本当?経産省主導でソニーと台湾TSMCが半導体合弁構想、熊本に1兆円新工場

今日は日刊工業新聞でtsmcとソニーが合弁で半導体工場を建設するという話がありましたので、取り上げてみたいと思います。ではまずは、記事から。

経済産業省主導によりソニーグループと半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が合弁で熊本県に半導体工場を建設する構想が浮上した。経産省が仲介役となり、関係者の調整を進める。前工程中心で総投資額1兆円以上を見込む。ただ、誘致実現には欧米に見劣りする補助金など支援策の大幅拡充が不可欠。国を挙げた半導体サプライチェーン(供給網)再構築への本気度が問われている。

以下省略

日刊工業新聞 2021年5月27日

 

  はい、ということで、つくばでの研究開発センター構想のニュースが1月に出て以来、約半年ぶりのtsmc日本展開に関する新たなニュースですね。つくばの件では日本政府、特に経産省が助成金900億円捻出か?というようなデマが流れておりましたが、今回も流れるんでしょうかね?

ちなみに半導体専門家の服部毅先生のTweetを見ると

とあるようにこの合弁工場というのも希望が入っているっぽいニュースのようですね。こういう話は陰謀論に利用されやすいので、私は今回の日刊工業新聞のこの記事はまったく参考にするつもりはありません。というのも、このニュースが出た後に台湾最大の新聞社自由時報の記事を読んだら、「tsmcはマーケット関連の噂は論じない」と回答とありましたから。

また、tsmcの公式ウェブサイトの会社紹介、日本語もあります。会社紹介にも海外工場はすべて完全子会社であると書かれておりますし、台湾メディアの報道でも資金的にも技術的にも合弁で行うメリットが無いと述べている所もあるので、今回の日刊工業新聞の記事は参考にはいたしません。

ちなみに私は、1月7日に「TSMC日本新工場設立の可能性は低い」という動画を配信しましたが、これは外れでしたね。言い訳としては、設立したのは工場ではなく、研究センターですので、合っていると言えばあっているのかもしれませんが、私は「tsmcは合弁で海外進出は無い。だから進出する時は政治的な動きがあると思う」と述べていました。研究開発センター設立も完全に自己資金だけで行うため、こういう部分を含めて、予想が外れたということになりますね。

所詮素人の八度妖の予想なんです・・・・ゴメンナサイ

で、今回の「ソニーとの合弁はない」というのは当たるのでしょうかね。半年後位にはたぶん結果が出ていると思います。経産省の考えている事は私にはまったく理解できないのですが、台湾メディアのtsmcに関する記事を読んでいる限りでは、合弁はない、というのが私の予測となります。皆様はこの日刊工業新聞の記事、どうなると思いますでしょうか?

ちなみにtsmcなのですが、皆さんコメントする時にどう書いていますか?
私は以前はTSMCと大文字で書いていたし、今主流メディアも大文字で書いている事が多いですよね。そしてTSMCの公式ウェブサイトにも大文字でTSMCと書いてあるのですが、ロゴを見てみると小文字のtsmcなんですよね。どちらが正しいのか、分かりませんが、私は最近では小文字のtsmcを使うように心がけておりますが、どうしても大文字で書いてしまう事が多いんですよね。

では、なぜ小文字で書こうとすることを心掛けるようになったのか?というと、TSMC は Taiwan Semiconductor Manufacturing Companyの頭文字で、「T」は台湾を意味するものであるのですが、小文字のt は「頭一つ抜きんでる」という意味が込められていると言われております。確かに、大文字のTだと「頭一つ抜きんでている」状態ではないですよね。なるほど、という噂ですね。ちなみにtsmcの外向けの文章はすべて大文字で記載されておりますが、こういう噂がある為なのか分かりませんが、社内文章では小文字のtsmcを使う社員もいるようです。


あと、台湾最大の電子掲示板PTTでは、面白い書き込みがありました。

なるほど、だからhTCは抜きんでることが出来ないんだ

最近のhTCの株価を見ると小文字のhのように下落が続いているんだね

台湾を良くしたいならTAIWANではなくtAIWANにした方がいいかも

というものがありました。まぁ、ただこれまで述べたのは公式見解ではなくてあくまでも噂レベルの話ですので、話のネタ程度にしておいてください。

ところで、企業名という点で、台湾のPCメーカーASUS(エイスース)が2012年に正式に「エイスースだ」と言及しましたよね。
それまではアスース、エイサス、エイスース、アサス、エーサスなど様々な呼び方があり、2012年よりも前は、皆さんの呼びやすい呼び方でどうぞ、というスタンスでしたが、決着がついたようですね。ちなみに私は台湾本社で働いている社員も一般の台湾人もアスースと呼んでいるので、私もアスースと呼んでおります。ただ、殆どの場合はASUSという英語読みではなく、中国語で「華碩」と呼んでおりますが・・・・・

名前ってこだわる人はこだわるし、無頓着な人はまったく無頓着なんですよね。私は自分の名前を間違えられること、まったく気にしないんですが、間違えると怒る人って結構いますよね。

おい、児嶋だよ!

みたいに(笑)
そういう人がいるし、ビジネスにおいてはそういう所で人のなりを見る人もいるみたいなので、なるべく他人の名前は気をつけて書いたり呼んだりするようにしています。
例えば、キヤノンやキユーピー、そしてYouTubeもYとTが大文字だったりしますからね。


2021年5月27日 編集(八度妖怪)

tsmcに関する3の疑問に答えてみた

tsmcに対する疑問について、企業や政府機関の公式サイトや台湾のニュースメディアを参考にして半導体に詳しくない人でも分かりやすいようにまとめてみました。

では早速参ります。


1、 血税を投入して日本に誘致

これは先日投稿したように、この噂は2月9日のtsmcの公式発表で100%自己資本でやりますというリリースが出ていたので、フェイクである可能性が高いです。また、経済産業省の助成金の対象となる企業は全て日本企業となることが決定されていますので、血税投入という情報を信じている人は、トーンを下げるべきだと思います。本当は信じるなと言いたいところなのですが、過去の自分自身の判断の否定にもつながることなので、なかなかできないという心理も理解できますので、まずはトーンダウンしてくださいという口調にさせていただきます。

※2021/5/31 経産省がtsmcジャパンと20社・機関とともに共同で研究開発することに基金を出すことを決定しましたので、「血税を使うはフェイク」は誤りです。しかし、基金の使いみちがどのようになっているかはまだ不明なので注目していく必要があると思います。

TSMCへ900億円プレゼント?は「嘘」


2、 tsmcは人民解放軍にチップを提供

そもそもこの情報はどこから来たのか?という点ですが、殆どの人が、ワシントンポストや大物YouTuberなどの情報をソースとしております。しかしながら、4月上旬に台湾経済部(経産省に相当する機関)の王美花大臣が、「tsmcは台湾、米国のどちらの輸出規制のルールに則って輸出されている」と声明を出しております。これだけでは恐らく「台湾政府は嘘をついているかもしれない」という人が出るかと思います。確かにこの声明だけでは、ミサイルに使われたことを100%否定するコメントではありませんよね。その点は認めます。確かにルールに則って輸出しても使われる可能性はあります。
では、そもそも論としてtsmcってどんなことをしているか?を理解しなければなりませんが、非常に難しい分野ですので、分かりやすく説明する必要があります。

tsmcがやっていることは、受託製造、つまりは下請けの製造会社ということです。
金属製の乗り物の模型を例にあげると、
この模型を作りたいと思った会社はPCと専門のソフトウェアを使って実際の自動車飛行機などから縮小された模型のデザインをすると思います。しかし、デザイン会社はこのデザインしたものを型を作って、そこに金属を流し込みパーツを作るという製造工程を行なう事が出来ません。こんな時どうするか?というと、この模型のデータを鋳造工場に持って行き、型を取って金属を流し込むという製造工程を外注するわけです。で、今回注目されているtsmcですが、この部分を担っている訳であります。で、金属を型に流し込んで、金属パーツが出来上がっても、製品と呼べるものでしょうか?ただの金属片の集まりだけですので、これを組み立てる工程が必要かと思います。しかしtsmcはこの工程を行なう事ができないので、別の会社へ完成した金属片を渡し、受け取った会社がパーツと説明書を加えて箱詰めしたり、組み立ててから箱詰めしたりするわけであります。

