豪雨災害拡大!中国24省、800万人以上が被災、7300家屋が倒壊

広西桂林の被災の様子

中国では連日豪雨が続き災害が発生している。中国当局が15日発表した統計では、中国広東、広西、湖南、江西、貴州、重慶などを含む南西部24省(自治区、直轄市)で852万人が被災し、7300戸余りの家屋が倒壊し、62万ヘクタールの農地にも被害が出ている。直接的な経済損失は206.7億人民元(約3000億円)にも上ると考えられる。

これと同時に雲南省では旱魃が発生しており、今年初には雨量が極めて少なかったため耕作が始められなかっただけでなく、生活に必要な水も不足している。政府は干ばつ対策のために急遽1億人民元(約15億円)を使い救援を展開し、既に半分以上の6000万元(約9億円)を緊急救助として使ったが、民衆の水の確保には程遠い状態である。

中国の豪雨は止むことが無く、中国中央気象台は黄淮(こうわい)南部、江淮北部、江漢大部分、四川北東部と中部、重慶北部と南東部、陝西南東部、貴州中西部と北東部、湖南北西部、雲南西部等の地域で大雨警報を発しており、そのうち江蘇北部、湖北西部、重慶北部などは更に強い雨への警戒が発布されている。

中国緊急事態管理省は、警戒する地域は、山西、上海、江蘇、安徽、河南、湖北、湖南、四川、重慶、貴州、陝西、甘粛等を含む省である。


はい、以上が記事の和訳でした。

地名だけでは、なかなか分かりずらいので、地図を用いながら説明したいと思います。今回の大雨警報が発布されているのはこの辺の地域でございます。

赤枠の部分が大雨警報が出された地域

そして雨を海まで運ぶのがアジアで最長の川である長江。その途中に三峡ダムがあり、場所は大体この辺でございます。三峡ダムは世界でも有数の大国である中華人民共和国の威信をかけた国家プロジェクトの一つとして建設されましたので、連日の大雨くらいでは何ともないと考えられます。ただ、三峡ダムより上流にある支流がこんな感じになっているんですよね。

大雑把ですが、三峡ダムより上流にある支流の川

そして、今回連日大雨警報が発せられた地域を重ね合わせるとこうなるんです。大雨が一気に三峡ダムに向けて流れていくと思いますが、なんせ国家プロジェクトですから、少しくらいヒビが入っていても持ちこたえられると思います。別に中国を褒めるわけではないのですが、最近分かったのは、どうやら三峡ダムの建造物は1970年代にウイグルのロプノールでの核爆弾の実験を行なった際についでにダムの強度を試すテストも行われており、7回の核爆発にも耐えられたようです※1。これは、米国や中華民国がミサイルや戦闘機なので三峡ダムを攻撃することを見越してのテストだとも言われております。いずれにしても、国のプロジェクトということで結構頑丈に作られているようです。まぁ、核爆発の威力と水の威力は異なると思いますけど。

”発電送電量は中国の半分 三峡ダム「7度の核実験で強度試験」核の爆発でも倒壊せず”という台湾メディアのキャプチャ

ちなみにこの長雨で貴州の龍塘ダムという所も決壊しておりますが、政府は決壊していないと発表しておりますが、SNSで決壊した様子の動画がアップされたりしておりますので、やはりダムの品質は国家プロジェクトとは言え、不安になる気持ちはあるかと思います。

また衛星写真でダムが歪んでいてもうすぐ決壊するのでは?という情報も出回っておりますが、私個人的にはこの説はあまり信じておりません。上空からの撮影された写真を地図用のアプリに取り込む際の歪みだと考えられるからです。もし上空写真ではない歪みが確認できる写真があれば、お知らせください。

とは言うものの、現実的にはウズベキスタンでは手抜き工事によって水害が発生したりしておりますが、仮に三峡ダムが決壊しないにしても、この大雨は中国に大きな経済損失をもたらす可能性があります。それは、国の威信がかかっている三峡ダムを守るために、上流から流れてきた水がある程度まで溜まってきて、これ以上持ちこたえられないとなった場合に、警告なしにダムの水を大量に放流して、その結果下流の川の水かさが増して、長江デルタ地帯などが水浸しになる可能性がある、ということです。下流には、農地もあり、工業地帯もあり、最終的には経済都市の上海にまで影響が及ぶかもしれないくらいのリスクに発展する可能性があるのでございます。いずれにしても今回の豪雨がもっと続くようであれば、中国政府は国の威信を守るために、想定している水位に満たなくても予告なしに大量の水を放出すると考えられます。

2009年にダムが完成してから11年が経って初めての華南、華中地域に記録的な大雨が続いている状態です。ダムはためるだけが仕事ではなく水量の調整も行わなければならないので、先ほど述べたように原爆の爆発に7回も耐えられるハードウェアを持っていたとしても運用と言うソフトウェア面で中国らしさが出てしまえば、いずれにしても下流に大きな損害が出る可能性がありそうですね。

素人の予想で何の役にも立たないですが簡単にまとめますと、三峡ダムはGoogleマップのような歪みとこの大雨では決壊しない可能性が高い。しかし、水位が増して水を放流した結果、下流の農地、工業地帯、生活圏に何らかの影響が出る可能性がある、というかんじですかね。
はい、本日は以上となります。

2020年6月18日 編集・翻訳(八度 妖)

※1. 勘違いしやすいのですが、核実験はウイグルのロプノールという場所で1970年代に行われたのであり、三峡ダムで行われたわけではありません。また、この実験で使われた構造物を三峡ダムまで運んだわけではありません。実験に耐えた構造物の設計と同じものを三峡ダムでも構築した形となります。

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