領空侵犯した中共戦闘機にミサイル発射はデマ

  YouTubeやTwitter、まとめサイトなどでは台湾が中共戦闘機にミサイルを発射したという情報が出回っており、それは偽情報、誤解を恐れずに言えばデマであると前回の動画でお伝えいたしましたが、それを指摘すると結構「お前は間違っている」というような反論があったので、また動画に致しました。なお、私は「台湾はミサイルを発射していない」という立場であり、それに基づいて今回のブロクを書いております。

  さて、ミサイルを発射したという情報を発信する人たちの殆どが、

台湾は中共に対して、毅然と対応して素晴らしい。それに反して日本はどうだ、情けない

台湾海峡で緊張が高まっているのに、日本のマスコミは全く報道しない

というものでした。台湾の態度を称賛してくださることは大変うれしいと思いますし、私自身も日本のマスコミに対しては、偏向報道及び報道しない自由を行使したりと非常に不満を持っております。ですので、このように日本人の国防への意識を高め、日本のマスコミが腐っているという事を気づかせるという点においては、本当にありがたい啓蒙活動の一環だと思います。しかし、次に「台湾がミサイルを発射していないという根拠」と、それでも「SNS上で発射した、発射したという情報を拡散する事による弊害」を含めながら述べさせてもらいたいと考えます。

1つ目 皆さん、1937年の盧溝橋事件では、日中両軍、どちらが先に発砲したかご存じでしょうか?今なお、日本が先だ、中国が先だ、いやいや、実は共産党が発砲した、だの言われ、人によって解釈が異なっております。それだけどちらが先に手を出したのか?という事が重要になってくる状態でありながら、台湾海峡の中間線を数十秒超えた相手に対して、もしミサイルを発射したとなれば、宣戦布告と看做されてもおかしくない対応となります。そうなると国連常任理事国である中共が中心となって台湾を強く非難し、わざわざ戦争を起こすきっかけ、つまりは武力で台湾を制圧する口実を与えることになると考えられますが、現在の蔡英文政権がそんなリスクを冒すと思いますでしょうか?

  また、もしミサイルを発射していれば、あの中共のスポークスマンの人相の悪いアンちゃん、趙立堅氏がギャンギャン吠えまくるでしょうが、今回まったくそれがありません。中共について分かっている人であれば、現在習近平体制は米国をはじめとした外国勢力以外にも、内部の権力闘争で習近平体制に抵抗する勢力がいるわけで、ミサイルが発射されても、党と人民が一丸となって面子も捨ててまで、黙っているというのはあり得ません。ちなみに台湾メディアは、ミサイル発射については報道されてないという動画も作成しており、その中でお伝えしましたが、ざっくりと中共の大手メディアである人民日報、環球時報等を検索しましたが、やはりそれらしい記事がありませんでした。

過去にもミサイル発射について動画を作成しております

ということで、発射した、と日本のSNSで騒がれることにより、中共やその人民が日本で騒がれていることを利用して、人民を一致団結させるためのツールとして使われるという弊害が起こる可能性があると考えます。

  皆さん、思い出してください。日韓関係でいつもイチャモンを付けられる慰安婦問題と労働者問題。事の発端って何だったでしょうか? 何も起きていないことを、「日本が酷い事をした!」と証拠も無いのに焚きつけたメディアがいましたよね。証拠が無くても軋轢を生んでしまうということ、思い出していただけたでしょうか?つまりは、ミサイルを発射したとSNSなどで拡散することによって、

台湾が先制攻撃をしたんだ

という悪いイメージを植え付けられることを私は懸念しております。(考えすぎかもしれませんが、、、、)

  ちなみに、現在米国は台湾海峡で爆撃機や偵察機を飛ばしたり、空母や戦艦を派遣して中共の様子見をしている、悪い言葉で言えば挑発しておりますが、中共では、関係者に対して「絶対に最初の一発目を撃つな」という緘口令が敷かれている状態で、緊張が高まっているのは事実であります。