つまり何が言いたいか?というと、半導体というものは、tsmcのような1社だけで、どうこうできる分野の話ではないということです。それを理解しないで、解放軍のミサイルにtsmc製のチップが使われているから、tsmcは国防上大きな問題になりえる!と主張するのは、非常に危ないということです。
(tsmc製チップを解放軍が使う=tsmcを完全悪玉会社と考えるのは危険、という意味)

この理論が通じるのであれば、多くの日本人が持っているアップル製品のiPhoneやiPad、そして最近のアップルのパソコンのCPUはすべてtsmc製となり、tsmcを助けている人間ということになります。tsmcはケシカラン、と思っている人でiPhone使っている人いないですか?そんなにtsmc社が嫌いであれば即iPhoneを使うのをやめるべきです。

※2021年5月12日追記

  2021年4月13日に米共和党の2議員は半導体製造機器の輸出規制を強化するよう求める書簡を米商務省長官へ出したというニュースがあり、この書簡をベースに「米国はTSMCに疑いをもっている」と主張する人がいますが、これはあくまでもマイケル・マコール下院外交委員会筆頭理事とトム・コットン上院議員に対して求めたことであり、決してアメリカ政府の見解ではない事、補足いたします。

ソース
https://gop-foreignaffairs.house.gov/wp-content/uploads/2021/04/edaletter.pdf

※2021年5月27日追記

 そもそもこの書簡すら、tsmcを名指しで批判しているものではないことが以下動画で解説されていました。ちょっとでも疑問を感じたら八洲子さんのようにきちんと第三者の資料を用いた動画や情報もチェックする方がよろしいかと思います。

3、 tsmcは中国企業

これは確かに創業者のモリス・チャン氏は中国浙江省出身の人物ですが、tsmcはワンマンカリスマ社長でここまで大きくなったのか?という点とモリス・チャン氏の経歴も見なければなりません。まずtsmcはITRIという台湾政府の技術研究開発機関からスピンアウトして出来た会社で、スピンアウト後も李登輝元総統も半導体で台湾の将来がかかっている産業だと認識しており、且つ中共からの機密情報を盗もうと画策している事も知っている上で、政府がバックアップをして大きくなった会社であります。
そしてモリス・チャン氏も若い頃にアメリカに渡り、米国籍を取得しており、考え方は米国人的なものもあるので、中国人だというのはいささか乱暴すぎる言い方であります。
ちなみにモリス・チャン氏の発言は台湾経済界に大きな影響力をもっているものの、実は2018年にtsmcの経営から完全に引退しております。また、現在tsmcの幹部は皆さんが言う所謂本省人も、そして外国人もいるし、そして何より株主の構成を見ても米国系と台湾政府が主要株主であることを考慮すると、中国企業というのはいささかミスリードな主張かと思います。
この理論が通るのであれば、日清食品を創業した安藤百福さんはもともと日本人で、戦後台湾人になってしまい、日本国籍を取得したものの、創業当時は台湾国籍でしたので、日清食品は台湾企業と言えるのでしょうか?出自だけでどこどこの国の企業だと考えるのは非常に短絡的であると私は考えます。



品切れが続いていますが時々在庫があるみたいです

いずれにしても、tsmcを敵視して得をするのは誰なのか?を考えるべきですし、様々な意見を見る事が大切かと思います。私も2年くらいYouTube活動をしており、どのようなトレンドが再生回数を稼げて、広告収入が多くなるかを何となくつかめております。昔から変わらないものとしては、不安を煽るような内容は非常に再生数を稼ぎやすいという事ですね。今であれば、tsmcは危ない、中共の台湾侵攻は何月だ、とかそういうような情報ですね。以前の私であれば、そういう話題をテーマにしておりましたが、それでは行かんということで、最近は爆発的な再生回数という衝動にかられるものの、なるべく事実を淡々と述べるクソ真面目な動画/ブログをアップしております。本業があるので、お小遣い程度の広告収益があればいいものですから。

ちなみに、このブログに反論コメントが来ると思いますが、その際はきちんと論拠となる資料を添えてくださいね。あと、私に対しては構いませんが、コメントした人に対しての誹謗中傷は許しませんので、コメント送信前にもう一度コメントを読み返してくださいね

2021年5月12日 編集(八度妖)

なんと、国政政治学者の藤井厳喜先生に、動画がよくまとまっているという有難いお言葉を頂きました!!

https://twitter.com/GemkiFujii/status/1391556873682264067
YouTubeではイラストを用いた解説もしております。

韓国メディア:tsmc南京増産は中台関係を更に緊張させる サムスンも類似の境遇に陥る可能性

韓国メディアは今日(5/6)、tsmcの南京工場増産計画が中国と台湾の緊張関係を加速させるだけでなく、業界人曰くサムスンも将来同じような境遇に陥る可能性があると報じた。

  チップ受託製造最大手tsmcが先日、28.87億米ドルの予算で南京工場の28ナノメートルの成熟した製造プロセスによる増産を目的とした拡張を決定した。しかし、中国科学技術産業アナリストの頂立剛氏は中国本土のチップ産業に大きな打撃を与えることを懸念する反対意見が公開されるに至った。韓国メディアの今日、tsmcの南京工場増産計画は、中国と台湾の緊張関係を更に加速させるだけでなく、業界人曰くサムスンも将来類似の境遇に陥る可能性もあると報じた。

《BusinessKorea》の報道によると、tsmcの投資計画は中台の間にある緊張関係を更に加速させ、中国、台湾において多くの反対のどよめきが起きており、先日は中国政府に対してtsmcは中国で28ナノメートルチップの「不当廉売」を行なう予定で、その目的は中国における競争相手を潰すもので、「中国半導体企業の構成に脅威を与える」ため、tsmc南京工場増産を阻止するよう呼びかける頂立剛氏の非難もあった。

報道では、一部の台湾の政治家もtsmcの南京増産に不満を述べ、tsmcが産業機密を中国に窃取されることを憂いており、また中国によって台湾半導体技術と人材を窃取される事を心配する人が増えてきている事に際して、台湾労働部(厚労省に相当)は先日各人材斡旋業者に対して、勤務地が中国となる欠員募集を掲載する事を禁じた、と指摘している。

報道では、米中が覇権争いを展開している中で、tsmcは積極的に米国に歩調を合わせ続けており、中国に対する制裁にも参与しているため、中国のtsmcに対する不満が出てきていると報じている。米国政府は先月、中国IC設計会社飛騰(Phytium)を制裁リストへ入れた時に、tsmcは即刻飛騰への出荷を停止しているとも指摘している。

