韓国メディア:tsmc南京増産は中台関係を更に緊張させる サムスンも類似の境遇に陥る可能性

韓国メディアは今日(5/6)、tsmcの南京工場増産計画が中国と台湾の緊張関係を加速させるだけでなく、業界人曰くサムスンも将来同じような境遇に陥る可能性があると報じた。

  チップ受託製造最大手tsmcが先日、28.87億米ドルの予算で南京工場の28ナノメートルの成熟した製造プロセスによる増産を目的とした拡張を決定した。しかし、中国科学技術産業アナリストの頂立剛氏は中国本土のチップ産業に大きな打撃を与えることを懸念する反対意見が公開されるに至った。韓国メディアの今日、tsmcの南京工場増産計画は、中国と台湾の緊張関係を更に加速させるだけでなく、業界人曰くサムスンも将来類似の境遇に陥る可能性もあると報じた。

《BusinessKorea》の報道によると、tsmcの投資計画は中台の間にある緊張関係を更に加速させ、中国、台湾において多くの反対のどよめきが起きており、先日は中国政府に対してtsmcは中国で28ナノメートルチップの「不当廉売」を行なう予定で、その目的は中国における競争相手を潰すもので、「中国半導体企業の構成に脅威を与える」ため、tsmc南京工場増産を阻止するよう呼びかける頂立剛氏の非難もあった。

報道では、一部の台湾の政治家もtsmcの南京増産に不満を述べ、tsmcが産業機密を中国に窃取されることを憂いており、また中国によって台湾半導体技術と人材を窃取される事を心配する人が増えてきている事に際して、台湾労働部(厚労省に相当)は先日各人材斡旋業者に対して、勤務地が中国となる欠員募集を掲載する事を禁じた、と指摘している。

報道では、米中が覇権争いを展開している中で、tsmcは積極的に米国に歩調を合わせ続けており、中国に対する制裁にも参与しているため、中国のtsmcに対する不満が出てきていると報じている。米国政府は先月、中国IC設計会社飛騰(Phytium)を制裁リストへ入れた時に、tsmcは即刻飛騰への出荷を停止しているとも指摘している。

業界ウォッチャー(恐らく韓国人)は、サムスン電子は将来類似の境遇に遭遇する可能性があり、もし米国が中国への圧力を強める事になると、サムスンへも中国企業への半導体供給を制限するよう圧力がかかるであろうと警告を鳴らしている。

現在サムスンは蘇州、西安にNAND型フラッシュメモリ工場と半導体パッケージング工場を別々に運営している。2020年、韓国のチップ輸出総額の40%を中国が占めている。

2021年5月6日 編集・翻訳(八度妖)


Web管理者感想

tsmc南京工場増産に対して、様々な意見が見られるが、中共国内において、工場増産反対の声が情報統制されずに拡散されているところを見ると、どうやら中共にとってはtsmcと中共はズブズブの関係だという証明という論調より、中国半導体企業に脅威であるという風に私は解釈いたします。また韓国国内においてもtsmcの存在は非常に脅威であることが分かる。

こんな状況なのに、日本でオールジャパンの半導体産業を目指せ!という主張をするのは、現実を見ない人間であると私は考えます。tsmcを敵視して得をするのは誰なのか、今一度考えて欲しいと思い、自由時報のニュースを和訳した次第でございます。

※今までtsmcをTSMCと表記しておりましたが、社内ではtsmcのように小文字で表記されていると聞きましたし、小文字の「t」の字の頭が少し飛びでているのが「トップ」を意味がこめられているようですので、この記事より小文字表記へと変更させていただきました。


次回スマホ買い替えの際はこの機種または後継機を購入するつもりです

TSMC最先端の技術流出は心配する必要は無し

先日、TSMCの南京工場増産についての動画を上げましたが、TSMCの技術が中国側に渡ってしまうのではないか?という声を多数いただきましたので、補足させていただきます。


今回TSMCが南京で増産するのは28ナノメートル以上の半導体であり、EUV装置は使わないとのことです。

これは、どういう事かというと最先端の半導体はEUV露光装置という最先端の技術を使って回路をシリコンウェハーに書き込むのですが、28nmはEUVではなく液浸リソグラフィという技術を使って回路を描きます。つまりは、まったく別の装置を使って回路を描くという違いがあります。

分かりやすい表現で言うと、写真でキレイで細かい表現を行なうには、コンパクトカメラでは無くて、一眼レフカメラとかかなりプロみたいなカメラを使いますよね?液浸リソグラフィがコンパクトカメラ、EUVが一眼レフとして例えてみます。

コンパクトカメラばかり使っていた人にいきなり一眼レフカメラを渡しても、ボタンがいっぱいあって機能をフルに使いこめませんよね?そしてカメラの機能を一通り理解できたとしても今度は環境に合わせてどの機能が最適なのか?ということも行わなくてはならず、それこそカメラマンの腕、つまりはノウハウというものが必要になってくるわけです。

同じように半導体においても、今回南京工場に導入されるのは先ほどの例で述べたコンパクトカメラ、つまりは液浸リソグラフィによる技術で台湾では一眼レフ、つまりはEUV露光装置なので、そもそも道具が違うので最先端技術に関する機密が漏れる心配はそもそもありません。また、南京工場や中国の別の半導体メーカーがこっそりと一眼レフを輸入してtsmcの人材を引き抜けば中国でも最先端の半導体が作れるかも?とか考えるかもしれませんが、そもそもこの一眼レフに当たるEUV露光装置はオランダのASMLという会社であり、中国への輸出を米国により制限されている訳で、中国としては一眼レフが手に入らない状態なのです。

また人に関しても、tsmcが南京に駐在させているのはコンパクトカメラのプロであり、一眼レフのプロではないという点ですね。つまり南京にいるtsmcの技術者を引き抜いたとしても、それはあくまでもコンパクトカメラでどのように表現するか?という部分の技術しか得られない訳であります。

つまり、これだけの道具の性能の差、特性の差があるわけですから、最先端技術の漏洩は必要以上に恐れる心配はないと考えられます。勿論楽観視をしてはいけませんが。

※高性能コンパクトカメラではなく、入門向けのコンパクトカメラをイメージしてください

ちなみに

「いやいや、tsmcから最先端技術に関する技術が流出または社員が悪意をもって流出させる可能性があるじゃないか」

と仰る方もいらっしゃると思いますが、私の本業は情報セキュリティであって、この辺に関してtsmcはしっかりと技術を守っている事が容易に推測できます。と言いますのも、私が勤める会社の顧客に半導体関連のメーカーがいるのですが、その会社のサーバルームで作業をしましたが、一企業のサーバルームであるにも関わらず、データセンターの入館のようなセキュリティチェックがありますし、更にはセキュリティ対策も社員はデータを盗むであろう、という性悪説を前提にシステムを設計しているので、システムの抜け穴をみつけて、そこを使わない限りは機密情報を持ち出すことは不可能に近い状態です。

業界1位でもない半導体関連のメーカーさんでさえ、これだけ厳しい管理を行なっているのでtsmcもこれ以上の対策を行なっているのは想像に難くないと思いますし、ましてや南京工場の情報管理は更に厳しいものになっていると推測できます。


