恐るべし!武力威嚇だけではない中共の対台政策

ここ数日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に解放軍軍機が百数十機進入してくるというニュースが日本でも報道され、YouTubeでは「台湾有事」、「中台全面戦争」という物々しい言葉を目にすることが増えましたが、その多くが日本メディア、欧米メディア、中国メディアからの情報を元に分析しているものが多いように感じられます。台湾メディアはどのように発信しているか?というと、正直日本や欧米メディアと殆ど変わらない部分が多いのですが、一点だけ違うのが国内情勢も交えながら伝えているという点です。

日本や欧米メディアに関しては武力的な部分を中心に伝えておりますが、台湾国内においては、国民党の動きを交えて伝えているという点が異なるかなぁと思い、ブログにしてみました。


レビュー数を稼ぐには台湾と中国はバチバチに火花を散らして~、いついつ戦争が開始する~、みたいな内容はレビュー数が伸びるのですが、私はそれよりも知ってもらいたい事、つまりは武力よりも脅威に感じることに焦点を当てたいと思っております。

それは

合法的に台湾の国防能力を
弱めようと動いている

ということです。

本題に入る前に、台湾国防というと、現在はF16VやM1A2Tエイブラムス戦車を大量に買ったり、国産の潜水艦やミサイルを開発したりと、中国の武力威嚇に対して莫大な予算をはたいて対策を取っている状態であるのは皆さんご存じかと思います。焼け石に水、という声もあるものの、これはやるべきことだと私も思います。しかし、中国国民党は、これだけ差が開いた戦力差を埋めるよりも、中国と仲良くして刺激をしないようにすることこそ台湾が生き残る道だ、みたいな主張をしているわけでございます。なんか日本でもよく耳にする主張に似ていますよね。しかし、本当の中国の姿を知っている人にとっては、約束を守らないような相手にこのような主張は非常に危険であることは、ご理解いただけると思います。最初は仲良くしていてもある日、突然態度を変えて襲い掛かって来るのが中国様なのでございます。

さて、話を元に戻しますが、武力威嚇をすれば、太陽と北風の話のようにすればするほど、台湾側が軍事力を強めようとするのは中国側も分かっている訳です。では、どうやって国防能力を低く出来るか?というと、先ほど申した国民党の主張のように融和路線を広める事と、国防に関わる役職に自分の都合の良い人物を就かせるとうことになりますよね。

では、実際に何をしているか?というと、日本では殆ど報道されておりませんが、現在与党民進党を支持する台湾基進という政党があるのですが、その政党の国会議員に相当する立法委員である陳柏惟さんに対してリコールを問う住民投票が10月23日に行われます。以前「3分で分かる台湾政党」というYouTube動画でも述べているのですが、台湾の国会の113議席のうち台湾基進はたったの1議席しかないので、大した動きではないと思うかもしれませんが、この陳柏惟さんは立法院では、外交、海外邦人、ここでは台湾人ですけど海外邦人に関する業務、国防、退役軍人に関する法案と予算に対してアドバイスや審査を行う「立法院外交及び国防委員会」のメンバーなのです。この委員会は、現在与党民進党が6議席、野党国民党が5議席、台湾基進が1議席、無所属のフレディ・リムさんが1議席となっております。つまりは、陳柏惟さんのリコールが成立すると、その議席が空き、仮に国民党が議席を確保すると、フレディ・リムさんがどちらに投票するかで方向性が変わってしまうという事態になるわけであります。そして、現在フレディ・リムさんに対するリコール運動も国民党主導で行われており、リコール署名が目標数に達するかが注目されている訳であります。

ちなみに、もし10月23日に台湾基進の陳柏惟さんのリコールが成立すると、その選挙区、台中市第二選挙区では誰が立候補するか?というと元々国民党の基盤であった顔寛恒という国民党の議員が立候補して当選するだろうと言われております。顔氏については色々と言いたい事はありますが、一言でいえば当選したらいけない政治家とでも言っておきましょう。

で、2020年の選挙では陳さんの得票率は51.15%、顔氏48.85%と僅差である為、仮に民進党もしくは台湾基進が別の候補者を立てても、当選する確率が低くなると言われております。そうすると先ほど申し上げましたが、国防と外交に関する事項を審査する委員会は6対6+フレディ・リムさんにすることができるわけですし、フレディ・リムさんの選挙区、台北市第五選挙区においてもフレディさんの得票率44.913%、国民党候補が41.9419%と僅差であるため、この選挙区でもリコール署名が目標数に達して、その後の選挙でリコールが成立するとその後の補欠選挙は国民党候補者が有利になると言われております。

もし、陳柏惟さんやフレディ・リムさんに対するリコールが成立し、国民党候補が補欠選挙で当選すると、今後「アメリカからF35を購入する予算を成立させたい」とか「国産ミサイルの開発費を増やしたい」というような予算案が通らなくなる可能性があるわけでございます。つまりはこういう点から台湾の国防能力が危なくなるという見方をお伝えしたかったわけでございます。

台湾独立派議員を罷免しようと躍起になっている中国国民党

戦後から1980年代までは中国国民党と中国共産党は犬猿の仲、隙あらば国民党は中国大陸を奪還したいと考えていたのですが、今や民進党を倒す為ならなりふり構わないという姿勢になってしまい、中共と組んでまで民進党を倒そうとしているわけなのであります。そして現在、先ほど述べた陳柏惟さんとフレディ・リムさんに対するリコールを成立させようと、メディア、特に赤いメディアや国民党寄りのメディア、台湾では青いメディアと言いますが、赤と青のメディアでは彼らに対するデマや歪曲した情報をバンバン流して、政治に興味を持っていない層、つまりは政治を勉強しようとしない層に対して印象操作を行なっております。もちろん民進党寄りや台湾独立派的なメディアはそれを打ち消すような報道をしているわけですが、こういうのってインパクトがある話の方が人々は興味を持つんですよね。

例えば、陳柏惟さんが「ドラッグを合法化するべきだ、と過去に発言した」というような報道すれば、政治に興味ない人は「陳さんはなんて悪い奴なんだ」と思うかもしれませんが、実際の所「医薬用などの薬物、例えば医療用大麻等は合法化するべきだ」と発言していたのを切り取っているのが分かるわけであります。医療用大麻が良いか悪いかは、ここでは議論しませんが、このような手口でリコール賛成!という票を集めようとしているのが国民党なのであります。また、その背後には赤い影があるとも噂されております。なぜなら、陳柏惟さんリコールを促すこのような看板が台中市内のあちこちに建てられており、相当な資金がないとこのような看板を立てる事が出来ません。また看板の背景色は真っ赤にしてあるという部分が国民党らしいなぁと思う訳であります。つまりは、反中共的な思想を持つ台湾独立派と言われる有権者に対しても、陳柏惟さんは赤いというイメージを持たせ、少しでもリコール賛成票を得ようとしているわけであります。これなんかは、反日感情を持つ人が多いと言われる所謂外省人、特に高齢者なんかですね。これは旭日旗をイメージできるポスターですからね。補足しますと、旭日旗イコール軍国主義、侵略の象徴だというのは、あの國から台湾に入ってきたものが多いと言う事付け加えておきますし、一般的な人はあまり興味ないとか、そうだと思っていても口にしない、まったくそう思わないというように様々な考えがあるので、決して「台湾人は旭日旗に対して、マイナスイメージを持っている、とか全く問題ないと思っている」というように決めつけはしないでください。それに今回の話題とは逸れる話になりますし。