業界ウォッチャー(恐らく韓国人)は、サムスン電子は将来類似の境遇に遭遇する可能性があり、もし米国が中国への圧力を強める事になると、サムスンへも中国企業への半導体供給を制限するよう圧力がかかるであろうと警告を鳴らしている。

現在サムスンは蘇州、西安にNAND型フラッシュメモリ工場と半導体パッケージング工場を別々に運営している。2020年、韓国のチップ輸出総額の40%を中国が占めている。

2021年5月6日 編集・翻訳(八度妖)


Web管理者感想

tsmc南京工場増産に対して、様々な意見が見られるが、中共国内において、工場増産反対の声が情報統制されずに拡散されているところを見ると、どうやら中共にとってはtsmcと中共はズブズブの関係だという証明という論調より、中国半導体企業に脅威であるという風に私は解釈いたします。また韓国国内においてもtsmcの存在は非常に脅威であることが分かる。

こんな状況なのに、日本でオールジャパンの半導体産業を目指せ!という主張をするのは、現実を見ない人間であると私は考えます。tsmcを敵視して得をするのは誰なのか、今一度考えて欲しいと思い、自由時報のニュースを和訳した次第でございます。

※今までtsmcをTSMCと表記しておりましたが、社内ではtsmcのように小文字で表記されていると聞きましたし、小文字の「t」の字の頭が少し飛びでているのが「トップ」を意味がこめられているようですので、この記事より小文字表記へと変更させていただきました。


次回スマホ買い替えの際はこの機種または後継機を購入するつもりです

TSMC最先端の技術流出は心配する必要は無し

先日、TSMCの南京工場増産についての動画を上げましたが、TSMCの技術が中国側に渡ってしまうのではないか?という声を多数いただきましたので、補足させていただきます。


今回TSMCが南京で増産するのは28ナノメートル以上の半導体であり、EUV装置は使わないとのことです。

これは、どういう事かというと最先端の半導体はEUV露光装置という最先端の技術を使って回路をシリコンウェハーに書き込むのですが、28nmはEUVではなく液浸リソグラフィという技術を使って回路を描きます。つまりは、まったく別の装置を使って回路を描くという違いがあります。

分かりやすい表現で言うと、写真でキレイで細かい表現を行なうには、コンパクトカメラでは無くて、一眼レフカメラとかかなりプロみたいなカメラを使いますよね?液浸リソグラフィがコンパクトカメラ、EUVが一眼レフとして例えてみます。

コンパクトカメラばかり使っていた人にいきなり一眼レフカメラを渡しても、ボタンがいっぱいあって機能をフルに使いこめませんよね?そしてカメラの機能を一通り理解できたとしても今度は環境に合わせてどの機能が最適なのか?ということも行わなくてはならず、それこそカメラマンの腕、つまりはノウハウというものが必要になってくるわけです。

同じように半導体においても、今回南京工場に導入されるのは先ほどの例で述べたコンパクトカメラ、つまりは液浸リソグラフィによる技術で台湾では一眼レフ、つまりはEUV露光装置なので、そもそも道具が違うので最先端技術に関する機密が漏れる心配はそもそもありません。また、南京工場や中国の別の半導体メーカーがこっそりと一眼レフを輸入してtsmcの人材を引き抜けば中国でも最先端の半導体が作れるかも?とか考えるかもしれませんが、そもそもこの一眼レフに当たるEUV露光装置はオランダのASMLという会社であり、中国への輸出を米国により制限されている訳で、中国としては一眼レフが手に入らない状態なのです。

また人に関しても、tsmcが南京に駐在させているのはコンパクトカメラのプロであり、一眼レフのプロではないという点ですね。つまり南京にいるtsmcの技術者を引き抜いたとしても、それはあくまでもコンパクトカメラでどのように表現するか?という部分の技術しか得られない訳であります。

つまり、これだけの道具の性能の差、特性の差があるわけですから、最先端技術の漏洩は必要以上に恐れる心配はないと考えられます。勿論楽観視をしてはいけませんが。

※高性能コンパクトカメラではなく、入門向けのコンパクトカメラをイメージしてください

ちなみに

「いやいや、tsmcから最先端技術に関する技術が流出または社員が悪意をもって流出させる可能性があるじゃないか」

と仰る方もいらっしゃると思いますが、私の本業は情報セキュリティであって、この辺に関してtsmcはしっかりと技術を守っている事が容易に推測できます。と言いますのも、私が勤める会社の顧客に半導体関連のメーカーがいるのですが、その会社のサーバルームで作業をしましたが、一企業のサーバルームであるにも関わらず、データセンターの入館のようなセキュリティチェックがありますし、更にはセキュリティ対策も社員はデータを盗むであろう、という性悪説を前提にシステムを設計しているので、システムの抜け穴をみつけて、そこを使わない限りは機密情報を持ち出すことは不可能に近い状態です。

業界1位でもない半導体関連のメーカーさんでさえ、これだけ厳しい管理を行なっているのでtsmcもこれ以上の対策を行なっているのは想像に難くないと思いますし、ましてや南京工場の情報管理は更に厳しいものになっていると推測できます。


つまりどういう事か?というと、半導体を作る技術者が情報漏えいの専門家である情報システム部よりも知識を持っていないと抜け穴を突破する事が出来ないという事です。また逆も同じで情報の抜け穴を知っている情報システム部の人間が、半導体製造に関する深い知識を持っていないとどの情報を盗むべきか?判断できません。かと言って、関連データをごっそりコピーなどすればシステム的なアラートが上がってしまいます。単純に考えてもデータを外に持ち出すには、少なくとも製造関係の技術者と情報システム部の人間がグルにならないと無理なわけで、且つ、システムの隙をついたやり方でないと外に持ち出すことが出来ない訳であります。流出経路をどのように塞いでいるか?など細かい事を説明するとかなり技術的でつまらない内容になるので省略させていただきますが、普通の人が思いつくようなUSBメモリ、Email、GoogleドライブやiCloudのようなオンラインストレージ、SKYPEなどのようなメッセンジャーでの転送は基本的にはデータを転送できないようになっておりますし、データ自体暗号化されております。ですが、分かりやすく言うと、紙ベースの資料は入退出時にセキュリティチェックとして行われますし、デジタルのデータに関しては、暗号化されており、且つ流出しにくいシステムを構築している訳ですし、社内規則でも罰則が設けられているだけでなく、台湾の法律として営業秘密法など産業スパイに関する法律が整備されているため、日本人が心配するほど台湾のセキュリティシステムは丈夫に出来ている訳であります。

逆に言わせていただくと、日本の情報セキュリティの方が漏洩リスクが高いのではないか?と思っております。

そういう事情もまったく知らずに「中国に行ったら情報が盗まれる」と怖がったり心配するのは、杞人憂天、杞の国に、天が崩れ落ちたらどうしようと心配して、夜も眠れず飯ものどを通らなかった人がいた状態ではないでしょうか。

勿論、中国での工場拡大なので楽観視はできないのは事実ですが、必要以上に中国を恐れるあまりに本来味方でいなければならないtsmcを敵に回してしまうようなことは絶対に避けるべきだと私は考えます。

2021年4月30日編集(八度 妖)