つまりどういう事か?というと、半導体を作る技術者が情報漏えいの専門家である情報システム部よりも知識を持っていないと抜け穴を突破する事が出来ないという事です。また逆も同じで情報の抜け穴を知っている情報システム部の人間が、半導体製造に関する深い知識を持っていないとどの情報を盗むべきか?判断できません。かと言って、関連データをごっそりコピーなどすればシステム的なアラートが上がってしまいます。単純に考えてもデータを外に持ち出すには、少なくとも製造関係の技術者と情報システム部の人間がグルにならないと無理なわけで、且つ、システムの隙をついたやり方でないと外に持ち出すことが出来ない訳であります。流出経路をどのように塞いでいるか?など細かい事を説明するとかなり技術的でつまらない内容になるので省略させていただきますが、普通の人が思いつくようなUSBメモリ、Email、GoogleドライブやiCloudのようなオンラインストレージ、SKYPEなどのようなメッセンジャーでの転送は基本的にはデータを転送できないようになっておりますし、データ自体暗号化されております。ですが、分かりやすく言うと、紙ベースの資料は入退出時にセキュリティチェックとして行われますし、デジタルのデータに関しては、暗号化されており、且つ流出しにくいシステムを構築している訳ですし、社内規則でも罰則が設けられているだけでなく、台湾の法律として営業秘密法など産業スパイに関する法律が整備されているため、日本人が心配するほど台湾のセキュリティシステムは丈夫に出来ている訳であります。

逆に言わせていただくと、日本の情報セキュリティの方が漏洩リスクが高いのではないか?と思っております。

そういう事情もまったく知らずに「中国に行ったら情報が盗まれる」と怖がったり心配するのは、杞人憂天、杞の国に、天が崩れ落ちたらどうしようと心配して、夜も眠れず飯ものどを通らなかった人がいた状態ではないでしょうか。

勿論、中国での工場拡大なので楽観視はできないのは事実ですが、必要以上に中国を恐れるあまりに本来味方でいなければならないtsmcを敵に回してしまうようなことは絶対に避けるべきだと私は考えます。

2021年4月30日編集(八度 妖)

YouTubeでも同様の内容をしゃべっております

TSMC南京工場増産予定 中国専門家が政府に制止を呼びかける

 「護国神山(国を守る神の山)」であるTSMCは22日に開いた臨時董事長会議で、資本金28.87億ドル(約3000億円弱)の予算で、南京に28ナノメートルの成熟した製造プロセスで月産4万枚の工場を建設する事を決めた。これに対して、「中国になぜTSMCがないのか?(中國為什麼沒有台積電?)」という文章を書いた中国通信業の専門家で、ハイテク産業アナリストの項立剛氏は、以下の5点をあげ、中国政府は研究、審査、中国国産チップ製造企業を保護し「TSMCによる市場独占の防止」をするべきだと強く呼びかけた。

  項立剛氏は23日、中国メディア《新浪財經》での投稿で、「4月22日、TSMCは臨時の董事長会議を開き、28.87億米ドルの予算で南京に月産量2万枚の28ナノメートルの工場を拡大する事に批准した。この目標が達成されると、中国国内のチップ産業に大きな打撃をもたらし、中国チップ産業の発展に極めて大きな影響を与える為、我々は強く警戒しなければならない」と述べた。

  項立剛氏は更に「中央政府」は中国南京のTSMCの増産を防止するよう「制裁」するべきである5つの観点を述べた。


  1つ目は、TSMCは現在最先端チップを使って業界をコントロールしており、熟成製造プロセスのチップを不当廉売することで圧力をかける戦略を取っている。頂氏はTSMCは中国に14ナノメートルより小さい先端チップの受託製造を受けたがらず、更にはTSMCが28ナノメートルより大きな成熟した製造プロセスのチップを不当廉売しているのは、この産業において中国チップ企業を無力化し競争させない為である。ひいては長期的に中国の関連企業に圧力をかける事にもつながると述べた。

  2つ目に、「南京増産はTSMCがコストをカードとして中国チップ企業に圧力をかける事に成功するだろう」と頂氏は考えている。南京増産はTSMCが台湾での水不足と電力不足を解消することができ、更には米国の高コスト、割に合わない効率の工場でもない。そして中国チップ製造企業に圧力をかける効果があり、中国企業を競争から追い出すことができる」

  3つ目に、「TSMC南京工場の拡張は中国チップ製造企業の存続に直接衝撃を与えるであろう」と頂氏は考えている。もし28ナノメートル以上のチップ生産がTSMCに独占されたら、中国の他の企業は注文書を得る事ができず、生存の危機にも直面し、最終的に中国のチップ受託生産はTSMCの独壇場となるであろう。

  4つ目は、「TSMCの南京増産を支持する事は二兎を追う者は一兎をも得ずである」と頂氏は考えている。TSMCが中国で工場を拡大させることを支持しても、中国にとってTSMCから製造技術を得られない事に変わりはない。「このような状況が生まれると、中国がチップ製造領域において永遠に機会を失う事につながる。したがって首根っこをつかまれながら、長期的には殴られる局面になるであろう。国家戦略上、あれこれ恐れて手を出さずにいると、国家発展の大戦略の影響を及ぼすであろう」

  5つ目は、頂氏は、TSMC南京工場の増産は南京地方政府の経済的な支援にはなることは間違いないが、中国の産業に対しては大きな一撃である。「南京は地方経済の利益だけでなく、中国チップ産業の発展を重く見るべきだ。TSMCの増産に対して、南京地方政府は批准を許してはならず、土地、供電、給水などの優遇もやめるべきである」と述べた。



  頂氏は最後に「TSMCは中国の政策、資源、水力、電力、低コストの人材を利用して、比較て遅れたチップの大量生産を行ない、不当廉売により中国の新興チップ製造企業を潰すだろう。このような状況は決して引き起こしてはならない。私は政府関連部門にTSMCについての研究、審査、中国チップ製造企業の保護、TSMCの市場独占の防止を強く呼びかける」と述べた。

  文章は台湾最大の電子掲示板PTTに貼られ、台湾ネット民に「あんたのところの庭に工場建てたら(先端)技術を提供しなければならない?何言ってんだこいつ」、「中国が中国にあるTSMCに制裁?頭がおかしくなったのか?それとも(中国内を)分裂させたいのか?」、「早く制裁してよ、MediaTekやUMCもついでに制裁してね」と皮肉たっぷりの言われようだった。

多くのネット民からも「TSMCの技術は盗めないよ」、「直接技術を盗もうなんてクソだね」、「技術を得る、って〇〇(汚い言葉)だね。早く制裁しろよ」、「4点目 技術を盗むって、やっぱり中国」というキーワードが続出した。

2021年4月25日 編集・翻訳(八度妖)

