中共による台湾浸透工作の6つの手口と実例を紹介(2)

4.統一を促進する政党への政治献金

中共は台湾で両岸統一を支持する「統一促進団体」に対して金銭的援助を行ない、その政党が力をつけて政治に対する影響力を持たせ、将来的に台湾内部から統一の声を増やそうとしています。

例えば2018年11月下旬の統一地方選挙で、かつて存在した中国民進党の議員候補者、張秀葉 氏、現在は愛國同心會祕書長を務めています。その張氏が中共から189万元、約660万円を政治献金として受け取った疑いで2019年10月に台北地方検察署に「政治献金法」に違反したとして起訴されております。

※中国民進党は、現在与党の民進党は全く別の政党となり、現在は廃止されています。

金銭的支援以外にも中共は台湾の統一を目指す組織に対して直接統一戦線活動のやり方を指導しております。例えば、被災地への慰問訪問や弱者に対する援助等を行ない、民衆の支持を集めようとすることですね。1つ目の中国旅行の招待で出てきた中華統一促進党の党首張安楽氏は2018年2月と3月に台湾東部の都市花蓮を訪れて、1000万元、約3500万円と400万元、約1400万円の震災慰問金を寄付しており、その際にこの慰問金は中国企業から出されたものだと説明しておりました。ちなみにこれは2018年2月6日に発生した花蓮大地震に対する慰問金となります。

2018年台湾東部花蓮で発生した大地震で被害を受けた人々に慰問金を渡すヤクザの頭領 張安楽氏

日本では政党を通して、慰問金を出すというのはあるんでしょうかね。ただ、民間団体という部分で、昨年武漢肺炎が蔓延し、マスクが手に入らないという状態に時に、「マスクを無料で配る」とか「マスクを寄付」という行為が中国企業や個人によって行われておりましたが、中国大使館はこれら活動を公式WebサイトやTwitterで発信するなどしておりました。つまりは、先ほど述べた震災慰問金と同じように人間が弱っている時に差し出された温かい支援は心に響くという特性を非常に理解しているのと共に、台湾人も日本人もそういった時に受けた温かい支援は「恩」だと感じて、恩返しをしていこうと思う性格を熟知しているからこそ、このように大使館がこれみよがしに大々的に宣伝するのであります。

  なお先ほど、統一戦線という言葉が出てきたので、政治献金ではないですが、金銭的援助という意味で、宗教的な部分への浸透工作がありますので、ご紹介いたします。

  台湾の地元民が信仰するものに、道教、仏教、キリスト教などありますが、そういう宗教は人間の弱みが露呈しやすい部分であり、付け込まれやすい部分でもあります。そのため、中共は台湾にある道教や仏教の組織に対して工作員を送り込み、中共に有利になるような情報を広めたり、また寄付などの行為を行なったりすることにより、信者の心を掴もうとしております。

  宗教は教祖様や影響力のある人物の発言が大きく影響するため、中共にとっては絶好のターゲットになりますね。

  日本においても、どこの団体とは言いませんが、中共を擁護するようなところがあるみたいですね。また先日台湾の護国神山、国を守る神の山と言われるtsmcを中共とズブズブの企業だというような宗教関係者もいたみたいですが、これは日台分断につながりかねない危険な思想だと私は考えております。

  いずれにしてもお伝えしたい事としては、宗教を通した浸透工作が台湾で行われていたということは日本でも同じように行われている可能性が高いという事ですね。

  ちなみに台湾では彰化県にある「碧雲禪寺」という戦前からあったお寺が中共の浸透工作をする組織に乗っ取られて、台湾人に対して中共プロパガンダを広める場所と変わってしまった例があります。施設内ではあの忌々しい赤い旗が掲揚されていたり、中共国家を歌ったり、中国共産党の理念を読み上げたりと、台湾とは別の国にいるような雰囲気だったと言われております。幸いにもこのような施設は政府によって違法に増築された建物を壊し、元々戦前に建てられた部分のみを残すという形で落ち着いたとのことです。

かつての碧雲禪寺の姿。現在は違法建築だとして、この建物は壊されている。

  ちなみに、なぜ戦前からある寺院が急に中共に乗っ取られたような形になったかというと、寺院を管理・運営している団体が経営難に陥った際に魏という男がお金を貸した事に端を発して色々と不利な条件を飲むよう迫り、最終的に魏という男の統一思想が反映されるようになったわけであります。