YouTubeでも同様の内容をしゃべっております

TSMC南京工場増産予定 中国専門家が政府に制止を呼びかける

 「護国神山(国を守る神の山)」であるTSMCは22日に開いた臨時董事長会議で、資本金28.87億ドル(約3000億円弱)の予算で、南京に28ナノメートルの成熟した製造プロセスで月産4万枚の工場を建設する事を決めた。これに対して、「中国になぜTSMCがないのか?(中國為什麼沒有台積電?)」という文章を書いた中国通信業の専門家で、ハイテク産業アナリストの項立剛氏は、以下の5点をあげ、中国政府は研究、審査、中国国産チップ製造企業を保護し「TSMCによる市場独占の防止」をするべきだと強く呼びかけた。

  項立剛氏は23日、中国メディア《新浪財經》での投稿で、「4月22日、TSMCは臨時の董事長会議を開き、28.87億米ドルの予算で南京に月産量2万枚の28ナノメートルの工場を拡大する事に批准した。この目標が達成されると、中国国内のチップ産業に大きな打撃をもたらし、中国チップ産業の発展に極めて大きな影響を与える為、我々は強く警戒しなければならない」と述べた。

  項立剛氏は更に「中央政府」は中国南京のTSMCの増産を防止するよう「制裁」するべきである5つの観点を述べた。


  1つ目は、TSMCは現在最先端チップを使って業界をコントロールしており、熟成製造プロセスのチップを不当廉売することで圧力をかける戦略を取っている。頂氏はTSMCは中国に14ナノメートルより小さい先端チップの受託製造を受けたがらず、更にはTSMCが28ナノメートルより大きな成熟した製造プロセスのチップを不当廉売しているのは、この産業において中国チップ企業を無力化し競争させない為である。ひいては長期的に中国の関連企業に圧力をかける事にもつながると述べた。

  2つ目に、「南京増産はTSMCがコストをカードとして中国チップ企業に圧力をかける事に成功するだろう」と頂氏は考えている。南京増産はTSMCが台湾での水不足と電力不足を解消することができ、更には米国の高コスト、割に合わない効率の工場でもない。そして中国チップ製造企業に圧力をかける効果があり、中国企業を競争から追い出すことができる」

  3つ目に、「TSMC南京工場の拡張は中国チップ製造企業の存続に直接衝撃を与えるであろう」と頂氏は考えている。もし28ナノメートル以上のチップ生産がTSMCに独占されたら、中国の他の企業は注文書を得る事ができず、生存の危機にも直面し、最終的に中国のチップ受託生産はTSMCの独壇場となるであろう。

  4つ目は、「TSMCの南京増産を支持する事は二兎を追う者は一兎をも得ずである」と頂氏は考えている。TSMCが中国で工場を拡大させることを支持しても、中国にとってTSMCから製造技術を得られない事に変わりはない。「このような状況が生まれると、中国がチップ製造領域において永遠に機会を失う事につながる。したがって首根っこをつかまれながら、長期的には殴られる局面になるであろう。国家戦略上、あれこれ恐れて手を出さずにいると、国家発展の大戦略の影響を及ぼすであろう」

  5つ目は、頂氏は、TSMC南京工場の増産は南京地方政府の経済的な支援にはなることは間違いないが、中国の産業に対しては大きな一撃である。「南京は地方経済の利益だけでなく、中国チップ産業の発展を重く見るべきだ。TSMCの増産に対して、南京地方政府は批准を許してはならず、土地、供電、給水などの優遇もやめるべきである」と述べた。



  頂氏は最後に「TSMCは中国の政策、資源、水力、電力、低コストの人材を利用して、比較て遅れたチップの大量生産を行ない、不当廉売により中国の新興チップ製造企業を潰すだろう。このような状況は決して引き起こしてはならない。私は政府関連部門にTSMCについての研究、審査、中国チップ製造企業の保護、TSMCの市場独占の防止を強く呼びかける」と述べた。

  文章は台湾最大の電子掲示板PTTに貼られ、台湾ネット民に「あんたのところの庭に工場建てたら(先端)技術を提供しなければならない?何言ってんだこいつ」、「中国が中国にあるTSMCに制裁?頭がおかしくなったのか?それとも(中国内を)分裂させたいのか?」、「早く制裁してよ、MediaTekやUMCもついでに制裁してね」と皮肉たっぷりの言われようだった。

多くのネット民からも「TSMCの技術は盗めないよ」、「直接技術を盗もうなんてクソだね」、「技術を得る、って〇〇(汚い言葉)だね。早く制裁しろよ」、「4点目 技術を盗むって、やっぱり中国」というキーワードが続出した。

2021年4月25日 編集・翻訳(八度妖)

自由時報経済専門家》 TSMCは「特殊な立ち位置」米国制裁で飛騰は巧妙な手口

米国商務省は天津飛騰信息公司等7社をエンティティリストへ追加

米国が中国大手コンピュータ領域への三度目の制裁

  米国商務省は3月8日、中共企業が米国の技術を利用してスーパーコンピューターを製造し、中国解放軍の超音速ミサイルのシミュレーション施設を開発している事を非難し、天津飛騰信息公司等7社をエンティティリストへ追加し、その中には飛騰が設計を世芯-KY、生産をTSMCへ発注したものも含まれている。飛騰は2020年世芯-KYの売上高の39%を占めるほど貢献しているが、今年の売上高は25%ほどになる見込みで、衝撃的ニュースによって世芯-KYは5回のストップ安となった。

  飛騰事件以来突然、投資家は不意を突かれた形であったが、実際には米国は3回目のスーパーコンピューター領域における中国企業への制裁であった。2015年4月に、オバマ政権はインテル社が中国の4つの機関に対して、「天河二号」のスーパーコンピュータCPUに使われているXeonチップの販売を禁止したことがある。2019年6月に、米国は再度、海光、曙光、無錫江南技術研究所等5つの機関をエンティティリストへ入れた。それに加えて今回の7社を加えたことにより、殆どすべての中国スーパーコンピューター研究開発機構がリストアップされた形となった。

  中国は最も多くスーパーコンピュータを有する国家であり、全世界のスーパーコンピュータ上位500位内の214台を中国が有している。そしてその数量は米国の2倍近くとなっているが、パフォーマンスは上位の日本、米国には及ばない。しかも、自前で技術を作っていると大きな声をあげるものの、中国のスーパーコンピュータの多くはインテル、AMD及びIBMのCPUを使用している。

  今回、米国が下した最新の制裁は、飛騰が以降現行のソフト設計チップを使用させず、TSMCにも受託製造をさせないものとなる。さもなければ米国の制裁を受ける事となり、それは米国が昨年実施したファーウェイへの制裁と同じものになる。米国企業は例外なく、今回の制裁について売上高に大きな衝撃があるが、商務省の決定を尊重すると考えている。

2016年中国はスーパーコンピュータ「神威太湖之光」の運用開始を宣言した。現在江蘇省無錫の国家スパコン無錫センターで運用されている。

TSMCチップ F-35戦闘機にも用いられる

  米国が飛騰を制裁した後にどのような動きがあるのか?マーケットは、制裁の影響は短期的であるが、最終的には中国が国内での研究開発への投資を強化する事につながると予想している。それは2015年に米国政府がインテルチップの輸出を禁止した後に、中国が明らかに国内の研究開発への投資を強化し、その1年後、当時世界で最も計算速度の速いスーパーコンピュータ「神威太湖之光」の運用開始をしたことに似ている。

