日米台 VS 中共を天下分け目の戦い関ヶ原の合戦に例えてみた

今日はまず日本の戦国時代の話をしてみたいと思います。ちょっとだけ我慢してお読みください。

時は戦国時代慶長5年、今でいうところの西暦1600年。この年号で思い浮かぶのは天下分け目の戦い関ヶ原の合戦であります。

  この天下分け目の戦いで勝敗を分けたのは何といっても西軍だった小早川秀秋ではないでしょうか。


  小早川秀秋は西軍として、1万5千の兵を率いて松尾山(まつおやま)に出陣してきました。
朝から傍観を続けた秀秋は、家康に催促鉄砲をぶち込まれ、ついに意を決して友軍の大谷隊を攻め滅ぼしました。


  東西両軍の懇願に、秀秋は複雑な事情のなかで悩みぬいた挙句の果て、豊臣家に反旗をひるがえしてしまい、東軍を勝利に導いたのです。


これは皆様もご存じの関ヶ原の合戦で欠かすことのできない出来事でありますが、今回はこの関ヶ原の戦いを例に、現在の米中関係と日本、そして台湾を当てはめて例えてみたいと思います。あくまでも例えですので、我が故郷の英雄をけなした、とは言わないでください。

東軍総大将は中国共産党としましょう。先程も申し上げましたがあくまでも例えですので、ちょっとだけ我慢して聞いてください。
そして西軍の大将石田三成が日本、大阪城で陣を構えていた毛利輝元がアメリカ、そして天下分け目の戦いで重要な役目を担った小早川秀秋は当初西軍として出陣していたと言われておりまして、小早川が台湾として例えます。

イメージとしてはこんな感じでしょうか

さて、ここから私なりの勝手な「もしも話」を進めます。
決戦が始まるのは慶長5年9月15日なのですが、それより以前に三成の家臣から「どうやら小早川が東軍に寝返る可能性があるらしいでっせ」という情報が上がってきましたとしましょう。

その時三成が取る行動は?

1.そんな情報は信じられない、と一蹴し、歴史通りにそのまま東軍と戦う。

2.そんな裏切り者は頼りにならないと判断して、小早川が寝返ることを想定しながら自分たちだけの力で東軍を倒すと決める

3.小早川に寝返らないように使者を送り交渉する。例えば西軍について勝利すればメリットがたくさんあるとか

4.裏切り者の可能性がある小早川に対して攻め込み、それから東軍の本陣へ切り込む

となると思いますが、1はやってはいけないことは皆さん同じ考えだと思います。三成の家臣の報告だけで、その「寝返るかもしれない」という情報が正しいのか誤っているかの判断が付きにくい状態です。しかも現在ネット上にある情報は、小早川、つまりは台湾が信用できない、台湾人は結局中国人だ、外省人だから危ない、というような非常にステレオタイプというか中華プロパガンダの入った情報までもがあり、その情報が正しいのか誤っているのか分からない人が多いと思われます。

  そして、そんな状態で取るのが2、3、4の選択肢かと思いますが、ネット上で見られる論調として2または4が多いような気がします。何が言いたいか?というと、日本の国内産業を守るべきという事は、それは、非常に素晴らしい理想だと思います。
  しかし、現在既に中国共産党という大きな敵を目の前にしている状態で、国内産業に力を入れるべき時なのでしょうか?ということです。

  つまりは、猫の手も借りたい状態なのに、世界一の技術力を習得するには何年、十数年、いや数十年もかかるかもしれない現実を見ないで、一部の言論人だけの発言を信じて、tsmcは怪しいから国内誘致なんかするべきではない!と言っているのと同じだと私は思うのです。

  関ヶ原の時代の話で例えるなら、小早川は怪しいので、1万5000の兵を石田三成側で別に用意しましょう。自国軍の兵士だけで東軍と戦うべきだ、といっているようなものなのです。あの時代に、数日もしくは数週間で1万5000もの兵とその兵が持つ武器や食糧などの物資を集めるのは非常に大変だったこと、歴史好きの人であれば分かると思います。

  半導体についても同じことで、世界最大のファウンドリであるtsmcとどう付き合っていくか?どのように味方にするか?どのようにチャイナが利する事をなくすことができるか?という観点で情勢を読んでいくべきだと私は考えます。
もちろんtsmcは優秀な台湾人幹部が経営する会社で、一筋縄でいかない交渉なのは当然ですので、楽観的な考えでtsmcと付き合っていくのは大変危ないのは、事実ですし、楽観的な考え方で日米台VS中共の戦いを考えていくのはやってはいけないことだと思います。ちなみに所謂台湾擁護と言われる人たちは、楽観的に国際情勢、地政学を考えてはいけないということは百も承知なのであります。