自由時報経済専門家》 TSMCは「特殊な立ち位置」米国制裁で飛騰は巧妙な手口

米国商務省は天津飛騰信息公司等7社をエンティティリストへ追加

米国が中国大手コンピュータ領域への三度目の制裁

  米国商務省は3月8日、中共企業が米国の技術を利用してスーパーコンピューターを製造し、中国解放軍の超音速ミサイルのシミュレーション施設を開発している事を非難し、天津飛騰信息公司等7社をエンティティリストへ追加し、その中には飛騰が設計を世芯-KY、生産をTSMCへ発注したものも含まれている。飛騰は2020年世芯-KYの売上高の39%を占めるほど貢献しているが、今年の売上高は25%ほどになる見込みで、衝撃的ニュースによって世芯-KYは5回のストップ安となった。

  飛騰事件以来突然、投資家は不意を突かれた形であったが、実際には米国は3回目のスーパーコンピューター領域における中国企業への制裁であった。2015年4月に、オバマ政権はインテル社が中国の4つの機関に対して、「天河二号」のスーパーコンピュータCPUに使われているXeonチップの販売を禁止したことがある。2019年6月に、米国は再度、海光、曙光、無錫江南技術研究所等5つの機関をエンティティリストへ入れた。それに加えて今回の7社を加えたことにより、殆どすべての中国スーパーコンピューター研究開発機構がリストアップされた形となった。

  中国は最も多くスーパーコンピュータを有する国家であり、全世界のスーパーコンピュータ上位500位内の214台を中国が有している。そしてその数量は米国の2倍近くとなっているが、パフォーマンスは上位の日本、米国には及ばない。しかも、自前で技術を作っていると大きな声をあげるものの、中国のスーパーコンピュータの多くはインテル、AMD及びIBMのCPUを使用している。

  今回、米国が下した最新の制裁は、飛騰が以降現行のソフト設計チップを使用させず、TSMCにも受託製造をさせないものとなる。さもなければ米国の制裁を受ける事となり、それは米国が昨年実施したファーウェイへの制裁と同じものになる。米国企業は例外なく、今回の制裁について売上高に大きな衝撃があるが、商務省の決定を尊重すると考えている。

2016年中国はスーパーコンピュータ「神威太湖之光」の運用開始を宣言した。現在江蘇省無錫の国家スパコン無錫センターで運用されている。

TSMCチップ F-35戦闘機にも用いられる

  米国が飛騰を制裁した後にどのような動きがあるのか?マーケットは、制裁の影響は短期的であるが、最終的には中国が国内での研究開発への投資を強化する事につながると予想している。それは2015年に米国政府がインテルチップの輸出を禁止した後に、中国が明らかに国内の研究開発への投資を強化し、その1年後、当時世界で最も計算速度の速いスーパーコンピュータ「神威太湖之光」の運用開始をしたことに似ている。

チップの国内製造率を高めようと、中国は大金を払ってこの目標を達成しようとしていた。中国は既に国内でチップの設計能力は得ているが、それでもチップを輸入せざるを得ないほど深刻である。中国のチップ輸入額は3年連続で3000億米ドルを超えており、更に米国によるファーウェイへの制裁により中国企業は更にチップの備蓄を迫られる等、2020年の輸入金額は3800億米ドルに達するとみられている。

  それ以外に、中国は国内での研究開発プロセスにおいて、少なからず外国の技術に頼らなければならない。例えばシノプシス或いはCadenceの電子系設計ソフトツール(EDA)、チップ製造にはTSMCの受託製造等が必要である。しかしながら、米中関係が徐々に悪化するにつれ、米国企業と台湾企業は中国とのビジネスもあり、この制裁が果たして適当であるかというジレンマに陥っている。

《ワシントンポスト》の記事によると、中共政軍&作戦概念研究所の研究員の歐錫富氏は、TSMCの「特殊な立ち位置」について言及し、米中両方にチップを供給する事は最終的には軍事目的に利用される可能性があると述べた。例えばTSMCがロッキードマーティン社のF-35戦闘機のチップを供給しているかの如くである。歐氏は、民営企業はビジネスをする際、ある項目に対してさほど考慮しないことがあると指摘。例えば、国防上についてであり、台湾は小国であり、各種の輸出規制条件が適用されず、逆に米国は輸出規制が完備されており台湾は比較的緩いために、このような抜け穴が出てきてしまう。

注意:これはあくまでも「ワシントンポスト」の記事を引用しており、自由時報の主張ではない

2018年世芯が暴露 中国顧客に核爆発への関与を疑う

  世芯-KYのCFO王徳善氏は、飛騰がチップを軍事用途として使用しないことに署名をしており、飛騰も世芯-KYに対して会社の顧客はすべて平民であると告げ、1500と2000系列のチップは皆商用サーバーと個人PCに使われると言っていた。しかし《ワシントンポスト》は世芯-KYが2018年の新聞記事の中で、会社と中国国家スーパーコンピューターセンター(National Supercomputing Center)と協業していることを見つけた。当時、この機関は核爆発のシミュレーションに参与している事が疑われており、既に米国のブラックリストに入っていた。

  しかし、あるアナリストは、企業がこの基準に沿って顧客を選ぶことはあまりあり得ないと率直に語った。バーンスタイン社のアナリストMark Li氏は、飛騰がもし制裁を受けれなければ、TSMCは注文書を断れる立場になく、また中国のチップ市場は非常に大きく、合法的なビジネスを放棄することは(TSMCの)株主が許さないであろうと指摘した。

米国の制裁令、TSMCはどちらかの選択を迫られる

  台湾は中国の急速に成長する市場を重視しており、また中国は台湾からの科学技術と電子製品の輸入に頼っている。特に米中貿易戦争勃発後、中国は米国の技術に頼ることをやめており、米国の制裁により部品が提供されないことが起きないよう、台湾から製品を購入する動きになった。感染症が蔓延する中、世界のチップ需要の急速な拡大と中国による大量のチップ備蓄が重なり、2020年台湾から中国へのチップの輸出金額は3割増え、420億米ドルにも上った。

  米国の制裁は、TSMCにどちら側に立つのかを迫ることを意味している。《フィナンシャル・タイムズ》は、2020年米国はTSMCの売上高の6割を占めており、中国は2割前後であることを指摘した。米国はTSMCの最大の市場であるが、中国も半導体市場は急速に成長している。米国はTSMCが中国から離れる事を望んでおり、更にはTSMCが持っているセンシティブな技術、例えばF-35のチップを掌握し、米国現地の工場で直接製造する事を望んでいる。

  これ以外にも、今回の事件は会社が地政学リスクをどのように捉えるかの試験でもある。飛騰事件は世芯-KYの株価暴落を引き起こしたが、TSMCには殆ど影響はなかった。以前TSMCが米国のファーウェイ制裁により、2020年夏にファーウェイへの販売を暫定的に停止したが、アップル社iPhone12のリリースにより、TSMC 5nmの注文を増やすこととなり、失った注文をすぐに補う事が出来た。

  しかし、これは他の台湾科学技術製造会社にとっては難しい事である。なぜなら中国の巨大な市場にかなり依存しているためである。《フィナンシャルタイムズ》は、北京当局が最近台湾海峡周辺での演習を強化していることを考慮し、台湾企業は更にこれを重視し、異なる客層を拡大していかなければならないことを強調している。