チップの国内製造率を高めようと、中国は大金を払ってこの目標を達成しようとしていた。中国は既に国内でチップの設計能力は得ているが、それでもチップを輸入せざるを得ないほど深刻である。中国のチップ輸入額は3年連続で3000億米ドルを超えており、更に米国によるファーウェイへの制裁により中国企業は更にチップの備蓄を迫られる等、2020年の輸入金額は3800億米ドルに達するとみられている。

  それ以外に、中国は国内での研究開発プロセスにおいて、少なからず外国の技術に頼らなければならない。例えばシノプシス或いはCadenceの電子系設計ソフトツール(EDA)、チップ製造にはTSMCの受託製造等が必要である。しかしながら、米中関係が徐々に悪化するにつれ、米国企業と台湾企業は中国とのビジネスもあり、この制裁が果たして適当であるかというジレンマに陥っている。

《ワシントンポスト》の記事によると、中共政軍&作戦概念研究所の研究員の歐錫富氏は、TSMCの「特殊な立ち位置」について言及し、米中両方にチップを供給する事は最終的には軍事目的に利用される可能性があると述べた。例えばTSMCがロッキードマーティン社のF-35戦闘機のチップを供給しているかの如くである。歐氏は、民営企業はビジネスをする際、ある項目に対してさほど考慮しないことがあると指摘。例えば、国防上についてであり、台湾は小国であり、各種の輸出規制条件が適用されず、逆に米国は輸出規制が完備されており台湾は比較的緩いために、このような抜け穴が出てきてしまう。

注意:これはあくまでも「ワシントンポスト」の記事を引用しており、自由時報の主張ではない

2018年世芯が暴露 中国顧客に核爆発への関与を疑う

  世芯-KYのCFO王徳善氏は、飛騰がチップを軍事用途として使用しないことに署名をしており、飛騰も世芯-KYに対して会社の顧客はすべて平民であると告げ、1500と2000系列のチップは皆商用サーバーと個人PCに使われると言っていた。しかし《ワシントンポスト》は世芯-KYが2018年の新聞記事の中で、会社と中国国家スーパーコンピューターセンター(National Supercomputing Center)と協業していることを見つけた。当時、この機関は核爆発のシミュレーションに参与している事が疑われており、既に米国のブラックリストに入っていた。

  しかし、あるアナリストは、企業がこの基準に沿って顧客を選ぶことはあまりあり得ないと率直に語った。バーンスタイン社のアナリストMark Li氏は、飛騰がもし制裁を受けれなければ、TSMCは注文書を断れる立場になく、また中国のチップ市場は非常に大きく、合法的なビジネスを放棄することは(TSMCの)株主が許さないであろうと指摘した。

米国の制裁令、TSMCはどちらかの選択を迫られる

  台湾は中国の急速に成長する市場を重視しており、また中国は台湾からの科学技術と電子製品の輸入に頼っている。特に米中貿易戦争勃発後、中国は米国の技術に頼ることをやめており、米国の制裁により部品が提供されないことが起きないよう、台湾から製品を購入する動きになった。感染症が蔓延する中、世界のチップ需要の急速な拡大と中国による大量のチップ備蓄が重なり、2020年台湾から中国へのチップの輸出金額は3割増え、420億米ドルにも上った。

  米国の制裁は、TSMCにどちら側に立つのかを迫ることを意味している。《フィナンシャル・タイムズ》は、2020年米国はTSMCの売上高の6割を占めており、中国は2割前後であることを指摘した。米国はTSMCの最大の市場であるが、中国も半導体市場は急速に成長している。米国はTSMCが中国から離れる事を望んでおり、更にはTSMCが持っているセンシティブな技術、例えばF-35のチップを掌握し、米国現地の工場で直接製造する事を望んでいる。

  これ以外にも、今回の事件は会社が地政学リスクをどのように捉えるかの試験でもある。飛騰事件は世芯-KYの株価暴落を引き起こしたが、TSMCには殆ど影響はなかった。以前TSMCが米国のファーウェイ制裁により、2020年夏にファーウェイへの販売を暫定的に停止したが、アップル社iPhone12のリリースにより、TSMC 5nmの注文を増やすこととなり、失った注文をすぐに補う事が出来た。

  しかし、これは他の台湾科学技術製造会社にとっては難しい事である。なぜなら中国の巨大な市場にかなり依存しているためである。《フィナンシャルタイムズ》は、北京当局が最近台湾海峡周辺での演習を強化していることを考慮し、台湾企業は更にこれを重視し、異なる客層を拡大していかなければならないことを強調している。

元記事 https://ec.ltn.com.tw/article/breakingnews/3502219

2021年4月22日 編集・翻訳(八度妖)

TSMCへ900億円プレゼント?は「嘘」

まず一言

「900億円をプレゼント」は嘘です。

うっかり間違えたのか、わざと900億円プレゼントと言ったのかは不明ですが、実際にはそんなことはありません。

まず、どこからこんな情報が出て来たか?というと、私の知る限り、深田萌絵さんだと思いますし、他にはいないと思います。(もしいたら、教えてください)


連続して深田萌絵さんのツイートを引用して申し訳ないですが、これはほんの一部の発言です。他にもあったのですが、あまりにも量が多かったため省略いたしました。


ではなぜ、この情報が嘘だというか?というと、経産省の公式Webサイトを見れば分かるとおり、補正予算900億円は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」という枠組みで編成されており、その詳細を見ると、助成金として1件につき上限250億円となっているからです。

先端半導体製造技術の開発(助成)

提案1件当たりの助成費は、原則として250億円以下とする。

ソース
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200415001/20200415001-1.pdf

しかもこの助成金は、折半であるため、実際の投資額の半分になるわけなのですが、Bloombergの予想では茨城県つくばに作られるTSMCの工場への投資は200億円と推測されており、つまりはこの数字すべてが助成金の対象になるのであったとしても100億円が助成金となるのであります。

ただ、100億円も巨額だと言えるので、この使い道が正しいかどうかを見極める必要があるのですが、才女の深田萌絵さんが凡ミスをするわけがありません。何か理由があって上限250億円の予算を「900億円プレゼント」と嘘までついて発言したか、裏を考える必要があると思います。それはどうしてもTSMCを日本に誘致したくない理由があるんだと思います。嘘までついて、愛国精神あふれる日本人を騙しているわけでありますから。その理由についてはまた改めて考察したいと思います。

ちなみにこの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」ですが、元々1000億円以上あった予算に追加として900億円の予算が組まれたのであり、先月、予算の使い道の第一弾が決まりました。

東京エレクトロン社、キヤノン社、SCREEN社(及びその関連会社)に決まったというニュースがありました。つまりは、この予算すべてがTSMCまたは外資に使われることではないということがお分かりいただけたでしょうか。

能天気に海外からのビジネスの話に乗るのはいけませんが、かと言って疑い過ぎて、本来味方かもしれない相手までも「不要だ!」という可能性があることにも目を向けるべきだと私は考えます。なお、TSMCが中共とズブズブの関係かどうかは確証は持てませんが、可能性は低いと私は考えます。

最近TwitterやYouTubeなどの言論を見ると、TSMCが危ないから日本誘致はヤメロ、という声が大きくなっているように感じます。理想論としては私もJapan as Number one というように日本企業最強という状態がくればいいと思いますが、今まで日本政府が半導体業界をないがしろにしてきたツケをすぐに回復できるのであれば、誘致は不要なのかもしれませんが、何周も周回遅れになっている状態なのですから、野球の助っ人外国人選手のようにTSMCを誘致するのはありだと私は考えます。なぜなら、例えが古いかもしれませんが、ランディー・バース選手一人で阪神を日本一に導いたのではなく、掛布・岡田選手や他の選手もいたから日本一になれたのであり、半導体業界も同じようにTSMCだけでシェア世界一になったのではなく、信越化学やSCREENなど数多くの企業がいるから世界一になることができているのであります。