ちょっとお値段は高めですが、宮崎産にも負けないくらい美味しいと私は思います。


ちょっと表現を変えてみましょう。組織に属している人であれば分かると思いますが、何かに対して戦っていくとき、例えばいままで安定していた業績が急成長中のライバル会社が出現した場合、そのライバル企業に勝とうとするときには同僚の粗探しなんて言っている暇はありません。
  もし同僚に欠点があったとしたら、ライバルと戦いながらその欠点を直すよう指摘していきますよね。でも、現在ネットで出回っている論調、先ほど述べた2と4の選択肢ですね、これはちょっとでも欠点や疑いがあれば、排除するという極端な論調だと私は感じております。

そして何より、本当にtsmcが中共とズブズブな関係なのか?という点です。多くはワシントンポストやブルームバーグの記事、そして共和党の議員の書簡をベースにしておりますが、それだけを以って、ズブズブの関係だと判断して良いものでしょうか?
  疑いながら戦略を立てる事は必要ですが、中共とズブズブではないかもしれない、または、日本の役に立つ強力な味方だというふうな考え方、もしくはズブズブかもしれないけど、強力な味方にするにはどうするべきなのか?ということも考えるべきだと思います。
  なんだか「愛国無罪」ではないですが、「愛国」とか「国内産業を重視せよ」という言葉に踊らされているような気がします。

  例えば女優さんが「愛国」を表情豊かに叫べば、その女優さんが訴えている事があたかも本当のように聞こえてしまいますし、名女優であれば、そんなこと容易く演技できるわけであります。
  しかしながら公式の資料は、そういった感情を抜きにして現状・事実を把握する事の役に立ちますし、場合によっては公式資料の裏を読むことだってできるわけですから、「愛国」という熱弁を支持することに関して一旦クールダウンしてみては如何でしょうか?
  感情よりも客観的資料が大事だと思う訳であります。客観的な資料を読んで、それでもtsmcが怪しいと感じたのであれば、私はその判断を否定するつもりはございません。

  ただ、一つ申し上げたいのは、例え怪しいと思ってもtsmcを日米側につけるのか、中共側に渡してしまうか?という判断基準を持つべきで、その基準で怪しいと思いながらも味方につけるようどうすればいいのか?についても考えて欲しいということです。

それでもなお「国内産業を重視せよ」と主張するのであれば、どのくらいの額の国の支援が必要なのか、どのくらいの期間支援が必要なのか、具体的な数字を挙げてコメントを書いていただけると幸いです。くれぐれも「誰誰さんがそういっているから」とか「愛国が一番大切だから」というような主観的な論拠だけのコメントはご遠慮下さい。
こういうと非常に威圧的だとか高圧的だと言われますが、それだけ感情論でコメントをする人が多いという事、ご理解いただけると幸いです。

そして、台湾は親日国というと、盲目的に信じるのは良くないと、コメントを頂きますが、インテリジェンスのプロの江崎道朗先生も仰っていましたが

台湾には台湾の国益と立場がある。それを前提としてどう協力するのかを考えるのが外交です。外国が、日本と同じ立場に立ってくれるなんて期待する方がおかしいのです。

とあるように、盲目的に信じるのは良くない、と仰る方のいう親日国とはそれは属国に等しいものだと私は感じるのですが、如何でしょうか。


  最後に、今回、関ヶ原の戦いを例に挙げ、tsmcを小早川秀秋に例えたり、中共を徳川家康に例えたりしましたが、tsmcが裏切ることを想定しているとか、中共が最終的に勝利するというようなことを暗示している訳ではありません。
  あくまでも今の米中対立が天下分け目の戦いになるかもしれないと思っており、そんな重要な局面において高貴な理想を掲げている様子は、本当に国益、しいては国の存亡まで考えた末の結果なのか疑問に思ったからです。
  幕末においても開国派と尊王攘夷派で争ったことがありますが、結果として開国し、そして西洋に負けない国づくりとして、血税を沢山つぎ込んで西洋から技術者を招聘したり、武器や機械を購入したりと、必死になって追い付こうとしていました。
  半導体製造に関しても、日本は今やちょっと遅れているという状態ではなく周回遅れという状態であることにも目を向けなければならないと思っております。過去の栄光ばかりに目を当てるのも時にはよろしい事かと思いますが、学ぶべきところは学ぶという姿勢も忘れてはいけないと思います。

そうすれば必ずや日本の技術力というものが再び世界一になると私も信じております。

2021年5月17日 編集(八度妖)

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