さて、最後になりますが、話を戻しますと、今や台湾に対する中共の武力的脅威は日に日に増して、民主主義国家がそれに対応して戦艦や空母を派遣するなど、台湾海峡や南シナ海、東シナ海に緊張が高まっていて、YouTubeなどではそれに関する情報が結構挙がっておりますよね。結局は武力の均衡が崩れると武力行為が行われると言われているわけですので、現在台湾に対して威嚇しつつ、台湾国内では国防能力を高める事を阻止しようとしている動きがあるという点で今回お話しさせていただきました。ちなみに中国様ですが、国内の不満がなければ、温和にただ単に台湾の国防を落とすことに全集中すればいいのですが、国内は国内で不満があるため、武力威嚇をすることで国内向けの宣伝となり、ガス抜き的な要素でやっているという見方もあるようです。

たかだか1議席のリコール選挙、とお思いでしょうが、中長期的な視点で見ると、結構恐ろしい動きがあるということがお分かりいただけたかと思いますし、日本の報道ではここまで踏み込んだ報道をしている大手メディアは無いと思っております。このブログでは基本的な方針として日本のメディアでは報道されていない台湾情報を発信していこうと思っております。

2021年10月8日 編集・翻訳(八度妖)

YouTubeでは、図も用いながら解説しております

永世中立国のスイスでさえ台湾寄りの議案が圧倒的多数で可決される

スイスは永世中立国であるヨーロッパの国として有名ですが、今日はそのスイスが15日「台湾との関係改善」に関する議案を圧倒的多数で可決したというニュースの冒頭を紹介し、その後でヨーロッパでの台湾に関する動きを簡単にまとめてみました。

一言でいうと、ヨーロッパで中国寄りから台湾寄り、または台湾とも関係を持とうとする国が出て来た、ということですね。

では早速参ります。

「台湾との関係改善」案、圧倒的多数で可決=スイス下院 外交部が謝意

(台北中央社)外交部(外務省)の欧江安(おうこうあん)報道官は15日、スイス国民議会(下院)、つまりは我が国の衆議院に相当する優位性のある議会の事ですね、その国民議会が台湾との関係改善を求める議案を圧倒的多数で可決したことについて、歓迎と感謝を表明し、共に努力しながら持続可能な開発目標の達成に向けた双方の強固な基礎がより一層固められるだろうとの考えを示した。

続きは以下をご覧ください。

https://japan.cna.com.tw/news/apol/202109150010.aspx

はい、以上が記事のご紹介でした。


では、なぜ永世中立国のスイスが台湾寄りの議案を通したのか?というと、スイス国会議員であるNicolas Walderさんが議会で「台湾はスイスと民主、人権と自由経済についての価値を共有できるパートナーだ」と発言したことから、その理由を読み取れると思いますし、この発言は、これに相対する国が存在する事の表れでもあります。

しかもスイスは記事内にあったように2007年に台湾に関する議案を可決して以来、14年ほど、台湾と中国の2か国の関係に対して非常に保守的、静観していることが多かったのですが、これはスイスという中立国家もが台湾という存在の重要性を重視し始めたのか、はたまた中国の傍若無人ぶりに嫌気をさしたのか、スイスメディアに目を通したわけではないので分かりませんが、いずれにしても台湾にとってはよいニュースであるには違いありません。ちなみに、台湾メディアは自国のことなので、「スイスが台湾の存在を重視して台湾寄りの議案を通した」みたいな論調が多かったのは当然の事かと思います。

このスイスのニュースの他にも我々から距離的に遠い存在のヨーロッパでは、欧州議会外交委員が9月1日に「欧州連合(EU)と台湾との政治関係と協力」報告書及び関連の修正案を圧倒的多数で可決させたりするなど、「一つの中国の原則」に従う※としたEUの方針が転換しつつあるようにも感じられます。

※Katinka Barysch. EMBRACING THE DRAGON The EU’s partnership with Chinaより

この報告書では中国の台湾に対する軍事的脅威を懸念して中国に台湾海峡の安定を破壊するあらゆる活動を停止するよう促すとともに、台湾海峡両岸関係のいかなる変化も台湾の人々の意向に反することがあってはならないとの立場を堅持することを盛り込んでいます。つまりは、極端な話、台湾が「独立」と主張すれば、EUはそれを受け入れる立場にある、ということですね。

そして修正案は、現在EUが台湾に設けているカウンター機関「欧洲経貿弁事処」(European Economic and Trade Office in Taipei)の名称を「欧盟駐台弁事処」(EU Office in Taiwan)に変更して、EUと台湾が緊密に連携する実質的な関係を反映させ、またリトアニアが台湾の代表機関設置に同意したことを歓迎と支持をし、中国によるリトアニアへの経済制裁を非難することが盛り込まれました。

ちなみにEUと台湾との関係で政治について触れられた報告書は初めてであり、EUの動きが永世中立国であったスイスにも影響を及ぼし、今回の「台湾との関係改善」議案可決につながったとみられております。

他にも、イギリスが中国駐英大使の議会への立ち入りを禁止したり、ロンドンタワーのあるロンドン市タワーハムレッツ自治区においては、再開発地区に移る議会の近くの地名を「香港広場、ウイグル法廷、チベット議会などへ変更しようとする動きもみられており、英中関係の冷え込みは更に進むものと考えられております。

いずれにしても、習近平体制になって世界が気づいたこととは、中国様は他国が何をしても中国が気に食わなければ、大声で抗議したり、経済制裁をちらつかせたり、場合によっては制裁を実行したりと、一方通行の外交をしているのに、愛想をつかせたということでしょうかね。日本は総裁選に注目が集まっておりますが、次の総裁には、対中国において強い態度を示すとともに、台湾との関係を更に強めてほしいものです。

