TSMC南京工場増産予定 中国専門家が政府に制止を呼びかける

 「護国神山(国を守る神の山)」であるTSMCは22日に開いた臨時董事長会議で、資本金28.87億ドル(約3000億円弱)の予算で、南京に28ナノメートルの成熟した製造プロセスで月産4万枚の工場を建設する事を決めた。これに対して、「中国になぜTSMCがないのか?(中國為什麼沒有台積電?)」という文章を書いた中国通信業の専門家で、ハイテク産業アナリストの項立剛氏は、以下の5点をあげ、中国政府は研究、審査、中国国産チップ製造企業を保護し「TSMCによる市場独占の防止」をするべきだと強く呼びかけた。

  項立剛氏は23日、中国メディア《新浪財經》での投稿で、「4月22日、TSMCは臨時の董事長会議を開き、28.87億米ドルの予算で南京に月産量2万枚の28ナノメートルの工場を拡大する事に批准した。この目標が達成されると、中国国内のチップ産業に大きな打撃をもたらし、中国チップ産業の発展に極めて大きな影響を与える為、我々は強く警戒しなければならない」と述べた。

  項立剛氏は更に「中央政府」は中国南京のTSMCの増産を防止するよう「制裁」するべきである5つの観点を述べた。


  1つ目は、TSMCは現在最先端チップを使って業界をコントロールしており、熟成製造プロセスのチップを不当廉売することで圧力をかける戦略を取っている。頂氏はTSMCは中国に14ナノメートルより小さい先端チップの受託製造を受けたがらず、更にはTSMCが28ナノメートルより大きな成熟した製造プロセスのチップを不当廉売しているのは、この産業において中国チップ企業を無力化し競争させない為である。ひいては長期的に中国の関連企業に圧力をかける事にもつながると述べた。

  2つ目に、「南京増産はTSMCがコストをカードとして中国チップ企業に圧力をかける事に成功するだろう」と頂氏は考えている。南京増産はTSMCが台湾での水不足と電力不足を解消することができ、更には米国の高コスト、割に合わない効率の工場でもない。そして中国チップ製造企業に圧力をかける効果があり、中国企業を競争から追い出すことができる」

  3つ目に、「TSMC南京工場の拡張は中国チップ製造企業の存続に直接衝撃を与えるであろう」と頂氏は考えている。もし28ナノメートル以上のチップ生産がTSMCに独占されたら、中国の他の企業は注文書を得る事ができず、生存の危機にも直面し、最終的に中国のチップ受託生産はTSMCの独壇場となるであろう。

  4つ目は、「TSMCの南京増産を支持する事は二兎を追う者は一兎をも得ずである」と頂氏は考えている。TSMCが中国で工場を拡大させることを支持しても、中国にとってTSMCから製造技術を得られない事に変わりはない。「このような状況が生まれると、中国がチップ製造領域において永遠に機会を失う事につながる。したがって首根っこをつかまれながら、長期的には殴られる局面になるであろう。国家戦略上、あれこれ恐れて手を出さずにいると、国家発展の大戦略の影響を及ぼすであろう」

  5つ目は、頂氏は、TSMC南京工場の増産は南京地方政府の経済的な支援にはなることは間違いないが、中国の産業に対しては大きな一撃である。「南京は地方経済の利益だけでなく、中国チップ産業の発展を重く見るべきだ。TSMCの増産に対して、南京地方政府は批准を許してはならず、土地、供電、給水などの優遇もやめるべきである」と述べた。



  頂氏は最後に「TSMCは中国の政策、資源、水力、電力、低コストの人材を利用して、比較て遅れたチップの大量生産を行ない、不当廉売により中国の新興チップ製造企業を潰すだろう。このような状況は決して引き起こしてはならない。私は政府関連部門にTSMCについての研究、審査、中国チップ製造企業の保護、TSMCの市場独占の防止を強く呼びかける」と述べた。

  文章は台湾最大の電子掲示板PTTに貼られ、台湾ネット民に「あんたのところの庭に工場建てたら(先端)技術を提供しなければならない?何言ってんだこいつ」、「中国が中国にあるTSMCに制裁?頭がおかしくなったのか?それとも(中国内を)分裂させたいのか?」、「早く制裁してよ、MediaTekやUMCもついでに制裁してね」と皮肉たっぷりの言われようだった。

多くのネット民からも「TSMCの技術は盗めないよ」、「直接技術を盗もうなんてクソだね」、「技術を得る、って〇〇(汚い言葉)だね。早く制裁しろよ」、「4点目 技術を盗むって、やっぱり中国」というキーワードが続出した。

2021年4月25日 編集・翻訳(八度妖)