印度が台湾に対して重大な善意を見せる 対米重視の高官を台湾へ駐在させる

マイク・ポンペオ米国務長官(写真左から2番目)が2019年6月にインドニューデリーに到着した際、当時インド外交部対米担当長官であったグランガラル・ダス氏(写真右から2番目)が花束を持って歓迎している

インド新聞の日曜版《サンデー・エキスプレス》の12日の報道によると、インド外交部は対米政策を重視する高官のグランガラル・ダス(Gourangalal Das)対米担当長官をインド台北協会会長へ就任させると伝えた。これは台湾に駐在する最高の使節であり、この任命はすぐに公表されると伝えた。台湾国営通信社中央社によると、これはインドが台印関係の強化を重視した表れであると述べている。

中国大陸が軍事と経済を用いて世界の安全へ脅威を拡大させている中、米中の衝突が日に日に増しており、民主主義国家が手を組んで専制政権の拡張を食い止めようとしている。そのうえで、台湾は非常に重要な役割を担っているのに加え、印度は国境付近で中共とパキスタンが手を組み、そしてその脅威に晒されている。インドのシンクタンクや戦略の専門家の多くが印度と台湾が更に強固な関係を築くようインド政府に働きかけてきた結果、政府はグランガラル・ダス氏をインド台北協会会長に就任させることに至った。

※国民党寄りの新聞社であるため、「中国・中共」という表現ではなく「中国大陸」という大陸に返り咲く、という意図も込められているため「中国大陸」と表記している。

グランガラル・ダス氏はインド外交部対米共同書記の時代、米印の関係が強固になるよう働きかけており、また印度、米国、日本とオーストラリアのダイヤモンド構想にも一役買っていた人物である。

台湾外交部は先ほど台湾とインドの関係が更に強化するように、駐インド代表に現アジア太平洋担当の葛葆萱氏が就任したと発表し、印度外交部もインド台北協会会長として対米政策で重要な高官であるグランガラル・ダス(Gourangalal Das)対米担当長官を派遣する予定だと伝えた。

ニューデリー当局は「一つの中国の減速」を尊重する為、今まで台湾とは正式な外交関係を結んでいないが、インド台北協会は実質大使館的な役割を担っている。台湾は駐インド台北経済文化中心を大使館機能をになる機関として設置している。

だが、印度は未だかつて中国とインドの広報または共同声明内で「一つの中国の原則」について述べた事が無い。インドは外務大臣のスシュマ・スワラージ(Sushma Swaraj)氏が2014年中国外交部王毅外交部長と会談を行なったが、その際に王毅部長はインドに対して「一つの中国の原則」を承認するよう求めたが、印度側は「一つの中国」の原則を求めるのであれば、まず先に中国が「一つのインド」の原則を承認するよう回答したと言われている。

ダス氏は1999年インド外交部に入省し、2001年~2004年まで北京に駐在し、また2006年~2009年に再び北京へ戻りインド駐中国大使館の第一政治秘書を担当したため、中国語が非常に流暢である。

マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相が就任していた期間、ダス氏は総理事務所の対外事務服秘書を2014年まで務めていた。

2014年にモディ首相が就任し、2017年6月米国トランプ大統領から訪米に招かれた際に、ダス氏はインド駐ワシントンDC大使館の参事を担当した。この役職に与えられる職権は大使、公使の次に高く、モディ首相の訪米における様々なスケジュールを握るキーマンであることを示している。

ニューデリーに戻った後、ダス氏は外交部長のスブラマニヤム・ジャイシャンカル(S.Jaishankar)氏から印中ドクラム高原における軍隊衝突後の中国動向と印中関係を専門的に研究する内部のシンクタンク「現代中国研究センター(Centre for Contemporary Chinese Studies)」を設立するよう委託された。

その後、すぐダス氏はインド外交部対米担当長官に就任し、インド、米国、日本と豪州のダイヤモンド構想を含む、良好な米印関係を更に良くするために尽力した。

インドは蔡英文総統の新南向政策※の中の重要な国家の一つでもあり、台湾外交部は9日に駐インド代表であった田中光氏を政務次長へ任命し、アジア太平洋担当長官だった葛葆萱氏を当代表へと任命すると公告を出した。総統は中興大学国際学部長の陳牧民氏を特任駐インド公使へと任命し、副代表の名義をもって対外公務に付くが、これは台湾が印度を非常に重視している表れである。

※「新南向政策」とは・・・・そもそも「南向政策」とは 1990 年代に台湾政府が外交及び経済面での発展を促すために定めた政策。台湾企業の中国大陸への一極集中投資を分散させる意味で南方に位置する東南アジアへの投資を奨励してきた。
中でも越南やインドネシアは当時より最重要拠点とされ、他国に先駆けた進出を果たしている。その後、中共による開放政策が追い風となり中国大陸への投資が増大し、1997 年のアジア通貨危機の影響もあり東南アジア地域への投資は停滞してしまった。だが、中国大陸での賃金上昇、投資環境の悪化、中国と台湾の関係の変化等により再び東南アジア地域が注目され、蔡英文政権の「新南向政策」に繋がったとも言える。