元記事 https://ec.ltn.com.tw/article/breakingnews/3502219

2021年4月22日 編集・翻訳(八度妖)

TSMCへ900億円プレゼント?は「嘘」

まず一言

「900億円をプレゼント」は嘘です。

うっかり間違えたのか、わざと900億円プレゼントと言ったのかは不明ですが、実際にはそんなことはありません。

まず、どこからこんな情報が出て来たか?というと、私の知る限り、深田萌絵さんだと思いますし、他にはいないと思います。(もしいたら、教えてください)


連続して深田萌絵さんのツイートを引用して申し訳ないですが、これはほんの一部の発言です。他にもあったのですが、あまりにも量が多かったため省略いたしました。


ではなぜ、この情報が嘘だというか?というと、経産省の公式Webサイトを見れば分かるとおり、補正予算900億円は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」という枠組みで編成されており、その詳細を見ると、助成金として1件につき上限250億円となっているからです。

先端半導体製造技術の開発(助成)

提案1件当たりの助成費は、原則として250億円以下とする。

ソース
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200415001/20200415001-1.pdf

しかもこの助成金は、折半であるため、実際の投資額の半分になるわけなのですが、Bloombergの予想では茨城県つくばに作られるTSMCの工場への投資は200億円と推測されており、つまりはこの数字すべてが助成金の対象になるのであったとしても100億円が助成金となるのであります。

ただ、100億円も巨額だと言えるので、この使い道が正しいかどうかを見極める必要があるのですが、才女の深田萌絵さんが凡ミスをするわけがありません。何か理由があって上限250億円の予算を「900億円プレゼント」と嘘までついて発言したか、裏を考える必要があると思います。それはどうしてもTSMCを日本に誘致したくない理由があるんだと思います。嘘までついて、愛国精神あふれる日本人を騙しているわけでありますから。その理由についてはまた改めて考察したいと思います。

ちなみにこの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」ですが、元々1000億円以上あった予算に追加として900億円の予算が組まれたのであり、先月、予算の使い道の第一弾が決まりました。

東京エレクトロン社、キヤノン社、SCREEN社(及びその関連会社)に決まったというニュースがありました。つまりは、この予算すべてがTSMCまたは外資に使われることではないということがお分かりいただけたでしょうか。

能天気に海外からのビジネスの話に乗るのはいけませんが、かと言って疑い過ぎて、本来味方かもしれない相手までも「不要だ!」という可能性があることにも目を向けるべきだと私は考えます。なお、TSMCが中共とズブズブの関係かどうかは確証は持てませんが、可能性は低いと私は考えます。

最近TwitterやYouTubeなどの言論を見ると、TSMCが危ないから日本誘致はヤメロ、という声が大きくなっているように感じます。理想論としては私もJapan as Number one というように日本企業最強という状態がくればいいと思いますが、今まで日本政府が半導体業界をないがしろにしてきたツケをすぐに回復できるのであれば、誘致は不要なのかもしれませんが、何周も周回遅れになっている状態なのですから、野球の助っ人外国人選手のようにTSMCを誘致するのはありだと私は考えます。なぜなら、例えが古いかもしれませんが、ランディー・バース選手一人で阪神を日本一に導いたのではなく、掛布・岡田選手や他の選手もいたから日本一になれたのであり、半導体業界も同じようにTSMCだけでシェア世界一になったのではなく、信越化学やSCREENなど数多くの企業がいるから世界一になることができているのであります。

しかし半導体業界は非常に複雑なので、深田萌絵さんのように単純化して分かりやすく説明する事も大切ですが、主義主張が入っているような場合は気を付けるべきだと私は考えます。

最後に、日本の国益になることを考えるにあたり、日本の安全保障が関わって来ると思います。台湾を中共にとられてしまったら、日本の安全がどれだけ脅かされるかお判りでしょうか?そうならないためにも、TSMCが中共とズブズブだという主張を一歩下がって、冷静に情報を分析する事が必要だと思います。

2021年4月19日 編集(八度妖)


2021年4月30日追記

色々と情報を調べていたら、TSMC社が2月9日に

すべて自身で完全子会社を設立する事を決定した

という公式リリースを出していました。また工場ではなく「研究開発拠点」ということですので、日本の半導体製造メーカーの脅威になるようなことは少なそうですね。

https://pr.tsmc.com/japanese/news/2786

外省人・本省人で台湾情勢を語るのはふさわしくない

今日は、台湾情勢についての基礎知識の情報更新を促すブログとなります。と言いますのも、YouTubeやTwitterの声を見ると、未だに実情に適していない情報をベースに台湾情勢を語る人が多いと感じたからです。

さっそく結論なのですが、ずばり!

外省人、本省人というステレオタイプな知識で台湾情勢を語ることは、時代に合っていない!

外省人・本省人という言い方は
もう止めましょう

ということでございます。

ちなみに内省人という方もいらっしゃいますが、台湾では内省人という言い方は聞いたことがありません(八度妖の主観です)

日本語には内省(ないせい) 、「自分の心と向き合い、自分の考えや言動について省みること」という意味もあるので、せめて内省人という言い方はあまり相応しくないと思ってください。



さて、ではなぜ外省人・本省人がふさわしくないなのかということを解説いたします。

まず外省人、本省人のイメージというと、本省人は、戦前から台湾に住んでいた元日本人で、親日的、そして外省人は大東亜戦争後、チャイナから渡ってきた200万人と言われる人たちで、政府機関の幹部ポジションに就いたり、タダ同然で台湾人から接収した不動産などの財産を使った民間企業経営者、つまりは財閥といわれる人たちで、台湾社会を牛耳っているというものかと思いますが、戦後間もないころから1980年代の戒厳令が解かれるまではそういうイメージで台湾を捉える事は総論としては間違えではないと思います。

しかし、1988年に当時総統だった蒋経国氏が亡くなり、副総統だった李登輝先生が総統になってから、民主化へ向けてあらゆる改革を行ない、1996年に初めて民主政治が始まって今に至っている事は台湾好きの皆様であればご存じの事かと思います。現在の自由民主の国台湾が成り立つ前には台湾人の大変な苦労があったことは想像に難くないと思いますし、その過程で大きな変化があったこともご理解いただけると思います。

例えば1997年の台湾省の実質廃止。現在、台湾は中華民国と言う国号の下で国家運営を行なっております。

台湾独立派の私からすると中華民国と言う国号すら、はやく変わって欲しいと思うのですが、台湾は法治国家で総統の鶴の一声で変わるなんてことは出来ませんので、一歩ずつ着実に台湾国または台湾共和国の樹立を願っております。

さて、話は逸れてしまいましたが、台湾省の廃止、つまりは、中華民国という国は台湾にのみ存在しているという意味の表れで、省がないということは、もはや外省人、本省人という呼び方も整合性が取れなくなってしまいます。

そして何より先日4月7日、蔡英文総統もSNS上で発言していましたが、台湾の自由民主を主張した活動家と知られる鄭南榕さんですが、反乱罪に抵触するとして警察が、彼を逮捕しようと彼が運営する雑誌社に突入しようとした際に焼身自殺をしたのが1989年4月7日。彼の命日に多くの台湾著名人がSNS上で哀悼の意を表しておりました。