しかし半導体業界は非常に複雑なので、深田萌絵さんのように単純化して分かりやすく説明する事も大切ですが、主義主張が入っているような場合は気を付けるべきだと私は考えます。

最後に、日本の国益になることを考えるにあたり、日本の安全保障が関わって来ると思います。台湾を中共にとられてしまったら、日本の安全がどれだけ脅かされるかお判りでしょうか?そうならないためにも、TSMCが中共とズブズブだという主張を一歩下がって、冷静に情報を分析する事が必要だと思います。

2021年4月19日 編集(八度妖)


2021年4月30日追記

色々と情報を調べていたら、TSMC社が2月9日に

すべて自身で完全子会社を設立する事を決定した

という公式リリースを出していました。また工場ではなく「研究開発拠点」ということですので、日本の半導体製造メーカーの脅威になるようなことは少なそうですね。

https://pr.tsmc.com/japanese/news/2786

2021年5月31日追記

5/31に経産省がtsmcジャパンと20社・機関とともに共同で研究開発することに基金を出すことが決まりました。

深田萌絵氏はどこにいるのか?ライブ映像より検証

これはあくまでも個人の推測であるため、推理小説のような「謎解き」だと思ってご覧いただければ幸いである。

2021年4月4日に米国へ行き裁判を行なってくると述べた愛国者の深田萌絵さんだが、一部の人から日本にいるのでは疑惑があったので、私なりに検証してみた。結果としては

全く分からない

となってしまう。


疑問1.本当に空港にいたのか?

これは、4月4日12時54分に空港であろう場所でライブ配信をおこなっていたので、空港にいたのは確実と考える。

背後にBR198便(台北-成田)が映っており、この日は予定時刻13時15分よりも早い12時48分に到着した。ゲートに向かっている所から、12時50分過ぎからライブが始まったと推測される

場所は風景より旧管制塔の並びから第一ターミナルと分かる。また動画冒頭のEVA航空が見えることより、EVA航空は34番ゲート到着の為、第4サテライトにいると断定できる。

成田空港公式Webサイトより

念のため、Google Earthで現場を見ると、SMBCの看板のついたボーディングブリッジが見える事より、47番ゲート付近でのライブ配信と考えられる。

Google Earthより

疑問2.国内線に乗ったのでは?

第1ターミナルから出発する国内線はピーチ航空なのだが、こちらの搭乗ゲートは第5サテライトからなので、第4サテライトで撮影するのは不自然である。もちろん偽装工作をするために、わざわざ第4サテライトにまで足を運び、ライブ配信を行なった可能性も否めない。


疑問3.どの便に乗ったのか?

調べたことは2021年4月4日の第一ターミナルから出発する便である。ライブ配信は日本時間の13時ちょっと前から始まっており、7分ちょっとの長さである。また冒頭にEVA航空が34番ゲートに向かっている様子も映っている事より深田氏が登場する便を13時以降として、3時間もサテライトで待つことは無いと判断し、13時~16時までのフライトを調べてみた。以下が当日の第一ターミナルを出発する便の一覧である。

1便、1便解説を交えながら可能性を探っていこうと思う。

NRT-MMB(成田-女満別) MM593 13時06分発(定刻12:55) Gate A

→ライブ終了が13時前後のようなので、定刻12時55分では、ファイナルコールされているので女満別行ではないようだ


NRT-ICN(成田-仁川) OZ101 13時28分発(定刻13:20) Gate31

→47番ゲート付近にいたことと、搭乗案内開始時刻が恐らく13時00分くらいなのと、ゲートが31番であり、移動時間を考えるとこの便の可能性は低いと考える


NRT-KMI(成田-宮崎) MM553 13時29分(定刻13:15) Gate H

→定刻13時15分であれば、13時ちょっと過ぎには搭乗ゲート Hまで行かなければならないことを考えると、宮崎行ではないと考えるのが自然だと思う。


NRT-ISG(成田-石垣島) ノーコールサインPeach機体 13:49分(定刻13:25)Gate不明

→ノーコールサインであるため、どのゲートから出発なのか分からない。この便の可能性もあるが、13時25分定刻ということを考えるとこの便の可能性は低いと考える。


NRT-VVO(成田-ウラジオ) SU5481 14時07分(定刻14:05) Gate22

→ウラジオストック!ロシア時刻も14時5分出発予定なので余裕があるのだが、北ウイング第2サテライトのGate22であるため、わざわざ真逆の第4サテライトまで来てライブ配信する可能性は低いと考える為、この便の可能性は低いと考える。


NRT-PVG(成田-上海浦東) NH959 14:11分(定刻14:00) Gate37

→時刻、ゲートの場所といって47番ゲートから近いので、この可能性が高いと思われる。37番ゲート付近からの風景は空港に見えないこともあるので、空港が見える近くの47番ゲートに移動した可能性がある

37番ゲート付近からの風景。非常に殺風景であるため、わざわざ47番ゲートに移動してライブ配信した可能性が高い。

NRT-OKA(成田-那覇)MM505 14:33(定刻14:00) Gate A

→既述のように第5サテライトからの搭乗なのだが、時間的にはたっぷりあるのでこの便の可能性もあるが、わざわざ撮影のために第四サテライトへ来るのであろうか。


NRT-TPE(成田-台北) BR197 14時37分(定刻14:15) Gate34

→こちらも時刻、ゲートの場所から考えると可能性があるが、台湾は厳格な入国後の隔離生活があるため、この便に乗る可能性は低いと考えるが、乗り換えで米国へ渡った可能性もある。


NRT-ICN(成田-仁川)KE704 14:49(定刻14:55) Gate24

→時刻も14時55分出発予定なのでかなり余裕があるのだが、北ウイング第2サテライトのGate24であるため、わざわざ真逆の第4サテライトまで来てライブ配信する可能性は低いと考える為、この便の可能性は低いと考える。


NRT-FUK(成田-福岡)MM525 15:11(定刻14:55) GateD
NRT-CTS(成田-千歳)MM579 15:24(定刻15:00) GateF
NRT-KIX(成田-関空)MM316 15:31(定刻15:00) GateB
NRT-OKA(成田-那覇)MM507 15:37(定刻15:30) 不明

→13時過ぎにライブ配信が終わったことを考えると、その後2時間も時間を弄ぶほど、深田さんは暇人ではないだろうから、これらの国内線に乗った可能性は低いと考えるのと、既述の通り出発ゲートは第5サテライトであるため、わざわざ第四サテライトまで来て撮影するのであろうか。ただ、時間と場所を計算しながら配信しているのであれば、関西空港行きが一番乗った可能性が高いと思う。その方が実家にも寄れるし、コストもそれほどかからないためである。


ということで、4月4日13時~16時に第一ターミナルから出発する米国への直行便がないため

1.経由便を利用した

2.国内線に乗った

の2つの可能性が考えられる。

結局は1と2のどちらにのったのか?は分からずじまいだったが、もしライブ配信の場所からだけで便を特定するのであれば、NH959便の上海行かBR197便の台北行に乗った可能性が高い。彼女が経営している会社Revatronは中共企業のテンセントとも戦略的パートナーシップ契約を締結するなど、中国とビジネスをしていることを考えると、もしかしたら中国に向かったのかもしれないが、まったく確証を持てる情報ではないので、推測の域から脱することもできないし、そもそも上海浦東空港で米国行きの便へと乗り換え(トランジット)する可能性もある。