最後に、頭の悪い私なのですが、海外のニュースを聞くときに、上院と下院ってどちらが優位性があるのか?とこんがらがってしまうのですが、最近その由来を聞いてやっと分かるようになりました。英語で言うと上院がUpper House、下院がLower Houseと呼ばれており、当時の議会で使用した建物が2階建てで、議員の多い議会を1階で、議員の少ない議会を2階で行っていたため、こう呼ばれるようになったようです。通常、大事なことを決定する場合は大勢の人数で決めるのが良いとされるため、1階での議会に優位性がある、と覚えておくとよいかと思います。

2021年9月17日 編集・翻訳(八度妖)

先週の台湾(9月5日~11日)

今日は先週注目された台湾国内のニュースを纏めてみましたのでご覧ください。

●ウェルチ財団は8日、元中央研究院院長の翁啟惠氏に2021年ウェルチ化学賞を授与する事を発表した。これは台湾で初の受賞であり、糖化学研究において卓越した貢献を示した証である。

《簡易解説》
  ウェルチ化学賞については、翁氏は中華民国籍とアメリカ国籍を持つ科学者であり、糖化学研究での功績が認められて受賞に至ったという感じですかね。ちょっとこの辺の分野については知らないのですが、記事を読むと、この研究成果を応用すると心臓病や脳卒中、様々な炎症性疾患を治療する新薬の開発に用いられると考えられております。
また、翁氏は今回のウェルチ化学賞を受賞したことで、台湾人として2人目のノーベル賞受賞者になるのではと期待されております。ちなみに1人目は1986年に化学賞を受賞した李遠哲さんとなります。

ウェルチ化学賞を受賞した 翁啟惠 氏

●台湾CDCは8日、新北市幼稚園のクラスータに関してDelta変異株が引き起こしたと発表したが、EVA航空パイロットが感染したDeltaウイルスとは異なる為、感染源は異なるという見解を示した。

《簡易解説》
  デルタ変異株ですが、5月に市中感染が始まり、厳しめの行動制限が敷かれて、ここ数週間一けた台の感染者でほぼ抑え込みに成功していたのですが、先日新北市においてクラスターが発生して、完全には抑え込めていない、油断するとすぐに広がってしまうという特性を改めて認識させられる一件ですね。しかも感染力の強いデルタ株となると、これからが台湾の感染症対策の正念場というところになるのでしょうか。ただ、ワクチン、防疫対策において、中国国民党が色々と妨害工作をしているのも事実なので、正しくこの図が現在の台湾を現していると思います。前には中共、背後からは国民党と民衆党と言った感じですね。

●行政院は9日、デジタル版と紙製の五倍振興券予約を22日から開放すると発表した。また紙製振興券は25日からコンビニで予約が開始され、10月8日から受領でき、郵便局では10月4日から予約が開始され、12日から受領できる。

《簡易解説》
  これは5月からの行動制限に対して、疫病が収まりつつある為、縮んでしまった経済を回復させるためのカンフル剤的な意味合いがある政策です。日本は昨年10万円の現金を給付しましたが、台湾は5千元分(約18000円)の振興券という形で給付します。私は、景気刺激策としては現金給付よりもこのような振興券という形の方が良いと思います。
なぜなら、現金支給だと、貯金される可能性が大きいし、税金の支払いにも、株式投資にも、海外送金だって出来てしまう訳で、国内でお金を回す、という点では、若干の無駄が出てしまうかと思います。逆に振興券ですと、使用期限が来年の4月末までですので、給付されてまず思う事は「使わにゃ損」ということですね。つまりこの振興券は市場にお金を回すという役割をきちんと果たしてくれるという点ですね。
デメリットとしては、すべての場面でこの振興券が使えるわけではないという点でしょうかね。

ちなみにもらえる対象は台湾国民と台湾人と結婚した外国人配偶者、永久居留証を有している人となっており、私も対象となるようです。しかもネットで申し込むことができて、かつ台湾に住んでいなくても受領できるということなので、申し込もうかと検討しております。台湾にも税金を払っているので、これくらいは許してほしいなぁと思います。

紙製の振興券のデザインはこんな形になります。

同じ内容をYouTubeでも配信しております

2021年9月14日 編集・翻訳(八度妖)

台湾の若者に広がる天然独という考え

皆さん、「天然独」または「自然独」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
これは

1980年以降に生まれた人たちで台湾は既に独立していると考える台湾人

の事を指す政治的な要素を含む単語となります。この世代、1980年以降に生まれた人たちと言うと、今ですと大体アラフォーよりも下の世代ということになりますね。この世代の多くは自分自身を台湾人と考えており、台湾は既に独立主権国家であるということを支持しております。いわゆる現状維持派、もっと細かく言うと華独、または独台と言われる勢力に分類されるのですが、真の台湾独立、台湾建国という考えを持っているか?と言われるとそうではない場合があるので、注意が必要です。

ちなみに、華独、独台、台独、建国等の分類については、過去の動画を作っておりますので、そちらをご参照ください。概要欄にURL張り付けておきます。

さて、今日ご紹介した「天然独」という言葉ですが、一般的に言われているのが2014年頃、当時の民進党の主席であった蔡英文さんが発表した談話から生まれたと言われておりますが、2014年3月から中国との貿易協定締結に反対した学生たちが立法院、国会ですね、を占拠した「ひまわり学生運動」の後に広く認知されるようになったと言われております。

ちなみに、この「天然独」の対義語として挙げられるのが「天然統」という言葉となり、これは1970年代よりも前に生まれた「旧世代」の台湾人で、台湾は中国と統一しなければならないと考える台湾人の事であります。この世代というのは、中国国民党の「中華民国こそ正当な中国であり、いつの日か大陸を反撃して祖国統一を果たすんだ」という教育を幼いころから大人になるまでみっちりと洗脳とも言えるような方法で叩きこまれた世代である為、所謂本省人と言われる人たちもこういう考えを持っているのも事実であります。最近は日本人が自虐史観から抜け出せる人が出てきているように、台湾人のこの「天然統」と言われる人たちも、中華民国の洗脳から抜け出せている人もいますし、そもそも政治に興味のある人は、そもそも国民党による洗脳にかからなかった人や、もっと早い時期からすぐに抜け出せた人がいますので、「天然統」はあくまでも一部の人に対する呼び方であります。

ではなぜ、1980年代以降に生まれた人は、台湾は既に独立国家だと考え、それ以前の人、特に政治に興味のない人は台湾は中国、と言っても蒋介石達の考える「中華民国」の一部だと考えるのか?という点を挙げると、教育が主な原因だと言われます。

1970年代よりも前に生まれた人たちは、小中高の間、歴史の授業は秦の始皇帝、三国志、隋、唐、宋、明、清と言ったような中国についての歴史を中心に教え込まれておりましたし、国語の授業においても台湾土着の言語である台湾語の使用を禁止され、徹底的に中国で使われていた中国語、マンダリンを教え、教科書の内容は、「私は中国人、中国を愛している」みたいな文章を小学1年生の時から使わせていましたからね。