2020年7月16日 編集・翻訳(八度 妖)

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中印国境で衝突….150人の兵士が殴り合い11人負傷

1か月半ほど前のニュースなのですが、インドと中国が今火花を散らしている状況を台湾メディアが伝えておりましたので、簡単ではありますが、まとめてみました。
まず、どの分野で火花が散っているかというと、軍事面、外交面、水源面、そして経済面においてでございます。
まずは一つのニュースを取り上げたいと思います。

かねてからいざこざがあった印中国境付近の様子。冷静なインド兵に対して、解放軍兵士は声を荒げているところ

  インドと中国の国境に対する考え方が異なるため、時々国境でいざこざが発生しているが、両軍軍人が5月9日、インド シッキム州北部の印中国境付近で大規模な乱闘があり、インド兵4人、中国兵7名が負傷した。

  インドの《ヒンドゥスタン・タイムズ》の10日の報道によると、シッキム州北部の海抜5000メートルにあるナク・ラ地方でインド兵が巡邏中に中国兵に出くわし、突然激しい殴り合いが始まり、両軍合わせて約150人が参戦し、そのうち4人のインド兵と7人の中国兵が軽い怪我をしたと伝えた。

  しかし、双方が対峙している状況は既に解決しており、またこれ以上の騒ぎにはなっていない。インドのある軍人はナク・ラ地方はいざこざが頻繁に発生する地域ではないことを漏らした。

  2017年8月、印中両国の軍隊が曾てラダック地方のパンゴン湖付近で衝突したことがあり、当時は双方とも投石し相手を攻撃し両軍ともに負傷者を出したが、最終的に30分後にそれぞれ各持ち場に戻って収束した。同年両軍隊はドクラム高原において73日間対峙して、その後双方ともに撤退し、緊張が緩和したという過去がある。

はい、以上が台湾大手メディアで報道された記事の和訳でした。

  5月9日発生したナラ・ク地区での衝突以外にも5月5日にはパンゴン湖で同じく殴り合いの喧嘩があり、そして5月31日にはこちらのビデオのように一人の解放軍がインド軍人によってボコボコにされるという映像も流れております。これに関してインド軍は、この映像を否定し、北部地区に於いて「衝突は起きていない」と発表しております。

  では、この事象について中国ではどのように報道されているかと言うと、通常面子を重んじる中国においては、このように外国にやられるさまは屈辱的な意味を持つの拡散はされないのですが、どうやら拡散されています。その意味としては、この映像を見せることにより怒りの矛先をインドに向けようと仕向けていると台湾メディアは捉えているようです。というのも今までは、この国境の軍事バランスは、この高原へ陸路が整備されており、いつでも兵を輸送できる中国側が有利だと言われておりましたが、今年1月1日に就任したインドの陸軍参謀総長ですが、就任に当たり述べた事として、彼の一番重きを置く任務は印中国境の武力強化すると言っております。そして、就任後すぐに国境付近の橋梁、橋ですね。を1か月弱で40トンクラスの車両が通れるように修繕し、今年中に74本、来年中には20本ほどの橋を強化する予定を打ち出しております。これの意味としては、国境付近で何かあった場合に、中国はすぐに増援できるインフラをもっているのですが、インドはインフラ面でそれができずにいましたが、橋を直すことですぐに戦車や兵を輸送するトラック等を配置することができるということになります。しかもですね、最近このパンゴン湖の近くにインド軍はC130輸送機が着陸できる飛行場を建設しているため、いつでも輸送機とトラック両方で国境付近に兵を配置させることができるようになったと伝えられております。

  ということで人民解放軍としては、なるべきパンゴン湖での優位性を保ちたいがために、インド軍の増強に焦りを感じており、それを早い段階でつぶすにも国民に反インド感情を高くしておいた方がやりやすいために、現在ネットでは先ほどのメンツを失うような解放軍がボコボコにされる映像に規制をかけていないと台湾の国際情勢に詳しい人物は語っておりました。通常面子を失ったり、反体制的な映像や画像、文言は規制されるのにそれがないということは、紛争を起こすための国民の雰囲気づくりとは断定できませんが、反インド的な感情を国民に持たせる目的があるのは間違いなさそうですね。


  さて、今度はインド中国間の別の話題に話をしたいと思います。先程、軍事面以外にも水源や経済面でも対立していると述べましたが、今度は外交、というかSNS的な話となります。

  米ホワイトハウスの新報道官が記者会見で、世界保健機関(WHO)が中国寄りだと批判した件で、国務省や国際連合に常駐する代表部などがツイッター上で台湾のWHO参加を呼び掛ける声援の輪が広がっていたのはご存じでしょうか?