鄭南榕 氏 (1947~1989)

さて、鄭南榕さんですが、自由民主の為に身を捧げた事ばかりにクローズアップされがちですが、実は台湾独立をも主張しております。そして、彼は父親が所謂外省人、母親が所謂本省人という家庭に生まれました。この場合、外省人と区分するべきなのでしょうか?それとも本省人と区分するべきなのでしょうか?台湾も父系社会と言われておりますので、外省人という区分が適切なのかもしれませんが、彼の思想を見ると、反攻大陸!中華統一!祖国は中国大陸、という考えは無く、自由民主と台湾独立を主張しているという点では、ある意味本当の台湾人とも言えるわけなのであります。

勘の良い方はお気づきかと思いますが、1989年、戦後から40数年経って、世代が一つ入れ替わっている時代で既に外省人・本省人という区別があいまいになってきているという点。そしてそれからさらに30数年経った現在、また世代が入れ替わっているので、更に外省人・本省人という区分が無意味になっていることはご想像いただけると思います。


極端な例で申し訳ないのですが、米国は移民国家です。マイク・ポンペオさんは曾祖父がイタリアから移民してきたと言われておりますが、だからと言ってポンペオさんを「親中のイタリア系だから彼も親中のはずだ!」と言ったら、「何言ってんだコイツ」と思いますよね。そんな状態が今台湾でも起こり始めているという事です。

次に、日本でもマスコミが取り上げて知名度のあるIT大臣のオードリー・タン氏。本当は大臣ではなく、無任所大臣(むにんしょだいじん)的なポストなんですけど、便宜上大臣と言わせていただきますね。

オードリー・タン氏は今回の武漢肺炎の件で脚光を浴びましたが、昔から台湾の為に色々と貢献してきた人物でありますが、彼女のおじいさんが所謂外省人、つまりオードリー氏は外省人3世代目というふうに区分できるわけですが、果たしてそうでしょうか?

つまり、戦後から既に76年経過した現在、25歳で子供を産むとしても、既に4世代目に突入している家庭もあると思います。そのような状態でありながら、戒厳令が敷かれていた1980年代以前の概念を用いて、台湾の外省人は云々、本省人は云々というステレオタイプな考えで台湾を語るのは非常にナンセンスなことなのでありますし、執筆活動や講演で生計を立てている言論人と言われる人たちの中にも、こうした時代錯誤な考え方で台湾を語る人が意外に多いのが最近気になる点でございます。

冒頭にも申し上げましたが、台湾情勢を語る上で、今時外省人・本省人できっちり2等分して語るのは時代錯誤・ナンセンスだという事、覚えておいてください。(まだまだ所謂外省人幹部が権力を握ったりしていることもあるので、零か百かの判断をすることはしないでください。)


さて、ちなみに、台湾人は日常生活で外省人・本省人という言葉を使うか?というと結構使います。

どんな場面かというと

1.過去の話をする場合

あの人の父親は外省人で、あのマンションの一室は国から支給されたものなんだよね~、みたいな感じですね。これは過去の事象を坦々と語っているので、特に変な意味を持っていないことが多いです。

2.嫌いな相手の場合

これは2020年の台湾総統選でも顕著に出てきましたが、「国民党の韓国瑜は外省人だから」という相手をけなす場面などですね。これはかなり政治的な意味合いを持っておりますから、よほどの事ではない限り公では使いませんね。

とこんなところでしょうか。ということで、日常生活でも外省人・本省人を意識して社会的付き合いをしているということは現役世代ではほぼありません。結婚相手が外省人だから破談になった、というのはごく稀なケース化と思います。

実際私の妻は父方も母方も所謂本省人の家系ですが、妻の大親友は所謂外省人であり、実際友人の父親は国から不動産を恩給として支給されるなど、かなり優遇された子供時代を過ごしておりましたが、それでも本音で語り合える友人でいられる状態です。

つまり何が言いたいか?というと、台湾社会は日本人が思うよりも非常に複雑で、ステレオタイプな考えで、外省人・本省人と分けられなくなってきたという事です。

そのいい例として、李登輝元総統の秘書だった早川友久さんが書いた日本人が捨てるべき「台湾への思い込み」という記事でも語られているのですが、今や外省人、本省人という分け方で、台湾情勢が語れない状況なのであります。概要欄にWebサイトのリンクを貼っておきますので、詳しく知りたい方は、そちらをお読みください。簡単に概要を説明すると、2018年の台湾南部最大都市の高雄市で行われた市長選挙で、今まで民進党の牙城であったのですが、国民党出身の韓国瑜氏が泡沫候補までとも言われていたものの、最終的には市長になってしまいました。つまりは本省人の牙城の高雄でも国民党が勝利してしまうくらい、政局は変化している、台湾国民は候補者の公約を見極めて投票しているということです。よろしいでしょうか?多くの日本人が尊敬する李登輝元総統。その秘書を務めたことがある早川さんが「日本人が捨てるべき思い込み」として外省人・本省人という分け方をあげていること、ご理解いただければと存じます。

日本人が捨てるべき「台湾への思い込み」は下をクリック
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14466

ちなみに民進党支持の私から高雄の状況を擁護するとすれば、2018年の高雄市長選挙ではどちらも支持を決めかねている所謂無党派層に対して、国民党のみならず中国共産党も人的、金銭的、そしてメディアも使って大々的に民進党が負けるようなキャンペーンを繰り広げられた結果とも言えるわけです。簡単に言ってしまえば、大きな公約を掲げて、それと同時に民進党たたきを必死にやったということです。まぁ、その後、中共が牙を剥き始めたので台湾人が中共の脅威に気が付き2020年の総統選では蔡英文総統が圧勝と言う結果にもつながり、高雄市長だった韓国瑜氏はリコールされて失職したわけですが。

いずれにしても、未だに外省人・本省人という区分けで台湾を語る言論人はあまり信用できないという私の主張なのですが、そんなこと言われると複雑になってしまうので、もっと単純に理解したいという声もあると思います。その場合は、その人物が国民党支持なのか民進党支持なのか、という政党でみるのがよろしいかと思います。もちろん、この区分の仕方もざっくりとしたものだという点、ご理解いただければと思います。

ちなみにTSMCがネット社会ではあれこれ言われておりますが、創業者のモリス・チャン氏は現在与党の民進党と親密な関係を築いており、2020年APEC特使に任命されておりますし、過去2006年、2018年、2019年にも特使に任命されており、政府と緊密な関係を持っている事が分かると、台湾最大の新聞社自由時報も記事にしております。半導体が軍事物資にもなっている現代社会で、なぜ国民党政権下の2008年から2016年までの8年間、TSMCが特使に選ばれなかったのか?そして何より、非上場企業ではなく、上場企業であるのですから、会社幹部がどのような人なのか?主要株主がどういう構成なのか?という面も含めて、TSMCという会社を評価していく必要があると思うこの頃でございます。

2021年4月13日 編集(八度 妖)

※この記事で伝えたい事はステレオタイプな考えで台湾を見ないでください、ということです。動画内では外省人・本省人が区別がなくなっているように感じてしまうかもしれませんが、外省人が根っから嫌いな本省人も未だにいますし、本省人を見下すような外省人も未だにいます。

零か百かで語るのではなく、「○○な傾向がある」というように捉えていただけると幸いです。

  断定的な表現や強めの表現を使っているのは、「○○の傾向がある」という表現では今まで日本人が持っている固定概念を打ち破れないと思ったからです。この表現を不快に感じられましたら、大変申し訳なく存じます。

YouTubeでも同じ内容を配信しています

台湾は監視社会ではない。「電子フェンス」とは?