それが、李登輝さんが実権を握るようになってから、教育においても台湾について、を中心に教え始めるようになり、徐々に「台湾人である」というアイデンティティを持ち始めるようになりました。

更には、最近は言論の自由が確実に保証されるようになってきており、更には国民党政府が封印していた旧石器時代から近代におけるまでの台湾の歴史研究も自由にできるようになり、今まで隠されていた本当の歴史が明るみになったことからも、1970年代よりも前に生まれた人でも「私は中国人ではなく台湾人だ」と考える人が増えてきているのも事実です。これは、日本人が「先の戦争は日本は近隣諸国に多大なる迷惑をかけて大いに反省すべきで、反論の余地がない」という思想から抜け出せる人が増えてきているのに似ている状況かと思います。イメージ的には

日本→WGIP
台湾→国民党洗脳教育

こんな感じでしょうか

 実際に中共の「統一戦線部」の事務官 辛旗という人物も、李登輝総統が教育内容を中国中心から台湾中心にすることで、台湾は台湾だという意識が芽生えると考えている事を明言しておりますし、その対策として、馬英九総統時代に教科書の内容を変更するよう求めていたことも明らかになっていることから、台湾は台湾、という主張が正しい、これからも推し進めるべきだという事がわかりますね。

 因みに1980年以降の生まれた人たち、つまりはアラフォー世代よりも下の世代は、外省人や本省人という区別はしない方が良いかと思います。というのも、この世代というのは、外省人2世代目、3世代目にあたり、台湾で生まれ育ち、そして、先ほど述べたように教育も台湾を中心にした内容へとシフトしていることも有り、また、中国への旅行、中国への出張、そして海外旅行を自由にできるようになった世代であり、その経験から「中国人と一緒にされるのは嫌だ」と感じているのは事実であるため、所謂外省人と言われる人でも「中国と台湾はそれぞれ別の国、一辺一国」という考え方はもちろん、「台湾独立を支持する人たち」すら一定数存在しております。

 逆に、所謂本省人といわれる人たちでも、札束つかんでしまったのか、ハチミツを食べてしまったのか、はたまた弱みを握られているのか、それともただ単に勉強不足で洗脳されてしまったのか分かりませんが、台湾は中国の一部であると考える人たちもいるのも事実であります。

つまりは、お爺さん・お婆さん世代ならいざ知らず、若い世代においては、外省人、本省人というように区別することはあまり意味のない事なのです。もちろん所謂外省人2世、3世でも、台湾CDCにお供え用の花を贈ったりする、頭の中身が典型的な中華脳、日本人や台湾人が強烈な嫌悪感を起こすような行動をする人物がいるのも事実なんですけどね。

まとめ

  天然独という単語が出てくるくらいアラフォー世代よりも下の世代では、台湾人というアイデンティティを持っている事が読み取れると思います。このことから、台湾では中華民国または中華人民共和国と統一する事を望む勢力は少数派になっているということが分かりますし、何より若い世代が台湾人というアイデンティティを持っている事から、台湾の中華民国体制からの脱却は近いのではないか?と思っております。

最後に、日本の言論界では未だに台湾情勢を語る際に「外省人と本省人」というステレオタイプな考えで論じている人が多いのが現状です。しかし先ほどの述べたように台湾情勢は本当に複雑であり、情勢も日々刻々と変化している事を踏まえると、こういうステレオタイプで台湾情勢を語る言論人の情報は大したことが無い、池上彰レベルだと思って良いですね。意外と多いんですよ、台湾通の顔をして、外省人だから~~~、という有名言論人が。
ちなみに内省人という人がいますが、台湾では内省人という言葉は使わないですし、そもそも台湾では1997年に憲法を改正して、台湾省というものが実質的に廃止されております。つまりは、台湾には既に「省」というものが存在しておりませんので、外省も本省もないんです。
※名称としては存在しているが、何の機能も持たない状態

2021年9月5日 編集・翻訳(八度妖)

台湾は【中華民国】ではない!

台湾の正式名称を「中華民国」と思っている人が多いようだが、実は「中華民国ではない」という考え方もできることを漫画風に簡単にまとめてみたのでぜひご覧いただきたい。台湾という国は「杓子定規」的に語る事ができない国であるので、理解するのは非常に難しいが、仲の良いお隣の国同士、もう少し台湾情勢に目を向けてみては如何だろうか?

2021年8月23日 八度妖

台湾行き高速鉄道に期待するだけではない?中国が台湾向け空港の建設を計画

  本日は金にものを言わせて、インフラをバンバン建設する中国で、台湾向けの空港が建設されるかもしれない?というニュースがありましたのでご紹介いたします。
まずは台湾最大の新聞社 自由時報の記事より

  中国による情報戦及び武力威嚇が続き、台湾海峡情勢が緊張状態になる中、中国官報メディアの報道では、中国政府は近い将来30億人民元(約500億円)を投じて台湾から程近い福建省平潭県の海を埋め立て、空港を建設する計画があると噂されている。その空港の位置づけとしては、「台湾向け空港」と呼ばれ、台湾との間の旅客輸送及び福建と台湾の航空輸送などを発展させることに重点を置いている。それとは別に、以前中国は2035年までの計画案の中に、道路や鉄道を北京から台湾へ通す計画も存在している。

  中央人民広播電台のネットニュースの報道では、中国福建省が発表した《福建省交通強国先行区建設実施方案》に港や空港を建設する必要があると書かれており、その案の中には通常の空港以外にも、交通の要所(ハブ)、海上空港、水上空港なども含まれていた。近年の計画には、福建省には少なくとも10か所の空港建設計画があり、平潭空港はその1つである。

  報道によると、平潭空港建設には30億人民元(約500億円)が投資される計画で、空港の位置づけとしては福州都市エリアの第二空港で、台湾向けの空港、ジェネラルアビエーション(一般航空)基地である。建設の目的は台湾との直行便による旅客輸送、一般航空サービス、福建と台湾間の速達物流などを発展させることである。これ以外にも空中遊覧飛行観光というような一般航空と旅行観光とも融合させる計画もある。

  これに対して、《ボイスオブアメリカ》の報道では、福建省は常に対台湾作戦の第一線であると考えられており、平潭と台湾新竹の距離は僅か68海里、約125キロメートルしかなく、計画内にある平潭空港は軍事目的も視野に入れているのではないか?とされ、注目されている。これに対して中国当局は特に説明はしておらず、多くのメディアがこの計画を取り上げていることを根拠として、福建省政府は経済発展と台湾との経済交流を進めることを一番に考えているとしている。しかしながら、北京は積極的に台湾との経済交流を進めると共に、一方では、台湾に対して多方面に渡り圧力をかけている事から照らし合わせると、現状両岸関係は双方がにらみ合っている状態であり、それが鮮明になっている。