  日本の事情は詳しくは分かりませんが、経営難に陥っている寺院仏閣の住職や神主が、中共の甘い言葉とお金に目が眩み、中共に対して敵意を持ってはいけません、というような説法をしているかもしれませんね。まぁ、敵意を持たない事は素晴らしい事だと思いますが、それはあくまでも善良な人間に対してであり、中共と言う怪物には持ってはいけない思想だと思います。


5.社会秩序を混乱させ、反中集会、デモを妨害

中共は、台湾独立派の人物などが合法的に行われている集会やデモ活動に対して、暴力行為を用いて民衆を衝突させ、安定した社会を破壊しようとしております。

例えば、中華統一促進党党員を利用して記者会見場へ乱入させたりします。

  また、台湾で両岸交流活動が行われている事に対して抗議を行なう台湾人に対して、統一促進勢力を使って暴力行為をおこなうという事例もあります。具体的な例を述べると2017年9月に台湾大学で開催された「中国新歌声上海・台北音楽フェスティバル」において、統一促進党党員が抗議活動を行なっていた台湾大学学生と独立派団体メンバーを殴打して4名の学生が怪我をしたという事件がありました。

  また反中共を主張する人物に対しても、中共は同様に暴力を使って抗議を止めさせようとします。例えば香港歌手のデニス・ホー氏は2019年9月に台湾を訪問し、「反政府の抗議活動が続く香港の市民を支援する」街頭運動に参加した際に、2名の統一促進党党員から赤いペンキをかけられるという被害を受けておりますし、 が台湾の政党時代力量が主催するイベントに参加した際にも、統一促進党員により殴打されております。つまりは反中共を掲げるイベントに参加すると暴力事件に巻き込まれる可能性があるというイメージを植え付け、社会を混乱させようとしている訳であります。

ペンキをかけられた香港歌手のデニス・ホー氏

日本において、暴力沙汰にまで発展する事はあまり耳にしません。恐らく日本の警察が非常に優秀で、暴力行為に対して厳しく対応していることが挙げられると思います。しかし、今後は台湾で起きたような暴力沙汰が展開されるのかもしれませんね。注意が必要ですし、もしそういうのが発生したら、暴力を起こした人がどんな人物なのか、その背景には赤い影があるのか、など注目するべきですね。

ちなみに私はよく顔を隠して卑怯だ、と言われますが、台湾と日本をよく行き来する関係上、先ほど述べた中華統一促進党のような勢力に目をつけられては困る、ということもあり、覆面姿でやらせていただいております。そういう事情があること、ご理解いただければ幸いです。


6.中共による台湾国民投票への介入

日本には国民投票が今の所ないですが、今後は国民投票が実施されるかもしれませんし、地方自治体レベルでは住民投票という形で行われているので、ぜひ参考にしていただければと存じます。

中共は対台湾窓口である国台弁が開く記者会見や「環球時報」等の官報メディアを通して、台湾国民投票で賛否が問われる内容に対して直接批判をします。例えば2018年5月に国台弁スポークスマンが「東京五輪の正名投票」に対して、「台湾という名前の出場は台湾の少数の独立分子の自己満足にすぎない」等強硬な声明を出しておりました。これと同時に、中共が多くの重役に就いている国際組織の影響力を使い、国際オリンピック委員会執行委員会に対して圧力をかけて、2018年5月に「東京五輪正名投票」を行なうか否か検討するよう求め、また中華五輪委員会、所謂台湾オリンピック委員会に、名称変更をしてはならないという書簡を出させました。そして同年10月には名前を変更してはいけないという立場を書簡にて表明させております。

賛否を問う国民投票の様子

その影響で、2018年7月に東アジアオリンピック委員会が中共の圧力を受けて、台中市で2019年に開かれる予定であった東アジアユースゲームズの中止を発表。中止の理由として、東京オリンピック正名投票を行なおうとする台湾独立分子が存在しており、その活動はオリンピックに対する公然たる挑戦であるからだと国台弁のスポークスマンが声明を述べております。

つまりは、こういうイベントの中止や浸透工作が行われたことにより2018年11月の国民投票では、東京オリンピックへ台湾という名前に変更に賛成45%、反対55%と僅差でチャイニーズタイペイのままという方針になってしまいました。 ちなみに今日本では、東京オリンピック開催か中止かでもめている部分もありますが、オリンピック開催されて中共が喜ぶのか、中共が喜ぶのか、が理解できると、どちらか側の背後には中共の赤い影があるのは想像に難くないと思います。

2021年7月2日 編集(八度妖)

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