  今日はちょっと技術的なお話とさせていただきます。武漢肺炎、日本では新型コロナウイルスと言われていますが、武漢肺炎対策がしっかりできた台湾ですが、多くの人が誤解を招いている部分があるので、説明させていただきます。


台湾の防疫システム


台湾で市中感染が殆どなかった原因として一つは水際対策がきっちりしていたという事が挙げられますが、水際対策だけではどうしてもすり抜けが起きてしまいます。それを防ぐために作られたのが位置特定システムで、感染者が市内に出てしまった場合、感染者と濃厚接触に該当する人に対してショートメッセージを送信して自主健康管理を促すという仕組みです。

ただ多くの人が誤解しているのですが、この位置特定システムですが、GPSを使っていると思われますが、実はそんなことはなくGPS機能をオフにしていても特定できますし、台湾ではほぼ見かける事の無くなりましたが、日本ではまだ使われているガラケーと呼ばれるスマホではない電話専用の携帯端末でも位置を特定する事が可能なのです。

これは携帯電話会社が設置している基地局と携帯電話端末との間で行われる電波の送受信情報を利用した位置特定システムであります。そのため、GPS機能を利用したものと比べて実際にいる位置との誤差が数十メートルもあり、悪い言い方で言うと大雑把にしか分からないということになり、自宅での隔離をおこなっている人が自宅を出たと判定されることもあるのですが、ガラケーでも特定できるということと、携帯の電源を切ったりフライトモードのように電波を発信しない状態になった場合には、電源を切ったことを検知できるというメリットがあります。通常、自宅隔離期間中にこっそりと抜け出そうとする人は、この仕組みを知っていれば、携帯電話を持ち出してこっそりと出歩くなんてことはしないはずです。携帯電話なんて電源を入れなければただの金属とプラスチックの塊に過ぎませんからね。そして、「あっ、電池が無くなっていたのに気が付かなかった」とか「携帯がなっているのに気が付かなかった」という言い訳をさせないために、自宅の自治会の人が1日何回か電話をかけて電話が通じるか、電話のそばにいるか?を確認することを行なっているため、携帯電話を持たずに外出することは殆どありません。というか自宅隔離期間中は外出を一切してはいけないんですけどね。

  そして、外出を抑制している一番の要因は、位置特定システムではなく罰金が重いという点もあると思いますが・・・・。いずれにしても、感染者、海外からの帰国者は隔離ホテルでの滞在または自宅での隔離という水際対策とこの位置特定システムの仕組みにより2週間は市内を出歩く事ができず、市中感染を抑える事に成功したのであります。

なお途中、だいぶ情報を省略しておりますので、あくまでも概念的な意味での説明であること予めご了承ください。

電子フェンス2.0について

さて、2021年1月から電子フェンス2.0という枠組みで運用された市中感染拡大を抑える仕組みですが、昨年までは、その監視対象が感染者と海外から帰国した人たちのみだったのですが、今年からは濃厚接触者、つまりは自主的に健康管理に気を付けなければならない人に範囲が拡げられ、またコンサートなどの大勢の人が密接に集まるような場所へ訪れる事も禁止されました。そのため、1月上旬に行われたメイデイという有名な音楽アーティストのコンサートに濃厚接触者7名が参加して見つかってしまったというニュースがありましたが、これが電子フェンス2.0の仕組みで検知できたということであります。ただ、携帯電話と基地局の電波の送受信情報だけでは、先ほど述べたように誤判定を起こすことがあるので、台北当局はコンサートチケット販売時に身分証明番号との紐づけを行なう仕組みを採用し、入場の際に身分証明書との照合を行う仕組みも取り入れたために、安全にコンサートが行う事ができたのであります。

中共 天網工程と台湾 電子フェンスの違い

ただ、台湾のニュースが少ない中、SNSでは台湾へのイメージを下げようとしている工作なのか分かりませんが、この電子フェンス2.0が中共の人民監視システム「天網工程」と同じだ!なんて発言がチラホラ見かけるようになりましたので、私が簡単ではありますが、説明したいと思います。

この表をご覧いただければわかる通り、台湾の監視対象はあくまでも新型コロナの感染者であって、一般市民はまったく対象となっていない点、そして先ほども述べましたが、位置を特定するのは携帯電話と基地局との電波の送受信情報から割り出す為、大まかにしか分からないという点であります。つまりは、携帯電話の電源さえ切っていれば、位置を特定されることはありません。

なお日本でも行方不明者を特定する時などに、この技術は使われていますし、NTT docomoのケータイお探しサービスなんかもこの技術を使っております。ですので、この電子フェンスの仕組みを以って「台湾は監視社会だ」という論調は日本人の台湾に対するイメージを落とすための工作なのでは?と思ってしまう訳であります。

一方中国の天網は?というと、こちらは、町中いたるところに設置されている監視カメラの映像からAI顔認証技術を用いて身分を特定して、居場所を突き止めるという仕組みであるため、例え携帯電話の電源を切ったとしても、街中の監視カメラの映像から身元が割り出されるし、更にはビルのような高さがある場所においてさえ、条件によっては何階にいるのか?すら分かるのであります。例えば私が悪人だとしたら、追跡されないためにすることと言えば携帯電話の電波を切ることになると思いますが、この中国の天網工程であれば、捕まってしまうということですね。そして何より、中国という政府は、国民によって選ばれた政治家が国家運営をしている訳ではないという点が大きな違いかと思います。

プライバシーに関する懸念

ただ、やっぱり個人情報やプライバシーに関して意識の高い台湾人は、電子フェンスが中国の天網とは違うことは分かっているものの、個人情報の漏洩や行動範囲を監視されることを懸念する声が上がっているのは事実であります。現在は、武漢肺炎拡大を抑えるために使われている電子フェンスの技術ですが、これを警察や軍隊、公務員などが使うことにより、国民のプライバシーや人権を侵害する可能性も秘めている訳であるし、実際に先ほど述べたメイデイという音楽アーティストのコンサートでは、従業員が個人情報を漏洩させたという事件もおきておりますので、懸念する声があがるのは当然かと思います。

しかし、これは自動車や包丁のように、使い方が正しければ非常に便利だけど、使い方を誤ると重大な事故にもつながるのと同じで、台湾の電子フェンスもそうですし、中共の天網工程も、そして日本のケータイお探しサービスだって、使い方次第でプライバシーを侵害することもできるし、国民に安心を与える事が出来ることもできるので、国民は公的機関をしっかりと監視していくことが大事だと思った次第であります。