はい、以上が記事の和訳でした。
改めて位置関係をみてみると、中国福建省のこの場所になります。記事に出て来た新竹というのは、この辺で、ここには台湾の著名な企業を含むIT企業・半導体関連企業を含むサイエンスパークと呼ばれる工業エリアがあり、また近くには軍事基地もあり、台湾の防衛に関しては重要拠点だと言わる場所でもあります。

皆様は既に知っていらっしゃるので、特に説明は不要かと思いますが改めてお伝えしますが、中国政府の真意というのをどのように判断するか?というと、彼らの発表するものは参考程度にして、実際に行動を起こしているものが真意だということ、思い出していただきたいのです。

  尖閣諸島についても、口では平和的な解決、尖閣付近の海底資源については共同開発しようなどと、きれいごとを言っておりますよね。でもやっている事は連日海警船と言われるけども実際は軍艦が尖閣諸島近くまでやってきたり、海上プラントをギリギリの線のところに作ったりと、やりたい放題ですよね。
それを象徴するような発言がありましたので、ご紹介いたします。
8月4日の中国駐大阪領事館の公式Twitterアカウントのツイートなのですが、

とツイートしております。つまり、何が言いたいかというと、こうした公式アカウント、政府の対外機関でもある領事館がこのように呟いているということは、これが中国政府の考え方であると言う事の表れであり、口は嫌だと言っても体は正直というのは正に中国の外交姿勢と同じであるという事がお分かりいただけると思います。
  今は、この発言が削除されてしまっておりますが、中国大使館、中国領事館、及び中国の外交部スポークスマン等の公式アカウントでは度々中国政府の真意が現れる発言があるので、やはり中国情勢は北京当局や官報メディアの発表だけを見るのではなく、それ前後の動きを見るのが大切だと言う事、改めてお伝えいたします。

ですので、今回の福建省の空港建設についても、口では民間利用、経済発展のための建設、とは言うものの、しれっと、いつの間にか軍用になっていた、ということもあり得るので、注意が必要であることには変わりないですね。もしここが軍事拠点となったら、先ほど説明した新竹、そして首都である台北をも攻撃範囲に入れてしまうので、台湾としては「ああ、民間用に使う空港なんですね」なんて呑気なことが言えない状態であるのです。

体は正直という発言は、日本においても同じで、最初は「平和的にやりましょう」とか「この問題は棚上げしましょう」というような言葉はそのうち反故にされるので本当に注意が必要ですね。これに関して、李登輝元総統が1990年代に既に中共の本質を見透かしていたという発言があったので、次回これをご紹介いたしますね。

はい、本日は以上となります。

2021年8月19日 編集・翻訳(八度妖)

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台湾駐日代表と会談 二階自民幹事長

台湾の民進党の大物政治家でもあり、駐日台湾大使でもある謝長廷さんがなんと自民党幹事長の二階俊博氏と会談を行うというニュースがありましたので、時事通信の非常に短い記事の読み上げ、その後に台湾メディアの情報をお伝えしたいと思います。

ではまずは時事通信の記事から

台湾駐日代表と会談 二階自民幹事長

 自民党の二階俊博幹事長は12日、台湾の在日大使館に当たる台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表と、党本部で会談した。中国と太いパイプを持つことで知られる二階氏が、台湾の要人と会談するのは異例という。

時事通信

  はい、以上が記事となります。非常に短いですよね。時事通信の立ち位置というのが私は分からないのですが、この出来事に対して記事として取り上げたのが時事通信と共同通信のみで、しかもどちらも先ほどのように非常に短い文章でした。
こちらのニュースについても台湾最大の新聞社自由時報でも報じられておりましたが、もう少し情報がありました。

1つ目は、謝長廷大使は、蔡英文総統からの贈り物として茶器セットを贈ったというもの。そしてその茶器は先日新しく駐日アメリカ大使に就任したレイモンド・グリーン氏に贈ったものと同じものだと書かれておりました。

これですね。中身が見えないのは残念ですが、台湾には陶磁器で有名な鶯歌という新北市にある都市があるので、もしかしたら鶯歌の茶器かもしれませんね。

二つ目の情報として、これは確定情報ではなく情報筋からの情報ということで、恐らく台湾側サイドの関係者からの情報と思われますが、謝大使が二階氏と話をした内容というのは、6月4日を第一弾として何度にも渡るアストラゼネカ社製のワクチン提供、東京オリンピックにおける様々な協力、そして二階幹事長の地元和歌山県議会が昨年12月に可決された「台湾の世界保健機構(WHO)への参加を求める意見書」に対して感謝の意を伝えたと言われております。

ただ、時事通信では二階幹事長が台湾の要人と会談するのは異例、と記事にもあったように、今回謝長廷大使が二階幹事長に会うのが初めて、というような印象を持たせるような文章ですが、実は2016年に謝長廷大使が駐日大使に就任した際にも自民党本部を訪れ二階幹事長と会っているんですよね。

  ちなみに、二階幹事長は台湾でも「大物親中派議員」として知られており、続報は無いのですが、2016年に会談したニュースは私が調べた限りではそういった記事が無く、そして今回非常に短い文章で、且つ取り上げ方も小さい状態ではあるものの、あの二階幹事長が台湾の大物政治家であり台湾独立派と看做されている民進党の大物、しかも2008年の総統選で馬英九元総統とも争った謝長廷大使と会談したということを取り上げられるようになったということは、意外や意外、中共によるメディアの浸透がほんの少しだけ改善されたのかもしれませんね。ただ、引き続きメディア、政治家、そして発言に影響力のある有名言論人への浸透工作は引き続き行われていると考えた方が良いと思うので、油断大敵である事には変わりありませんね。

  話はちょっと逸れますが、スガ総理は色々と批判が多いものの、対台湾という面に限っては、私個人的には親台派と言われる岸信夫防衛大臣を起用する、ワクチンを素早く提供など、高く評価していい部分もあるのではないかと思っております。ただ、その他の国内外の政策についてはノーコメントとさせていただきます。だってあまり分からないんですもの・・・

2021年8月13日 編集・翻訳(八度妖)

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空軍幹部がスパイ防止法を突破して中共軍事委員会と接していた

今、台湾で中国共産党による浸透工作が進んでいる、国策企業が乗っ取られ大騒ぎになっているというニュースが出ておりますが、今度は軍事関係のスパイ案件が出てきましたのでご紹介いたします。

