頻繁に台湾海峡中間線越え(領空侵犯)する中共機

今日は緊張が高まっている台湾海峡について台湾のニュースとアメリカのポンペオ国務長官の記事がありましたのでご紹介いたします。ただ記事を読むだけではなく、途中で解説を加えながら話すスタイルを試してみたいと思います。

では、10月7日の台湾国営通信社中央社の日本語版「フォーカス台湾」より

中国機、今年49機が中間線越え 過去30年で最多=国防相/台湾

(台北中央社)厳徳発(げんとくはつ)国防部長(国防相)は7日、立法院(国会)外交および国防委員会で報告を行い、今年、台湾周辺に飛来した中国軍機で台湾海峡上空の中間線を越えたのは49機(延べ数、以下同)に上り、1990年以降の30年間で最多となったと明かした。

ちょっと後で解説しますけど、台湾海峡の中間線越えって、領空侵犯と同じですので、2020年はあと2か月残っている段階で30年間過去最多って、中共人民解放軍の傍若無人ぶりがあらわれていますよね~。さて続けます

厳部長によれば、今年に入ってから中国の軍用機1710機、軍艦1029隻が台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入。うち217機が台湾南西のADIZに入った。

中華民国台湾の防空識別圏がどんな感じかというとこんな感じで福建省なども含まれてるかんじですが、実際は台湾海峡の中間線より東南側が台湾の防空識別圏となります。そこに1710機の軍用機が進入したってことになります。完全に台湾は中国の一部だから問題ないでしょうってことを示しているんだと思います。むかつきますね。では続けます

中国軍機に対応するため空軍が出動させた軍用機は2972機で、かかった費用は約255億台湾元(約938億円)に達した。厳部長は、今のところ負担できる金額だとしつつ、来年度の国防予算では空軍の機能維持に充てる分が増額される見通しだと説明した。

スクランブルした機体が2972機、938億円って凄い回数だと思います。日本のスクランブルは令和元年度は947回、過去最多は平成28年度の1168回です。一回のスクランブルで3機発信したとしても既に1000回近く発進しているわけで、かつ、日本の場合、北は北海道南は沖縄、そして日本海とかなりの範囲を含めた防空識別圏に対するスクランブルですが、台湾は九州と同じ面積の島ですので、範囲が全然小さいわけであります。それだけ中共機が台湾上空をウロウロしているということですね。では、続けます

国防部(国防省)は6日、中国軍のY8対潜哨戒機が同日に1機、台湾南西のADIZに進入したと発表した。中国軍機が台湾周辺に現れたのは、活動を活発化させた先月16日以降12回目となった。


  はい、記事は以上となりますが、日本は尖閣諸島周辺に中国公船が連日接続水域を航行しているのがネットのニュースでは取り上げられていますが、基本的に海には「航行の自由」という権利が認められているので、中国公船や中国軍艦が日本の領海内に入ったとしても、無害であることが分かれば、領海侵犯とは言えないグレーな状態であります。しかし、空は事情が全く異なります。空には海とは違って「飛行の自由」というものがないので、陸地と同じに考えれば良いと思ってください。ただ、空は陸地と違って杭をたてて、自分の領域であることを示すことができないのでうっかり入って撃ち落とされることを避けるために、領空に入ってしまう手前に警告ゾーン的なものを設けております。それが防空識別圏と思ってください。かなりおおざっぱな説明なので、詳しい事はネットにいっぱいありますので、お調べいただければと存じます。

  それで、台湾と中共の間には台湾海峡があって、そこには国境線とも言える中間線というものが存在しており、先ほどの記事にもあったように中共軍用機は今年に入って49機が中間線越えしたとありますが、「中間線越え」というと聞こえが良いですが、はっきり言って領空侵犯をしているわけでございます。マスメディアの報道では、なんだか中国とそこから独立したがっている台湾が争っている国内問題でお互いが定めた中間線を越えたことに台湾側が声を上げている、的な報道が多く、台湾は中国の一部だみたいな印象を受けますが、私は台湾と中国はまったく別の国だと考えておりますので、中間線越えなどと言わずに領空侵犯と言うべきだと思います。

ちなみに腹立たしいことがまだ続きます。まずは台湾が公開した音声をお聞きください。これはスクランブルを行なった台湾軍が発した警告と、それに応答する中共軍のやり取りです。ああ、腹立つ。

  如何でしたでしょうか?私は台湾人ではないのですが、台湾を支持している人間からすると、中共人民解放軍が台湾を挑発しているように思います。

  どれだけ台湾の現場の方々が命がけでスクランブル発進しているか。それを分かっていてもうすぐ3000機にも上る軍用機がADIZに入ったり、領空侵犯をしたりと、スクランブルの数を見ても、そして先ほどの警告を聞いても分かる通り中共側が挑発しているのは明らかであります。恐らく中共は、サラミスライス作戦のように何度も何度も防空識別圏にはいることによって、台湾国民の感覚をマヒさせようとしているのかもしれません。日本の尖閣周辺のニュースはそもそも大きく取り上げられるような報道はされていないので、既にサラミスライス戦術は効いているのですが、台湾の場合、反中メディアが存在する為、1996年の台湾海峡ミサイル発射のように、挑発すればするほど、中共に対してどんどん台湾人の結束力が強くなっているように思えます。それを分かっている上で挑発しているのか、はたまた挑発することで、解放軍内での評価が上がるようになっているためなのか分かりませんが、習近平政権になって明らかに近隣諸国への挑発が鮮明になっていますよね。静かなる侵略から目に見える侵略へと方向転換した習近平氏は天才なのか、はたまたうつけものなのか、今後の動向に注目しなければなりませんね。

  いずれにしても、これだけ中共が近隣諸国に脅威を与えているのですから、日本と台湾、そしてアメリカが軍事的な協力を進めて行くべきだと私は考えております。日米台軍事同盟、近い日にこのような連携が見られることを願うのです。ただ、これを言うと、台湾にはスパイが沢山いるので連携は難しい、と仰る方がいるのですが、今日はこれには違うと述べるにとどめたいと思います。簡単に言うと、中共に手を組んで立ち向かわなければならないほど脅威が増しているので、そんな心配などしている場合ではない。日本と手を組める近隣諸国は台湾しかいないということであります。蔡英文総統は日本にとって信頼できる人物であります。

さて、最後に、こういう外国からの脅威に最前線で対応している日本の自衛隊の皆様、そして中華民国台湾軍の皆様には、本当に敬意をもって接しなければならないと思います。本当にありがとうございます。