最後に

台湾の「電子フェンス」が使っている技術は、別に格段に優れている訳ではなく、日本の見守りサービスやケータイお探しサービスでも使われている技術と同じ原理だという事ですし、監視対象があくまでも武漢肺炎を拡大させないために指定された人のみという点であります。これを中共の誰でも彼でも追跡可能で、共産党様に逆らう奴はとっちめてやる、なんて仕組みで無い事、覚えておいてください。そして台湾は決して監視社会ではないということも覚えておいてください。

「誰でも追跡可能」とあるが、既述のように電源を切った場合には為す術がないのであるし、日本にもこの技術はあるのを深田氏は知らないのであろうか?
台湾は監視社会ではないし、オードリー・タン(唐鳳)氏はマルクスの本を読んだだけであり、決してマルクス主義者ではありません。というか、アナーキスト(無政府主義者)なのである。

はい、本日は以上となります。今後ますます日台分断活動が増えると思いますので、なるべく情報を更新していこうと思いますので、ブックマークしていただければと存じます。

2021年3月24日 編集(八度 妖)

中華統一促進党とは?泡沫政治団体です

また深田萌絵 氏が台湾に対するイメージを落とすミスリード的な事を言っている。まずは以下のツイートをご覧いただきたい。

前段の沖縄独立運動に、指定暴力団局流会と中華統一促進党、そして中国共産党が絡んでいるのは事実である。

しかし、台湾において「中華統一促進党」は泡沫政治団体で、極少数の人の支持しかない集団でもあり、国民党支持者からも忌み嫌われている団体である。しかも、党首は台湾最大ヤクザの1つ「竹聯幫(ちくれんほう)」の親分「張安楽」氏である。例えるならば1990年代の「真理教」が日本を代表する政党の1つで、且つ「麻原彰晃が〇〇と会談」というニュースをとりあげているようなものである。普通の台湾人の感覚からすると「何言ってんだ、この深田って人は?」となる。

またこのブログの最後に、「中華統一促進党」や「張安楽」氏についてのツイートをいくつかピックアップしたので併せてご覧いただきたい。

なお、中共は様々な手法で、台湾のみならず沖縄も日本から引き離そうと工作しているのは皆さんご存じかと思うので、小さな動きにも目を光らせる事は大切であることもお分かりかと思う。

が、


台湾パイナップルも良いけど、台湾ライチも美味しいですよ


過去の深田氏の台湾に対する発言を鑑みると、このツイートやYouTube動画は事実を知るという意味では役に立つかもしれないが、マスゴミと同じように印象操作的に台湾のイメージを貶めるため意図も入っていると判断するのが妥当かと思う。

中華統一促進党のCMがYouTubeに保存されているが、これを見れば、かなりのヤヴァい政治団体(もはや政党とは呼べない)であることがお分かりいただけると思う。


https://twitter.com/Formosanhistory/status/1374147898309365762

2021年3月24日 編集(八度妖)

【独占インタビュー】反中親台で有名なポンペオ 退任後の初訪台に期待

  ポンペオ元米国務長官は在任中、中共を批判し、台湾支持をして台湾から多くの賞賛を得て、多くの人が彼の訪台を望んでいる。ポンペオ氏は今日台湾国営通信社「中央社」の独占インタビューに於いて、訪台について「期待している」と述べ、また米国の自由を推進していき、将来長い時間に渡って奮闘して行かなければならないと述べた。

  ポンペオ氏は2018年4月に国務長官に就任し、3年弱の在任。積極的にEUやアジアの盟友と共に中共に対抗するよう働きかけ、また香港とウイグルの人権と自由を侵害する中共高級幹部及び在米でのプロパガンダ宣伝を行なう中共党員に対して容赦なく制裁を加えて、中共からは「最大の敵である」とも呼ばれた。

  台湾に対しては、ポンペオ氏は何度も台湾が国際社会への参加することへ支持を表明し、また何度も中共の台湾に対する軍事恫喝を譴責した。米台間の往来の障害を無くすために、彼は退任前日に長年制限されていた往来を解除したが、中共官報メディア環球時報は「理性を失い気がおかしくなっている」と批判した。そして退任した当日に中共から制裁を科された。

  彼は反中親台の立場を鮮明にしており、退任後、多くの人が訪台するのではと噂している。これに対してポンペオ氏は中央社の独占インタビュー内で、現在どこを訪問しどこを訪問しないかを述べる状況ではないと述べた。

  しかし、台湾を訪問したことがない彼は補足として「もしある日そこ(台湾)を訪れる機会があるなら、それは大変すばらしい事で、私にとっても楽しみである。そしてそれは皆にとってもごちそうである(a real treat)」と述べていた。

  退任後の国際舞台での活動以外にも、57歳のポンペオ氏は将来米国政界で活躍するであろうという少なからぬ推測がある。

  彼は今年1月下旬に米国務長官の職務を退任した後、現在ワシントン政府のシンクタンク「ハドソン研究所(Hudson Institute)」の研究員として在籍している。但しポンペオ氏の過去就任した連邦下院議員、中央情報局(CIA)長官という履歴及び現在の共和党内の実力から見ると、シンクタンク在籍は一時的な身分であるとみられている。

  ポンペオ氏はバイデン大統領が1月20日に就任後の翌日、Twitter上で「1384日」とツイートして、多くの人がこれに注目した。1384日後は2024年11月5日で丁度米国の次回大統領選の日であり、ポンペオ氏は4年後大統領選に出馬する可能性を示唆していると噂されている。

  記者は今日彼に対してそのような計画があるか聞いたところ、コメントは控えると答え、「2024年はまだまだ遠い先だ」とも答えた。彼はかつて数年後の将来についての計画を立てたが、その後の結果は全て計画とは異なるものだったと述べた。そして、私自身は非常に幸運であり多くの国からの大切にされてきたとも述べた。

  ポンペオ氏は、彼が参加してきた奮闘及びトランプ政権下においての任務は、すべて心の中にあり、深くこれらを気にかけていると指摘した。

  彼はまた、未来数年の出来事に関して、もし全ての準備が整ったなら、彼はアメリカの自由促進のためにすべての努力を注ぎ、これは彼が最も気にかけている事だとも述べた。彼は「私のここでの奮闘は更に長い時間を要する」とも述べた。

  これまでの期間の計画では、ポンペオ氏は、シンクタンクの同僚との協力も全世界の宗教の自由のために行なっていると述べた。また彼は笑いながら、2010年下院議員選を決める前には小さな会社を長い時間経営していたが、これが何か商業的チャンスにつながるのではないかと期待しているとも述べた。

  ポンペオ氏は1963年12月30日カリフォルニア州オレンジ郡で生まれ、イタリア移民の3世代目であり、高校時代はバスケットの代表チームでプレーをした。以下省略
以下はポンペオ氏の経歴ですので省略いたします。


