も前のことを持ち出して、現在の民進党批判と国民党擁護のために使っているのには、何かわけがあるのか、ただ単にオツムが弱いのか分かりませんが、いずれにしても、白か黒かはっきりしないところが政治の難しい所でもあり、面白みでもあると思うんですよね。

さて、最後になりますが、今回のミサイルに中国製パーツが使われたことについて、浸透工作なのか、ただ単にお金の誘惑に負けた悪徳業者が問題なのか、蔡英文政権が中共と仲良しだから、中国製パーツをミサイルに取り込むことによって台湾国防を弱らせて中国による台湾侵略を達成しようと目論んでいるのか、どれなんでしょうかね?

ちなみに、人民日報台湾版と言われる中共傀儡メディア中国時報の見出しは

天弓ミサイルで低品質パーツ使用 国民党議員 中科院はATMになったと批判

などのようなもので、「浸透」という単語が使われておらず、民進党政権を批判する内容のものばかりでした。

一方、民進党寄りの自由時報は?というと見出しが

天弓ミサイルに中国廉価パーツ混入 背後に中共の浸透工作か

というような感じでした。恐らくですが、民進党のチョンボ、つまりは入札の時に見抜けなかった、若しくは検収時に発覚したのではなく、検収後に発覚したので、世間の目をそらすために浸透工作という言葉を使っているの、と推測しております。
(行政機関の不祥事が政治家(与党)によるものとは一概に言えませんが)

実際はどうなかは分かりませんが、

例え民進党が嫌いであっても蔡英文総統が嫌いであっても、中国共産党が喜ぶようなことはしてはいけない

とお伝えして終わりに致します。

2022年2月18日 編集・翻訳(八度妖)

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