台湾、中国のスパイ巡り元国防次官らを調査=関係筋

[台北 28日 ロイター] – 関係筋が28日明らかにしたところによると、台湾当局は、中国のスパイと接触した疑いがあるとして、張哲平・元国防部副部長(国防次官に相当)のほか、現役や退役した軍司令官を調査している。台湾のオンラインメディア「鏡週刊」によると、元副部長らは中国の中央軍事委員会の香港代表と連絡を取り合っていた疑いが持たれている。張哲平・元副部長は国防大学の校長を務めており、近年、スパイ容疑で調査対象となった人物としては最高位となる。

https://jp.reuters.com/article/taiwan-military-china-idJPKBN2EY1G4

→ちなみに国防大学は、名前から想像できるように士官養成学校のようなところで、軍隊とは密接な関係を持つポジションである事には間違えありません。スパイ工作もいきなりトップクラスの人に接触できる可能性は低いですから地道に上へ上へと人脈を辿っているでしょうから、ここまでの最高位の人物にも手が届いているというのはかなり深刻な状況とも言われております。

元副部長は、鏡週刊の報道について「こじつけだ」との声明を発表。「私は何十年も軍人を務めており、秘密を守る習慣が常に身に付いている。許可なく軍事上の問題を話したことはない」と述べた。元副部長は身柄を拘束されていない。

https://jp.reuters.com/article/taiwan-military-china-idJPKBN2EY1G4


→これに関しては、台湾の軍隊上層部を怪しいと思っている人にとっては、「何かを隠している」と考えるでしょうし、人柄が良いと言われる張副部長と仲のいい人たちは、「接触はしたが、機密は漏洩していない」と主張すると思います。まずは調査結果が出るまでは推測の域を脱すことが出来ないということになります。
ただ、台湾の軍人ネットワークは一般社会にいる人々よりは狭い、と言われ、面識のない人と会う事自体、警戒心のある人であれば、それなりの心構えで人と会っていると推測できます。

台湾国防部は、中国共産党の情報機関が「仲介者を通じて」軍司令官への接触を試みたが、軍事上の機密情報は漏洩していないとの声明を発表。兵士や家族の反スパイ教育を積極的に強化していると表明した。

https://jp.reuters.com/article/taiwan-military-china-idJPKBN2EY1G4


→これも台湾の国防部を戦前の大本営のように不祥事を隠す体制のため、声明は虚偽だ、とか疑わしいと思っている人にとっては、漏洩があった可能性が高いと指摘すると思いますが、先ほども述べたようにまだ調査中であるため、結論を出すのは早いと思います。

中国国防省のコメントは取れていない。

https://jp.reuters.com/article/taiwan-military-china-idJPKBN2EY1G4

→中国国防省が「はい、浸透工作してました」なんて言うはずはありませんが、一応確認は取ろうとしているみたいですね。続けます。

鏡週刊によると、中国の中央軍事委員会の香港代表は台湾を訪問し、元副部長と複数回、食事をした。香港代表は、元副部長の夫人の香港旅行も企画したという。
元副部長は、旅費は自分で支払ったと主張。兵士や友人と食事する際は機密情報に関するルールを常に厳格に守っていると反論した。

https://jp.reuters.com/article/taiwan-military-china-idJPKBN2EY1G4

→こちらは、張副部長を落とすのが難しいと判断したために、家族から取り込もうと工作したことが伺えます。で、実際に夫人は香港旅行へ行ったようですし、食事も複数回行なっているので、疑いをかけられるのは当然かと思います。

はい、以上が台湾国防上最大のスパイ案件か?と言われるニュース記事でした。


  さて、まず最初に強調する事としては、このニュースは現段階ではまだ調査中であり、このニュースや関連情報を使って、あたかも結論が出たかのように話を進めるのは良くないということであります。もちろん居酒屋で仲間と話す程度であれば、全然問題ないのですが。

  そして大切な事としては、このスパイ案件が本当だとしても、誤報だったとしても、蔡英文総統・頼清徳副総統が国家運営を任されている限り、「台湾は中共とズブズブなのだから、距離を置くべきだ!」という主張をしない方がよい、ということ。そして、この情報から日本はどうやっていくべきなのかを考える、つまりは人の振り見て我が振り直せ、ということだと思います。なお、何事にも警戒するのは構いませんが、今、台湾と距離を置く事は、最終的には中国共産党を利する事になりますので、そういう点も踏まえて、コメント頂けるとありがたいです。

  さて、張副部長ですが、先ほどちょこっと述べましたが、台湾の軍人の交際範囲というのは非常に狭いと紹介しました。ですので、初めて会う場合は、それなりに警戒しているはずですが、私利私欲に走るような人物であれば、美味しい話にひっかかり、国防機密を渡してしまうという事は十分に考えられると思います。ちなみに軍関係者の話ですと、人柄は非常に立派な方で、私利私欲に走るような人物ではないという声も上がっております。どうなんでしょうかね。外見だけを見ると、悪そうな人には見えないですし、2016年蔡英文政権になってからも昇進したり、蔡政権として軍の責任ある地位に就く事を任命しているので、ある程度の身辺調査はしていると思われます。そして何より、軍幹部の身辺調査には米国も関わっていると思われ、米軍による身辺調査で問題無し、または白に近いグレーだという結果が出たから、昨年F16やM1戦車などの比較的新しい武器売却を決定したと推測する事ができるようです。

  また、記事内では解放軍関係の香港代表と会ったという風に表現されておりましたが、当初は「香港のビジネスマン」という形で接触したようで、その後のその人物の背後に中共中央軍事委員会があることが分かったようです。そしてこういう人物にあった事を既に総統府など関係機関へ報告しているようですので、これからどうなるのか続報が待たれる処であります。

  なお、アメリカ政府としては、2016年に蔡英文総統が誕生する前までは、台湾の国防関連の組織は非常に黒い存在であったと認識していたようで、特に馬英九時代は中共による浸透が一番進んでしまったとも言われておりました。しかし蔡英文総統就任が確定してからは、米国政府は蔡英文政権に軍の改革を促すようなり、蔡総統も対中共という点で、今までスパイの温床であった退役軍人に関して、スパイ行為が発覚したら、年金などの福利受給資格を剥奪するなどの対策も行い、ゆっくりではあるものの、改革が行われております。年金受給資格剥奪って退役軍人には結構大きい処罰なのかなぁと思うのであります。日本ってどうなんでしょうかね。仮に機密漏えいの罪で捕まり刑務所に入ったとしても、厚生年金受給資格剥奪、なんてことは無いと思うのですが。ご存じの方がいれば教えてください。

  さて、私としては今出てくるスパイ案件に関しては、膿を出している所であり、この事象を以って台湾は中共とズブズブだと論じるのは言論人であれば、やってはいけない発言だと考えるわけであります。
台湾批判で知られている某言論人は数十年前の台湾の海軍の不祥事「ラファイエット事件」を持ち出して、台湾が中共とつながっていることを強調していますからね。

