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TSMC創設者モリス・チャン氏:戦争になれば全て壊滅する

米国メディアCBSのTV番組「60ミニッツ」で、中国による台湾に対する武力威嚇はTSMCがあるから台湾への攻撃を免れている等のテーマを取り上げ、TSMC創設者のモリス・チャン(張忠謀)氏を含むインタビューを行なった。チャン氏は番組内で、目標が経済福祉であれば、もしかすると自制して武力行動を起こすことはないかもしれないと語った。

報道では、1949年に毛沢東が中国全土を掌握した後に、中共は絶えず台湾は中国の一部だと宣伝し、アメリカもずっと1つの中国の政策を取っており、台湾とは特別な関係を維持していると述べた。但し、米中台関係は最近大きな変化が見られ、アメリカ下院議長のペロシ氏が台湾を訪問後、中国が軍事行動としてミサイル発射するなど、中国がいつでも台湾を落とせると宣伝し始めたがこれに対しアメリカのバイデン大統領は台湾を守るとも発言した。

報道では、台湾は世界で唯一最小チップを製造できる半導体産業を有している国家であり、TSMCはその唯一無二の製造業者である。またアップル社やPCメーカー、自動車部品などの産業に至るまでの中国国内に存在する企業もTSMCに依存している。

司会者のLesley Stah氏はTSMCの創設者で91歳になるチャン氏にインタビューを行ない、台湾人はなぜ半導体産業が所謂シリコンの盾(またはチップの盾)になり、中国指導者である習近平氏による台湾攻撃から守れると考えているのか?と質問した。チャン氏は、これはTSMCが世界の多くの国家にチップを提供しており、もし攻撃の最終的な狙いが経済福祉であれば、自制して武力行動に走ることは無いことを意味するかもしれないと答えた。

Lesley Stah氏はまた、もし最重要任務が台湾侵略であれば、1つの中国の原則の下、TSMCは国有企業になるのか、それともどうなるのか?と質問すると、チャン氏は、もし戦争になれば、すべてが壊滅する、と答えた。

報道では、中共は台湾統一後も現状を維持することを保証するとしているが、香港返還後の中共の動きを見ると、それは成り立たないことが証明されている。蔡英文総統は就任後、台湾の民主と国民の生活を絶対に守ることを再度強調している。報道ではまた李喜明 元国防参謀総長と民進党議員の王定宇市などもインタビューを受けていた。

2022年10月11日 編集・翻訳(八度妖)

※基本的に自由時報の記事を翻訳しましたが、それ以外にも他のメディアの記事も織り込みながら訳しているので原文”のみ”と比較すると差異が存在すると思います


Web管理者感想

楽観的にこの記事を読めば、TSMCやUMCなどの半導体製造ファウンドリ、そしてその関連企業が台湾に本拠地を置いている限り、習近平氏が合理的な判断をできるのであれば、台湾侵略は起こらないと考えても良いと思いますが、ロシアのウクライナ侵略を見ても分かる通り、独裁者は合理的な判断が出来ないことがあるので、楽観的に考えるのは危険だと思います。しかし影響力もほとんどない私のような一市民は、心配しても何かが変わるわけではないので、輿論に影響力を与える言論人・インフルエンサーに声を上げてもらえるように絶えず情報を発信していくことが大切なのかもしれませんね。

またチャン氏のインタビューで興味深かったのでは、もし戦争になればすべてが壊滅状態になるという点でしょうか。恐らくこれは台湾のTSMCの工場が仮に物理的に無傷で人民解放軍に占拠されたとしても「人」がいないと作ることができない、ということだと思います。私が感じたことは半導体製造は超高度な技術・情報・設備などなど、どれ一つでも欠けたら製造できないほど複雑なモノであるということでしょうか。複雑な事象を単純化して分かりやすくすることは大切なことですが、だからと言って、その単純化した話を例に挙げながら、浙江財閥や青幇(チンパン)が台湾経済を牛耳っている、TSMCは中国企業で人民解放軍に技術を流している、などというような陰謀論的な話をするのは「妄想」と判断するしかないですね。

いずれにしても現実に目を向けると、日本の野党も与党もお互いの足を引っ張ることをせずに、台湾有事を起こさないための立法(例えば日本版台湾関係法の制定)を行なってほしいものです。

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