いずれにしても謎の多い女性であり、ファンはもちろん、アンチの人たちをも楽しませる一流のエンターテイナーなのかもしれない。

2021年4月14日 編集(八度 妖)

TSMCがSMICと資本関係にあるというデマ

  今日はTSMCに絡む噂について、誤った情報がネット社会に出回っているようですので、簡単に解説してまいりたいと思います。


  ネット社会ではTSMCをファーウェイのフロント企業だ、とか、TSMCと中国半導体製造会社SMICはズブズブの関係だとか、TSMCは日本の産業を潰そうとしている、みたいな空気が流れ始めているからです。ただ、私はTSMCを擁護したいと思っている訳ではなく、根拠のない情報でTSMCを悪く言うのは宜しくないと思っているだけであります。もちろん、TSMCが本当に日本を潰そうとしている客観的な証拠があれば、私も「ふざけるな!TSMCに気をつけろ!」と主張するつもりですが、今の所そういう情報は、台湾の親中メディア、国民党寄りのメディアのニュースをみても無さそうです。

なお、TSMCはやり手の会社創業者や経営陣、そして社員も台湾のエリート大学卒業生しか採用しないという企業であるため、友達・仲間的な雰囲気で手を組む相手ではないことは確かです。まぁ、そもそも経済界はお金に関する競争社会なのですから、国内の企業同士で手を組む場合でも盲目的に相手を信用するということはあり得ないのですけどね。

さて、ではネットで流れている情報は?というと、これです。

TSMCは大陸からきた浙江人の会社で、解放軍とのつながりでトランプに制裁されたSMIC社の株主でもある。
米上院議員やビッグテックは台湾半導体企業を批判し、日本の半導体製造装置を守らなければならないとしてるのに?

もう一つ

TSMCとSMICは関係ないとおっしゃる方がいるので、資本関係を持ったニュースを一つどうぞ。

ということで、

2010年の英語のニュース

を用いて、説明されています。日進月歩のIT業界で11年前のニュースを根拠にするってセンスには呆れてしまいます。

この時に確かにTSMCはSMICの株式の10%を取得しており、事実であることには間違いありません。そして、某張名人は、このニュースを元にTSMCはSMICと資本関係を持っていると主張をしている訳ですが、2つほど説明不足があります。

1つ目は、なぜ10%の株式を取得したか?と部分

TSMCは営業機密をSMICに盗まれて、裁判が行われその結果として賠償金の一部としてSMICの株をTSMCに譲渡するしたという事に触れていません。つまりは、この10%の株はSMICの将来性を見込んで取得した訳ではなく、賠償金の肩代わりとして取得した訳なのであります。

2つ目は、11年前のニュースなのだから現在どうなっているのか?という部分。

2020年時点では株式を売却して0.2%しか保有しておりません。
2010年時点ではSMICの10%の株を有する主要株主だったTSMCですが、適宜その株を売却して、現在はたったの0.2%にまで比率が下がっている訳ですから、経営に口出すとかそういうレベルで無い事はお分かりいただけると思いますし、今後残りのすべてを売却する可能性だって考えられるわけです。そもそもが先ほど述べた通り賠償金の肩代わりとして取得した株式でありますから。つまりは、株式取得することで、TSMCがSMICの経営に口出すという意図がなかったということが読み取れると思います。

そういう点に全く触れずに、
TSMCはSMICの株式を10%も持っている、SMICは解放軍とズブズブの関係だ、つまりTSMCは解放軍の為に半導体をせっせと作っている、という主張はいささか無理矢理かなぁと思います。

もちろん、私は一般人ですので実際に裏でどうなっているかは分かりませんが、某著名人も諜報機関並みの情報力を持っていると思えませんので、確実ではない情報を用いて、不安を煽るのは宜しくないと考えます。


ちなみにTSMCもSMICも上場企業ですので、財務諸表を見れば、資本関係についてある程度は分かります。ですので、これら著名人は財務諸表を読まない人たちをターゲットにして「台湾企業も怪しい!」と思わせようとしている現状に私は危惧しているわけであります。
もちろんTSMCは日本の企業ではないので、日本の為に良いことしてくれる!なんて馬鹿げた期待はしてはいけないのは言わずもがなですが。

いずれにしても、中共という大きな敵がいる状況下に、戦友とも言える台湾を必要以上に悪く言うことは日台分断にもつながりかねないので、根拠に乏しい情報を元にした批判は特に控えるべきですし、台湾に対して疑心暗鬼になるのは宜しくないかと思います。もちろん、多少疑うのは構いません。疑心暗鬼になるなと言っている訳です。
私は常日頃申しておりますが、日本と台湾は兄弟や家族のような存在だと思っております。ですが、実際の兄弟関係を見ても分かるように、「おい、お前の銀行の通帳とハンコを黙って貸してくれ」と兄弟に言われて、「はいはい、良いですよ~」なんて渡す人はいないと思います。日台関係も同じです。多くの人がこの銀行の通帳の例のように盲目的に台湾を信じるという人はいないと思いますが、重箱の隅をつつくような事例を取り出して、台湾に警戒せよ、とか、台湾は怪しい、と情報を発信する事は、中共の脅威がなくなるまではやらない方が良いと思うこの頃です。
いつも私の動画を視聴してくださる方は知ってらっしゃると思いますが、疑心暗鬼になることで得をするのがどこの国なのか、多くの人に知っていただきたいものです。

最後に私はかなり台湾贔屓の人間ですので、無意識のうちに多少誇張している部分があるかもしれません。ですので、なるべく中立な情報を知りたいと思う方は、私の話を聞いて、「あれ?」と感じることがあれば、そこから何割かを差し引いた感じが丁度良いのかもしれませんね。

YouTubeでも同じ内容を上げています

2021年3月8日 編集(八度妖)

中国を恐れず!「TSMCモリス・チャンはなぜ親中ではない」 事情通がキーワードを語る

  今日は民進党寄りのメディア「三立新聞」の昨年11月にあった記事からTSMCの会長モリス・チャン氏がなぜ親中ではないか?という点を述べていたので和訳したいと思います。

三立新聞はかなり民進党寄り、台湾独立的な傾向があるので、それを考慮した上で内容を判断していただければと存じます。では早速参ります。


  蔡英文総統は先日、TSMC創設者張忠謀(ちょうちゅうぼう)モリス・チャンを第28回アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席する総統特使に任命した。これはチャン氏にとって4回目の特使任命であり、1回目は2006年陳水扁総統時代、残り3回は蔡英文総統在任中である。ネット民は、チャン氏は中国で育ち、アメリカに留学し、働いていた。その後政府の要請を受けてTSMCを創設したのに、「なぜ彼は他の台湾商人と同じように親中にならないのか?」と疑問を呈した。

  蔡英文政権下で、チャン氏が我が国のAPEC総統特使に選ばれたのは3回目となり、今回総統府ビデオ会議室にて今年の経済首脳会議に参加する予定だ。事実上、チャン氏と蔡英文政権の関係は非常に緊密で蔡英文総統を応援する場面も数多く見られただけでなく、何度も国家式典や宴会の招待を受けているのは、TSMCのトップと言う地位と蔡英文総統との良好な交友関係から明らかである。