  ちなみに戦前、中国において国民党と共産党がバチバチ火花を散らしていた頃でさえ、国民党の軍令部には中共スパイが何食わぬ顔をしてわざと日本との戦いに負けるなどして国民党軍の勢力を弱める工作をした人物もいるくらいですので、中共のスパイ工作には気をつけなければならないことには変わりありません。

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2021年7月30日 編集・翻訳(八度妖)

中国が武力で台湾侵攻? 米国メディア 習近平が別の2つの方法へ変更かと報道

中国共産党は虎視眈々と台湾を飲み込むことを狙っており、武力統一または話し合いによる平和的統一の方法が取りざたされていますが、今回はこの2つの方法以外のやり方が台湾メディアで紹介されておりましたので、まずは記事を和訳してご紹介いたします。


  中国軍用機が台湾空域に頻繁に侵入しており、且つ台湾海峡周辺で軍事演習をしている中、中国は台湾侵攻の企みを加速させている。米国メディアは、中国の習近平国家主席は短期的に台湾へ武力侵攻するつもりは無いと分析しているが、軍事的な威嚇や外交孤立、経済的圧力など「智統」、「逼統」と言われる行動を起こすであろうと分析している。

《Voice of America》は、米国国防省の《2018年国防戦略》のレポート内の「グレーゾーン戦争(gray zone warfare)」では中国とロシアなどの社会主義国は、武力的な衝突ではないところでは、腐敗、略奪的な経済慣行(predatory economic)をおこなう、プロパガンダを広める、政治的な転覆、エージェント、及び脅しや軍事力を使い相手国を変化させようとしていると述べている。

  報道内では国務総省レポート内の「グレーゾーン」における多くの手段と最近中国の学者が提言している「智統」「逼統」等の戦略の多くの部分が非常に似通っていると指摘。中国学者は、両岸統一には「平和的統一」「武力統一」以外にも、もう一つの手段があり、最上の策が「智統」であり、それが最も頭脳的で、スムーズで、優れた方法且つ最も素早く最も代償の少ない国家統一手段であると考えている。

  中国の学者が提言する「智統」は3つの要素がある。1つは新憲法歩制定して、台湾向け「一国二制度」に沿って台湾統一を完成させる。2つ目は軍事、外交、法律などの手段の方向性を決め、狙いを定め、定期的に攻撃し、「台湾独立派」勢力を殲滅させる。3つ目は、中国と外国の反中勢力が均衡していても、中国統一勢力が反中勢力を抑え込む事が出来るようになった瞬間に統一は自然と行われること。というものである。

  その以外にも別の専門家は「逼統」を提言している。逼統とは、最終的に武力侵攻する前に、台湾に対してあらゆる手段を用いて、台湾当局に和平交渉を行なわせ、中国との平和統一を実現させようと迫ることである。その中には経済、貿易、国民生活、科学技術、法律等々の方法や離島占領等の行動も含むとされている。


はい、以上が記事の和訳でした。

  如何でしょうか?台湾と中共との情勢において、武力侵攻にばかり注目されていますが、「智統」や「逼統」というやり方へ習近平体制は方向転換し始めたというのも可能性としてはあると思います。孫子の兵法にもあるように、真正面からの衝突は一番の愚策と言われているくらいですし、恐らく日米の台湾をきっちりと守ろうとする動きを見て、「こりゃ、武力侵攻したら返り討ちに遭うな」とさすがに気が付いているでしょうから、武力による台湾侵攻の可能性が低いと考えるわけであります。

  また習近平としては対抗勢力を抑えて3期目に就任するためには対台湾で何か功績を挙げたいとも思っているのですが、現実として先ほど述べたように武力行使は難しい、しかし、かと言って平和的統一という話も、蔡英文政権では対話しても何も得られるものはないでしょうし、何よりも今の外交姿勢から話し合いの場を設けるためには、中共側は譲歩しなければならない部分が多くある為、話し合いを設けるイコール中共が譲歩したと、対抗勢力に揚げ足を取られかねないため、記事内にあった「智統」を実行するのが妥当だと考えられます。例えば、新憲法制定、則ち新たな条文を加えて、合法的に台湾を一国二制度の範囲に含めるというやり方は、恐らく今年2月に海警局が海の上での不法行為を取り締まるために武器を使う事を許可した海警法が施行されたように、近いうちに動きがあるのでは?とも言われております。

  憲法で台湾向け一国二制度が明確になれば、功績としても大きな動きと看做され、国内の対抗勢力に見せつける事もできるし、台湾に対する圧力、台湾内にいる親中派勢力にも示しを付ける事ができますよね。且つその上で先ほどニュース記事でも取り上げたように外交、軍事においても定期的に台湾や友好国に対して圧力をかけつつ、台湾独立派を殲滅させることが出来れば、習近平の3期目続投が決まりやすくなるのは想像に難くないですよね。しかも、対抗勢力も憲法に新たな条文を追加に関して、反対することは難しいと思われるので、実際に条文を追加したからと言って台湾を支配できるわけではないものの、比較的容易な手段と思われます。

ちなみに一国二制度に関しては中国の憲法31条に

国家は、必要のある場合は、特別行政区を設置することができる。特別行政区において実施する制度は、具体的状況に照らして、全国人民代表大会が法律でこれを定める。

というように定められております。例えばですが、この条文に「台湾特別行政区の設置は全て民主的投票によって決定される」等のような文言を加えたら、台湾人も「あれ?投票によって決められるんだったら、反対票を投じれば良いし、問題はないだろう」と思わせる事ができるわけです。
  こういった文言を新たに追加するのかはまったく不明ですが、実績を作りたい習近平体制においては、ありうる方法であると思うのです。

ちなみに中共に選挙や投票なんてあるわけないじゃないか!と突っ込まれるかもしれませんが、中共憲法の第三条には

中華人民共和国の国家機構は、民主集中制の原則を実行する。
全国人民代表大会及び地方各級人民代表大会は、すべて民主的選挙によって選出され、人民に対して責任を負い、人民の監督を受ける。

と民主的選挙によって選出され、と驚きの文言がきちんと存在しておりますが、民主集中制というのがくせもの。これは党員による党内での話し合い、多数決ということであり、一般国民は一切関係ないものである、ということ付け加えさせていただきます。つまりは、憲法にあれこれきれいごとを書いたとしても、守る守らないは共産党の都合の良いようにできるというのが実情なのでございます。