  5月1日ケイリー・マクナニー米大統領報道官は、ホワイトハウスで記者会見を行った際、あの流行り病に言及し、台湾が昨年末、人から人に感染する可能性を警告していたにもかかわらず公開しなかったとしてWHOが明らかに中国寄りだと批判しました。
そして、米国務省国際機関局は同じ1日に、公式ツイッターで台湾のWHO年次総会参加を支持する活動を展開して、「感染症との戦いには台湾が必要だ。台湾の声が聞き届けられる時がきたとWHOに伝えよう」など複数のツイートにハッシュタグ「#TweetForTaiwan」を付けて拡散を呼び掛けました。

これに様々な国の機関や著名人も反応し、瞬く間に世界中に広がったのですが、残念ながら日本ではそれほど広がっていなかったようです。私もまったく気が付きませんでした。ただ、このハッシュタグがどのくらいもりあがったかという具体的な総数は見つけられませんでしたが、どの国がこのハッシュタグをツイートしたかについて、面白い結果が出ました。まぁ、この動画はインドと中国関係を扱っているので、トップはインドとなります。このグラフをご覧ください。49%、つまりほぼ半数がインドということになります。

ただ、これにはまた別の見方があり、別の調査では、インドが32%、台湾が19%、米国が15%というものもあります。サンプリング数が400ちょっとと、8400とあるので、恐らくこちらの図の方が正しいのかもしれません。いずれにしても、インド人のWHOへの不信感、台湾への友好的な様子が分かると思います。敵の敵は味方という感じなのかもしれない、と思っていたのですが、そうでもなさそうです。

  というのも現在のインドのモディ首相、1999年に台湾を訪問しており、まぁ、当時は人民党の党首だったのですが、その際に、多くの台湾の科学技術関連の企業を訪問しております。ところで、皆さん、台湾のITと言ったらどんな会社を思い浮かべますか?ASUS、Acer、Gigabiteと言ったPCハードウェアメーカ、そしてNECや東芝のノートPCも結局は台湾がOEMなどの形でかかわっております。つまりはハードウェア的な部分を担っているのは台湾と言っても過言ではないと思います。そして今度はインドのITというと、私が真っ先に思いつくのは、インド人プログラマー。つまりはソフトウェアですね。ソフトウェア分野で非常に優秀なイメージがありますが、実際にモディ首相が首相になる前台湾訪問の際に言った言葉が非常に重要になるかもしれません。以下をご覧ください

インドのソフトウェアは非常に大事です。もしインドのソフトウェアが台湾のハードウェアと一緒になれば、これ以上お似合いのペアはない

Taiwan’s expertise in hardware and said that with India’s strength in software, the two sides should cooperate more closely like “body and soul.”

と言っておりました。そんな縁もあるのか、モディ氏がインドの首相になってから多くの台湾企業がインドを訪問しております。しかも首相というのは非常に忙しい身分でありますが、例えば鴻海の郭台銘氏がインド訪問した際だけでなく、Wistronなどの企業がインドを訪れた際に、モディ首相は殆ど会談を行なってくれるという台湾びいきの首相でございます。恐らく、狙いとしては世界の工場中国という部分で、台湾企業を招致して世界の工場と言う名前をインドに持ってこようとしているとの見方があります。実際一人当たりのGDPはインドが2000USドル、中国は1万ドルと単純計算ではありますが、インドでは中国人一人雇うコストで5人雇えるという形になります。そして、中国から工場を移転させたのであれば、土地の無償もしくは破格の土地代を提供するという仕組みを作ったり、関税についても優遇するなどの計画を出しております。先日の動画でもアップル社が生産能力の20%を中国からインドへ移転させるというニュースをご紹介いたしましたが、それはインドでの生産率が30%以上であれば、優遇政策を受けられるというのもあるようです。

  いずれにしてもインドは現在、「世界の工場」と言われている中国にある生産拠点をインドに呼び込もうとしているのは確実だという事を台湾のニュースからお分かりいただけたと思います。ただ、ご存じの方も多いと思いますが、台湾企業からも実際に現地で視察したものの、せっかくいい人材がいてもカースト制度上で上層部から反発があるだとか、電量供給が安定しないこともたまにある、衛生面にやや難ありというインフラ設備の面など様々なハードルがあるのも確かなので、そんなに簡単に工場をインドへ移転させられるかと言う問題も存在していると報告されています。いずれにしても日本のスズキが中国市場ではなくインド市場で成功していると聞きますので、数年後、10数年後には世界の工場になっているような気がします。

  インドと中国の国境においてはなかなか緊迫していますね。それだけでなく中国国内でも共産党内部の闘争が激しくなっていると言われており、外にも内側にも敵だらけという感じですね。

2020年6月2日 編集・翻訳(八度 妖)

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