はい、以上は、台湾国営通信社「中央社」の記事を和訳したものとなります。


↑ ↑ ↑
まだ間に合う台湾産パイナップル

  恐らく台湾とアメリカに関することなので日本のメディアはまず報道しないでしょうし、中央社の日本語版「フォーカス台湾」でも日本とは直接関係する事ではないので日本語記事が出ないであろうと思い、翻訳した次第です。

たった5分程のインタビューだったようですが、YouTubeにも動画がありましたので、英語ができる方はそちらをご覧ください。

オリジナル動画


またここにある私の翻訳はあくまでも英語で行われたインタビューを中国語へ訳し解説を加えた記事を更に日本語に翻訳したものとなりますこと、予めご理解ください。


いやぁ、ポンペオさんは台湾訪問について明言を避けましたが、様々な問題が解決すれば台湾を訪問する可能性も示唆しており、台湾国民にとって明るいニュースかと思いますし、台湾との関係強化を望む日本人もこれを明るいニュースだと感じると思います。もちろんポンペオさんも述べておりましたが、過去に立てた計画はすべて結果が想定するものとは異なるものとなったと述べていたように、近いうちの台湾訪問や2024年の大統領選出馬がどうなるか?についてもどうなるかは分からないので、楽観視は出来ないと思います。

ただ、おじいちゃん大統領が就任して以来、暗いニュースが多い中、台湾産パイナップルが予約殺到というニュースに続き、これも明るいニュースかなぁと思い取り上げた次第ですし、早く台湾を訪問して、あの目つきの悪い報道官がギャンギャン叫ぶ滑稽な姿も見てみたいなと思います。

2021年3月10日 編集・翻訳(八度妖)

同じ内容をYouTubeでも話しております

TSMCがSMICと資本関係にあるというデマ

  今日はTSMCに絡む噂について、誤った情報がネット社会に出回っているようですので、簡単に解説してまいりたいと思います。


  ネット社会ではTSMCをファーウェイのフロント企業だ、とか、TSMCと中国半導体製造会社SMICはズブズブの関係だとか、TSMCは日本の産業を潰そうとしている、みたいな空気が流れ始めているからです。ただ、私はTSMCを擁護したいと思っている訳ではなく、根拠のない情報でTSMCを悪く言うのは宜しくないと思っているだけであります。もちろん、TSMCが本当に日本を潰そうとしている客観的な証拠があれば、私も「ふざけるな!TSMCに気をつけろ!」と主張するつもりですが、今の所そういう情報は、台湾の親中メディア、国民党寄りのメディアのニュースをみても無さそうです。

なお、TSMCはやり手の会社創業者や経営陣、そして社員も台湾のエリート大学卒業生しか採用しないという企業であるため、友達・仲間的な雰囲気で手を組む相手ではないことは確かです。まぁ、そもそも経済界はお金に関する競争社会なのですから、国内の企業同士で手を組む場合でも盲目的に相手を信用するということはあり得ないのですけどね。

さて、ではネットで流れている情報は?というと、これです。

TSMCは大陸からきた浙江人の会社で、解放軍とのつながりでトランプに制裁されたSMIC社の株主でもある。
米上院議員やビッグテックは台湾半導体企業を批判し、日本の半導体製造装置を守らなければならないとしてるのに?

もう一つ

TSMCとSMICは関係ないとおっしゃる方がいるので、資本関係を持ったニュースを一つどうぞ。

ということで、

2010年の英語のニュース

を用いて、説明されています。日進月歩のIT業界で11年前のニュースを根拠にするってセンスには呆れてしまいます。

この時に確かにTSMCはSMICの株式の10%を取得しており、事実であることには間違いありません。そして、某張名人は、このニュースを元にTSMCはSMICと資本関係を持っていると主張をしている訳ですが、2つほど説明不足があります。

1つ目は、なぜ10%の株式を取得したか?と部分

TSMCは営業機密をSMICに盗まれて、裁判が行われその結果として賠償金の一部としてSMICの株をTSMCに譲渡するしたという事に触れていません。つまりは、この10%の株はSMICの将来性を見込んで取得した訳ではなく、賠償金の肩代わりとして取得した訳なのであります。

2つ目は、11年前のニュースなのだから現在どうなっているのか?という部分。

2020年時点では株式を売却して0.2%しか保有しておりません。
2010年時点ではSMICの10%の株を有する主要株主だったTSMCですが、適宜その株を売却して、現在はたったの0.2%にまで比率が下がっている訳ですから、経営に口出すとかそういうレベルで無い事はお分かりいただけると思いますし、今後残りのすべてを売却する可能性だって考えられるわけです。そもそもが先ほど述べた通り賠償金の肩代わりとして取得した株式でありますから。つまりは、株式取得することで、TSMCがSMICの経営に口出すという意図がなかったということが読み取れると思います。

そういう点に全く触れずに、
TSMCはSMICの株式を10%も持っている、SMICは解放軍とズブズブの関係だ、つまりTSMCは解放軍の為に半導体をせっせと作っている、という主張はいささか無理矢理かなぁと思います。

もちろん、私は一般人ですので実際に裏でどうなっているかは分かりませんが、某著名人も諜報機関並みの情報力を持っていると思えませんので、確実ではない情報を用いて、不安を煽るのは宜しくないと考えます。


ちなみにTSMCもSMICも上場企業ですので、財務諸表を見れば、資本関係についてある程度は分かります。ですので、これら著名人は財務諸表を読まない人たちをターゲットにして「台湾企業も怪しい!」と思わせようとしている現状に私は危惧しているわけであります。
もちろんTSMCは日本の企業ではないので、日本の為に良いことしてくれる!なんて馬鹿げた期待はしてはいけないのは言わずもがなですが。

いずれにしても、中共という大きな敵がいる状況下に、戦友とも言える台湾を必要以上に悪く言うことは日台分断にもつながりかねないので、根拠に乏しい情報を元にした批判は特に控えるべきですし、台湾に対して疑心暗鬼になるのは宜しくないかと思います。もちろん、多少疑うのは構いません。疑心暗鬼になるなと言っている訳です。
私は常日頃申しておりますが、日本と台湾は兄弟や家族のような存在だと思っております。ですが、実際の兄弟関係を見ても分かるように、「おい、お前の銀行の通帳とハンコを黙って貸してくれ」と兄弟に言われて、「はいはい、良いですよ~」なんて渡す人はいないと思います。日台関係も同じです。多くの人がこの銀行の通帳の例のように盲目的に台湾を信じるという人はいないと思いますが、重箱の隅をつつくような事例を取り出して、台湾に警戒せよ、とか、台湾は怪しい、と情報を発信する事は、中共の脅威がなくなるまではやらない方が良いと思うこの頃です。
いつも私の動画を視聴してくださる方は知ってらっしゃると思いますが、疑心暗鬼になることで得をするのがどこの国なのか、多くの人に知っていただきたいものです。

最後に私はかなり台湾贔屓の人間ですので、無意識のうちに多少誇張している部分があるかもしれません。ですので、なるべく中立な情報を知りたいと思う方は、私の話を聞いて、「あれ?」と感じることがあれば、そこから何割かを差し引いた感じが丁度良いのかもしれませんね。

YouTubeでも同じ内容を上げています

2021年3月8日 編集(八度妖)