  2つ目 台湾は日本のマスコミとは違い、様々な政治的立場のメディアが存在しており、どのメディアも政府や企業、有名人による事実の隠蔽を暴こうとする姿勢が日本のマスコミとはけた違いに長けているという点。それを理解せずに、ミサイルを発射したと英国メディアが報道しているのに、日本のマスコミが「報道しない自由」だと言い続けているケースがあります。しかし台湾では「報道しない自由」はほぼ発動されません。どういう事かと言うと、現在野党の国民党側に起因する不祥事があった場合、民進党寄りのメディアである自由時報や三立テレビなどが、頑張りますし、逆に現在与党の民進党の不祥事に関しては、国民党寄りの聯合報や中共寄りの中国時報等が鬼の首を取ったように、必死になって報道するという状況になっております。国軍に関しても同じで、往々にしてどこかのメディア、もしくは著名人、場合によっては個人が、そういった情報をSNSを含めて発信するので隠蔽することが極めて難しいという環境にあるということです。

  実は、2016年7月に台湾海軍の500トン級の哨戒艇が雄風三型という対艦ミサイルを誤射し、台湾漁船を撃沈させ1名が死亡、3名が死亡したという事件が発生しておりますが、ミサイルが発射されたのが8時15分、その後国民党の幹部蔡正元氏が8時54分にFacebookで事件があったことを投稿、11時の段階では大手メディアでも大々的に報道したという点と、今年2020年4月に長期の海上訓練を行なった海軍戦艦内であの世界的流行り病が発生し、それを隠蔽しながら帰港して、感染者が街中を出歩いてしまったという不祥事、これもすぐに報道されるなど、事実を隠せない、もしくは隠しにくいという環境にあるという点を踏まえると、台湾メディアが「ミサイルを発射した」という報道がどのメディアでもないということは、やはり発射していないという風に私は考えます。

  ちなみに、中共戦闘機が何らかの原因で墜落したという情報も出回っておりますが、こちらも台湾メディアでは殆ど報道されておりませんし、中共側でも戦闘機を失った、というような報道を私は見つけられませんでした。私の見つけ方が悪いのかもしれませんが。。。。

そして最後に
これは発射した、発射してないに関わらず、一般人が情報をきちんと把握しなければならないという教訓を教えてくれた事件が2年前に日本で起きましたのでご紹介したいと思います。まずは記事を読み上げたいと思います。台湾国営通信社フォーカス台湾日本語版より


  本当に悲しい出来事でした。蘇さんのご冥福をお祈りしたいと存じます。で、なぜ今回この出来事を紹介したかと言うと、記事内にある「助けを求めた台湾人旅行者に対する同処職員の対応が適切でなかったとする批判が上がっていた」という部分です。これは具体的に何か?というと、ある台湾の大学生が台湾最大の電子掲示板である「PTT」に

中国が派遣したバスで関空から脱出した

という書き込みを行ない、それを真に受けた多くのネット民が

なんで中国にできて、我々台湾にはできないんだ

と言う声を含めて蘇処長や大阪代表処を強く非難し、それにより蘇処長が亡くなってしまいました。しかしながら、後になって「中国がバスを派遣した」という事実は無いという事が分かった訳であります。つまりは、デマだったという事です。何が言いたいかと言うと、最初の方でも述べましたが、「台湾軍がミサイルを発射し毅然とした態度をしているのに、日本のマスコミは一切報道しない、けしからん」という考えを持っている人が増えていることは、「中国に出来て、なぜ台湾に出来ないのか?けしからん」という構成に似ていると思ったからであります。発射したという決定的な証拠もないにもかかわらず、発射したと騒ぎ立てること、そしてそれに賛同することは、「どちらが先に発砲したのか?」という非常にセンシティブな部分を十分に検証せずに「情報を隠している」だの「英国メディアがそう記事にしている」ということだけで発信するのは、非常に危険であると思いました。

  最後に言いたいこととしては、私も「台湾がミサイルを発射した」と情報を拡散している人と同じように、日本人にもっと国防意識を高めてもらいと思っておりますし、現場の関係者が非常に苦労していることを多くの人に知ってもらいたいですし、日本のマスコミが本当にマスゴミと揶揄されるくらい腐っていることに不満がある人間であるという点です。これは何とか改善したいものの、台湾とは切っても切れない縁を持っているが故に、今回ちょっと厳しめに「台湾がミサイルを発射したというのはデマだ」と述べさせていただきました。

YouTubeでも同じ情報を発信しております。

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