  これに対して、先日ネット掲示板のネット民から「モリス・チャンは中国で育ち、アメリカ留学に行き、そこで働いていた。その後台湾からの要請を受けてTSMCを創立させた。言い換えれば、モリス・チャンは半分中国人と言えるでしょう。それなのになぜ他の台湾商人のように親中にならないのか?もし彼が親中になれば、中国は国を挙げて彼を支援する事でしょう」と言う問いがあった。

  これに対し、一人の事情通が「モリス・チャンの家族は当時上海にいたが、結果として共産党勢力が上海に近づいていたため、彼の父親は先見の明があったためなのか、買ったばかりの上海の家を捨てた」と説明した。

※当時とは国共内戦が激しさを増していた戦後直後1945年~1949年までの間で1945年に重慶から上海へ引っ越してきて、1948年に香港へ逃げた形となります。

  そして続けて「家族全員で当時はイギリス領であった香港へと逃げ、その後米国ハーバード大学へ留学した後に、家族も米国へ引っ越し平和に暮らすことができた。もしあの当時香港へ逃げなければ、恐らく文革によって・・・・・」と説明した。


  はい、以上が記事の和訳でした。

台湾総統府内を蔡総統と歩くモリス・チャン氏

  途中説明を入れましたが、まずモリス・チャン氏の父親である張蔚觀氏がどんな人物だったのかを簡単に知る必要があると思います。大東亜戦争時の中国には2つの勢力があり、中華民国の中国国民党勢力、蒋介石チームと共産党勢力、毛沢東チームが存在した訳であります。で、モリス・チャン氏の父親は国民党側の人間であり、今の寧波市の財政処長を務めておりました。1931年、モリス・チャン氏は現在の寧波市にあたるところで生まれました。その後、張一家は南京、広州、香港、重慶などへ当時の日本軍からの戦火を逃れるために引っ越しをしておりました。戦後、上海に引っ越し、家を購入した後すぐに、国民党と共産党が内戦を始め、結局国民党の情勢が不利になっていると判断し、当時イギリス領であった香港へ引っ越すことを決め、その後は記事にある通り米国で生活をするようになりました。

  つまり、モリス・チャン氏の父親は中国国民党側の人間であり、モリス・チャン氏自身も若かりし頃は台湾とは、なんら関係がなかった人物であります。また記事内にも出たように父親は中国国民党政権下に役人であったことから、つまりは中国人と言っても良い人物なのであります。しかし、だからと言って、それだけの理由で親中だとか中共とズブズブの関係だ、青幫一味だ、浙江財閥だと関連付けるのは非常に短絡的であります。1986年にTSMCを創設するまで、人生の大半を米国で過ごしたモリス・チャン氏の背景を見ないで、出生地と戸籍が浙江省であるという理由だけで中共とズブズブだといっているようなものです。先程も説明した通り、元々は中国国民党と中国共産党の内戦で国民党側にいた人間であるため、共産党に入党したとか、そういう話は今の所見聞きしておりません。

  ただ、確かにTSMCは中国にも工場があるし、2019年のTSMCの財務諸表を見てもファーウェイが売り上げの14%を占めて大きな額が動いているので主要顧客であったことは間違いありません。トランプ政権下でファーウェイに対する実質の出荷停止措置は、TSMCに大きな影響を与えたとも言われています。
  また自動車用チップが不足している現状は、生産ラインがITや5G関連のためチップ生産があるためにフル稼働のようで、日本の自動車産業をターゲットに嫌がらせしている訳ではなさそうです。ファーウェイへの出荷停止があったものの、それでも利益は出ているのかもしれませんね。実際にTSMCの株価は過去最高額を記録するなど、好調だという見方が強いようですし。

  ちなみに、TSMCはファーウェイがチップ技術を盗むために創業された会社だと主張する人物がいますが、李登輝元総統のインタビュー記事をみてもわかる通り、李登輝元総統が総統在任中に、政府がバックアップをしてできた会社ですし、当時はまだ国民党は中共に対抗する姿勢でしたので、一部の私利私欲にまみれた人を除き中共は敵であるという考えの下に設立された会社であるのは間違いありません。その後中国が経済発展し、情勢は変わったものの、果たして現在の所TSMCは親中企業なのかというと、記事にあったように創業者モリス・チャン氏に関しては中共とズブズブの関係だと言うのは少々強引というか決定打にかける主張かと思います。自身の主張を弁護するために、創設時の事実を歪曲して「TSMCはファーウェイがチップ技術を盗むために創業した会社だ」と主張するのは、自身の主張に誤りがあるもののそれを認めたくないために歪曲したのだと、邪推してしまいます。


  今回TSMC創設者のモリス・チャン氏について解説してみましたが、彼は経済界でとてつもない重要な地位を占める会社にしただけでなく、今や半導体は国家安全保障に係るくらい重要な戦略的物資となっているので、政治、特に国際政治にも大きな影響力を持つ人間であるからして、相当なやり手だと考えられます。ですので、彼及びTSMCという会社との付き合いには注意が必要であることは間違いありません。

  今回ブログを作った目的と言うのが、ネット社会に蔓延る「根拠なき」TSMC批判があるという点でございます。台湾事情やIT事情を知らない人に対して無闇に「中共とズブズブだ」とか「日本の産業を潰そうとしている」というような不安感に駆られるような発言をして、自身の著書や有料メルマガを購入してもらおうとする影響力のある人物がいることに最近いら立ちを感じております。もちろん仮にTSMCが本当に親中的であるという確固たる証拠が出たのであれば、批判しても当然だと思います。例えば台湾にある大手メディアの「中国時報」及びその親会社である「旺旺集団」は所謂本省人と言われる蔡衍明氏によって創設された大企業でありますが、中共で商売が大成功し、巨万の富を得たものの中共から多額の資金援助を受けているたことも明るみになっております。ですので、こういう台湾企業については私も「人民日報台湾版と言われる中国時報」と言う感じで中国時報や旺旺集団の事を強く批判しております。

  ただ、TSMCについては、中国と大きな額の取引があったことは間違いないのですが、中共の資金が投入されているなどは財務諸表を見てもないし、ニュースでも聞きませんし、反中共の色が強く反映されている現在与党の蔡英文政権との良好な関係を見ると、現政権及び米国を裏切ってまで中共と手を組むというのは、可能性としては低いと考えております。もちろん、TSMCも商売人ですので、企業が存続できるよう100%台湾政府や米国政府に頼っているということは無く、中共とのコネも持ちながらという姿勢だと思いますが、青幫だの浙江財閥だの、確定できない抽象的な言葉を用いて「中共脅威論」を振りかざして、日本ネット民に不安感を与えるような主張はいただけないと思っております。

  最後にもう一度述べますが、私は日台友好を強く求める人間ですが、だからと言って「無条件に台湾の要求を受け入れろ」とか「盲目的に台湾を信じろ」というつもりは全くございません。こういうのを言わないとなぜか、「八度妖は日台友好を掲げて、盲目的に台湾を信じろと言っている」と言われるからです。いやいや、実際の人間関係でもいくら兄弟だとしても、自分の預金通帳とハンコを何の説明も受けずに兄弟に渡すなんてことはしないと思います。日本と台湾の関係も同じで、「中共」という大きな敵を前にして肩を組んで立ち向かわなくてはならないのですが、だからと言って盲目的に信じるのは愚かだと思っております。

2021年2月8日 編集・翻訳(八度妖)

YouTubeでも解説しています。