このような新憲法を制定させるのと並行して行うのが軍事、外交、法律などの手段で定期的に攻撃し、「台湾独立派」勢力を殲滅させることであります。これはちょくちょく台湾海峡で軍事演習を行なったり、世界の小国に対して中華民国台湾との断交を迫ったりしていることが該当しますよね。また「台湾独立派」勢力の殲滅に関しては、台湾独立派は台湾国内だけでなく、世界各国にいる独立派勢力にも及ぶと考えられます。ちなみに台湾独立派勢力というのは、元々台湾国内が中華民国亡命政府による戒厳令によって独立の声を挙げられない状態でしたので、日本やアメリカ、ヨーロッパなどから独立の声を挙げるという状態でした。

そういう独立派勢力を殲滅させるには、人物や組織を潰す以外にも独立支持者を増やさないという工作も含まれると考えます。それに有効な手段として世界各国のインフルエンサーと呼ばれる影響力のある人に、台湾国民は日米が送ったワクチンを煙たがっているとか、台湾が中国と裏では繋がっている、台湾人は結局のところ親中派が多い、とか台湾人は所詮中華民族だから最終的には中国に寝返る可能性があるという情報を発信させ、人々に「台湾とは距離を置くべきだ」と思わせることが手っ取り早い方法と言われております。そうした言論はネットの中で広がっていると言われており、皆様はどこかで聞いたことはないでしょうか?

  よくあるパターンとしては、台湾半導体企業が日本自動車産業を潰そうとしているとか、人民解放軍と台湾の軍隊はつながっているとか、台湾企業は実は中共企業のフロント企業である、とか、台湾人は中国製ワクチンを打ちたがっており、空港に大勢の人が押し寄せた、とか。これは一部、事実である部分もあるのですが、一部だけを切り取って台湾が中共とズブズブであるというような印象を持たそうとしているのは明らかであります。所謂印象操作ですね。
  具体的な部分に関しては、ご要望があれば別の動画にしたいと思います。ただ、そのインフルエンサーって誰なんだ!という声があるかと思います。その部分については、代表的な人物として、一人は中国の国費で留学したことのある男性売文家、もう一人は浙江財閥ガーと中共傀儡メディアの記事を多数引用して蔡英文総統を貶めたりもする女性保守系言論人であると付け加えておきますね。


  いずれにしても、台湾独立派の殲滅、というやり方は日ごろそういう情報を発信している人にとっては、注意しなければならない事柄だと思います。まぁ、私のような小さいチャンネルには軽いジャブ程度しか来ないでしょうけど、戦前の中国のコミンテルンも最初は50人くらいのごろつきが田舎に集まっただけだったと聞きます。
(7/27(火) 虎ノ門ニュース百田氏発言より)

ですので、油断はできないのは変わりありませんね。
いずれにしても、民間人から台湾独立を応援する声があがることは、「智統」を行なう上では厄介になるわけで、必死になって台湾ディスりを行ない、台湾に対するイメージダウンを図っているのは想像に難くないと考えられるわけであります。

ただ、もし「智統」がうまくいかないとなると、武力侵攻をちらつかせながら交渉の場を設けようとする「逼統」があるわけですが、幸いにも現在台湾の政権を握っているのは蔡英文総統。武力侵攻をちらつかせても、ひるむことなく、そして昨年の10月には
「中国当局が対等と尊厳を維持しながら、積極的に対立を解消し、中台関係を改善するのであれば、われわれも積極的に協力し、有意義な対話を進める」
と表明している事より、こちらに関しては可能性がかなり低いと思われます。李登輝元総統の意志を受け継いでいると言われる蔡英文さんが台湾の総統であって良かったなぁと改めて思うニュース記事だと思った次第でございます。

あっ、ちなみに偉そうな分析をこの動画で述べていますが、基本的には台湾メディアやブログなどにあった情報を私なりに選んでまとめているだけでありますので、分析能力なんて殆どないという部分、私はかっこつけたがりですから、ぜひ内緒にしておいてください。

2021年7月29日 編集・翻訳(八度妖)

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なぜ台湾人は国民投票で「チャイニーズ台北」を自ら選んだのか?

  現在日本中がオリンピックに注目されておりますが、政治的な面で気になる点と言えば、台湾チームが「台湾」という名前では出場できず、「チャイニーズタイペイなんて名称はおかしい!」と言う声もあがるくらい、台湾への注目も高まっております。

ですが、実は2018年に台湾で「2020東京五輪に台湾という名義でオリンピックへの参加申請をするか否か」を問う国民投票が行われたのですが、結論として結局台湾名義での申請について

賛成 45.2%
反対 54.8%

という結果で否決されました。この結果だけを見ると、

「ああ、なんだ。台湾人はそこまで台湾という名称にこだわらずチャイニーズという名前も受け入れるんだなぁ」

と思うかもしれません。しかも2018年は既に蔡英文政権になっており、反中共的な考えが浸透してきた時期でもあるにも関わらずこの結果です。


そして最近になって、日台分断を図ろうとする連中が、

台湾人が国民投票でチャイニーズでも良いということを受け入れた

という情報を流し始めているのに気が付きました。

国民投票の結果だけを見ると確かに「台湾名義での参加に反対」という事になりますが、なぜこうなってしまったのかを理解しなければ、中共及び親中の国民党の思う壺にハマってしまうので、補足します。

国民投票をするにあたり、台湾名義で出場されては困る連中、例えば中国国民党や中共が

「台湾名義で申請するとオリンピックに出場できなくなるから、国民投票では反対票を入れましょう。選手の努力を無駄にしてはいけません」

みたいな情報を中華オリンピック委員会とマスコミなどを利用して大々的に宣伝したために、選手が出場できなくなることを心配した人たちが、泣く泣く反対に票を入れたという事情があるのです。


ちなみに中華オリンピック委員会は国民党支持者が多い組織と言われており、実際に当該委員会が先ほど述べたような反対票を入れるよう促す声明を出すことは異例であるとともに、よほど中国国民党にとっては都合の悪い議題であると推測が出来ます。

ソース
https://www.excite.co.jp/news/article/Jpcna_CNA_20181117_201811170005/

また、「選手が可哀想」という話題にスポットライトを当てる点、この辺の情報戦は巧妙であると感じます。これは「誰誰が可哀想」という人間の感情を悪用した情報作戦であり、人情深い台湾人の良い点でもありながら、こういう場面では弱みとなり、国民党や中共はこのへんを悪用した情報作戦である事が分かります。

いずれにしても、このような情報戦が繰り広げられ、その結果国民投票では台湾名義での参加申請への反対票が賛成票を上回り、チャイニーズタイペイのままで申請となってしまったのであります。

しかし、決して台湾人が「台湾名義を望まない」という訳ではない事、強調させていただきます。

なお、なぜ「チャイニーズタイペイ」を使わざるを得なくなったのか?についてはYouTubeで開設しております。

お時間あるときにでもご覧ください

2021年7月27日 編集・翻訳(八度妖)