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台湾で使われてる言葉って何?中国語じゃないの?

皆さん台湾で使われている言葉は何語かご存じでしょうか?
今日は言葉、について解説したいと思います。

ちなみに答えは、中文と台湾語、客家語、原住民族の言葉となります。

あれ?中国語じゃないの?北京語じゃないの?閩南語じゃないの?という声が聞こえてきますね。

勿論、それも正解と言ったら正解とも言えるのですが、このブログの目的は台湾の真の独立や建国を目指すことですので、それに共感してくださる気持ちがあるのであれば、間違いだということになります。

では解説に参ります。本当は面白おかしく書ければ良いのですが、ちょっと高校大学の教科書みたいに眠たくなる感じになっちゃうと思います。

台湾は日本とは違い多言語社会であるので、まずはその言葉の体系から説明して、そのあとその名称について解説しますね。
ただ、その際、第一公用語、第二公用語というように呼ぶと政治的な思想によって第一の方が優れている、メインであるというような気持にもなるので、ここでは、そういう表現は敢えて避けたいと思います。

まず、一番多く使われているのは、日本語では「中国語」と言った方がイメージしやすいと思います。2番目に多く使われているのが「台湾語」、三番目に客家語、その後昔は高砂語と言われた23ある原住民語となります。ざっくりとした説明ですので、細かい説明は省略させていただきます。

さて、その中国語ですが、繁体字中国語と簡体字中国語というように分かれているから、繁体字中国語でも良いんじゃないか?という声があるかと思います。しかし、私、個人的にはあまり使いたくないというのが現状です。なぜならその名前から「中国」をイメージさせてしまうからです。ただでさえ、台湾は中国の一部だと勘違いしている日本人が意外と多い中、台湾は中国語を使っている、と言ったら「あっ、中国の一部なんだ」というイメージを持ってしまう可能性があるからです。それを避けるために、どのような単語を使えばいいのか?と考えた時に、最も「中国」というイメージを持ちにくそうな単語が「中文」だと思う訳であり、それを正解とさせていただきました。

もう一つ「華語」、「台湾華語」というものも最近では目にするようになりましたし、台湾政府が留学生向けに案内しているのが「台湾華語」という単語ですので、これを正解としても良いかと思うのですが、冒頭で述べたように私は台湾独立・建国を望んでおり、それに賛同する人を少しでも増やしたいという思いがあるので、あえて不正解とさせていただきます。その理由として、この「華」という漢字ですね。これがちょっと曲者。中華、華人などのように中国とはちょっとは違うイメージを持つかもしれませんが、何となく中国っぽいイメージもある単語だと思います。では、これを英語に訳したらどうなりますか?チャイニーズですよね。この「華」という漢字そのものがチャイナ感満載ですので、あまり使いたくないというのと、話し言葉などで「かご」と言ってもピンとこないケースがあるから正解にしませんでした。
また、やってはいけないパターンとして「北京語」、そして「普通話(ぷーとんふあ)」という単語ですね。これは中華民国ではなく、中華人民共和国、完全にあちら側のイメージしかないものなので、そんな単語を台湾に当てはめるのは、大変失礼に当たると思う訳です。もちろん一部の人間は喜ぶかもしれませんが・・・・

また日本人で知らない人も結構いますが、漢語という呼び方や国語という呼び方も存在しています。前者は、あちらの国でしか使われない単語なので、無視して構わないのですが、厄介なのが「国語(グオユー)」という単語。これは台湾人の中でも結構使う人が多いのですが、国語って日本にも存在していますよね。つまり国の言葉ということであるので、政治的な要素を入れて考えると、極めて不適切なんですよ。台湾という国が存在するかしないかという議論はさておき、国の言葉という事に関しては、戦後蒋介石率いる国民党がやってきて、徹底的に台湾語と日本語、その他言語の弾圧を行ない、所謂中国語の普及を徹底的に行い、勝手に国の言葉にした訳ですから、国の言葉、則ち中国の言葉、というふうに捉えられるため、国語も使わない方がよいと私は考えます。もちろん「台湾人が国語と言っているから国語と呼んでも良いんじゃない?」という考えも、言論思想の自由が認められている日本や台湾ではありなのかもしれませんね。

さて、ちょうど、ここで戦後蒋介石率いる中華民国政府が徹底的に台湾語などの言葉を弾圧したということに触れました。これは中華民国政府による台湾統治は正当なもので、中華民国人たるもの中国語を話さなければならない、憲兵や秘密警察が理解できない言葉を話すのはケシカランという狙いもあり、台湾語などを徹底的に社会から排除する目的の弾圧でした。その際に、台湾語を中国の一地方である閩南、現在の福建省一帯の方言である、つまりはその方言を使う台湾も中国の一部であるという主張を正当化するために台湾語ではなく、閩南語という言葉を普及させました。

つまり閩南語という単語は、「台湾は中国の一部」という中国人の主張が含まれている単語であるため、私はなるべく閩南語というものを使わないようにしています。
そして何より、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する国会図書館で蔵書検索をしても、閩南語という言葉は1957年に初めて出てくるわけで、それ以前は、台湾総督府発行の書物でも「台湾語」が使われていたため、「閩南語」は元々存在した単語を否定する単語であると私は考えるわけです。

ちなみに言語と方言の境目ですが、「相互理解可能か?」という点にあるようですが、これって、個人の能力、そして個人の環境に大きく左右されるものですので、線引きが非常に難しいと思います。日本国内で例を挙げると、大阪弁、京都弁は恐らくテレビなどで頻繁に耳にするので相互理解は問題ないでしょうが、バリバリの鹿児島弁や津軽弁といったような言葉は、恐らく理解できる人は少ないと思います。

例えばこれです。理解できましたか?殆どの方が何の話題について話しているかさえ理解できていないと思います。

では、相互理解ができないから鹿児島弁や津軽弁は言語か?と言ったら方言だと答える日本人が殆どかと思います。ではなぜ言語ではなく方言なのか?と言うと、もう一つの境目として「陸軍と海軍を備えた方言」という定義があるからです。

薩摩地方が自衛隊とは異なる軍隊を持っていれば、それは薩摩語という言語として扱っても問題ないと思いますが、実際は薩摩軍なんて幕末の一時期存在したくらいで、現在はそんなものがないので、鹿児島弁はあくまでも方言だと言って問題ないわけです。そのため、沖縄弁も相互理解ができないにしても、独自の軍隊がないため、方言と考えてまったく問題ないわけです。

これとは逆のケースで北欧のデンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語が相互理解が出来る言語とされているけど、方言ではなく、言語として扱われている点も挙げなければなりません。

では、話を台湾に戻すと、人民解放軍と台湾の軍隊は同じか?と言ったらまったくの別物、むしろ敵対関係にある軍隊ということになるので、福建省の人と台湾人が相互理解できたとしても、方言とするのはまったくの誤りです。ただ、台湾は戦後中華民国政府に不当に統治されているという現状があるので、大東亜戦争で日本が戦った中華民国の上層部や大量に流れ込んできた所謂外省人1世の人たちは、台湾語は方言だと考えているはずです。

※1996年の民主化を境に、その後の台湾を「新生中華民国」のような感じに分けるべきだと考えます。

ちなみに台湾語は、閩南語と呼ばれる以外にもホーロー語と呼ばれることもありますが、こちらも福建省一帯で使われている言葉という意味があるし、使う人があまり多くないので私は使いません。それと、食べ物のことしか考えてない食いしん坊の私にはホーロー鍋しか頭に浮かんできません。


結論

英語を考えてみればわかる通り、アメリカでは英語が話されています、と述べても、誰も「あっ、アメリカはイギリスの一部だ」だなんて思いませんし、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドだって英語が話されているけど、それぞれ国連にも加盟している独立国家だということを知っているはずです。
ですので、所謂中国語に関しては、中国が「台湾は中国の一部である」という主張をしている限り、たぶん台湾が何らかの形で国連に加盟するまでは、極力使うのを避けたい単語だと思っています。それまでは中文というあまり中華人民共和国っぽいイメージを持たない単語を使うのが宜しいかと思います。

但し、台湾語を閩南語と呼ぶことに関しては、既に解説したように日本統治時代には既に台湾語であったのに、戦後蒋介石率いる中華民国政府が新たに閩南語なる単語を作ったという経緯があるので、彼らの台湾統治を正当化しようとしていることを支持している一面も持っている、と私は考えます。ですので、台湾は台湾である、と考えるのであれば閩南語なんて単語は使わずに、素直に「台湾語」と言うべきですね。
もちろん、こういう歴史的な背景を考えずに閩南語という言葉を使っている人もいるので、それだけを切り取って「あいつは中華脳だ!」とレッテルを貼るのはおやめください。皆が皆、政治や歴史を意識して生活している訳ではありませんので。

2022年9月21日 編集・翻訳(八度妖)

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