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台湾 深田萌絵

深田萌絵さんの”台湾デマ”に物申す!

今日は深田萌絵さんというファーウェイの危険性に対して警鐘を鳴らした著名人に関する内容となります。ちょっと批判的な内容となるため、そういうのは苦手だと仰る方は、別のサイトをご覧いただいた方が良いと思いますが、台湾好きとか台湾に興味ある、と仰る方は、時間のある限りご覧ください。

さて、この深田萌絵さんですが、肩書をITビジネスアナリストと言うだけあって、ITに明るいと言われております。そしてその知識を活かして、中共によるAIや5Gに潜む危険性についての書籍を出しており、一部の人からは非常に熱烈な支持をえており、SNSではフォロワーを数多く有する所謂インフルエンサーだとも言えると思います。そんな深田さんですが、台湾に関する情報だけは、眉つばものが多い、もしくは邪推なのですが、日台分断を図ろうとしているのではないか?と思うくらいの事実誤認も甚だしい発言もありましたので、今回簡単ではありますが、ご紹介したいと思います。

まず、1つ目
11月3日に配信された「ANAやJALも危機?世界の航空産業壊滅のなか利益を出す台湾企業」というタイトルの動画ですが、これが非常にミスリードとも印象操作とも言える内容でした。

この動画の内容を簡単にまとめると、タイトルのように世界の航空業界の業績が大赤字の中、台湾大手2社、中華航空とEVA航空だけが黒字であると言う事を述べております。これは確かに黒字という事実はありますが、なぜ黒字なのか?と言う点が全くのデタラメ。貨物部門での稼ぎが大きかったために黒字になったのですが、彼女曰く台湾と中共の貿易額が増えているデータを見て台湾から中共への製品輸出が増えたから中華航空とエバー航空が黒字だ、つまりは台湾と中共がグルになっている、というものでした。

いえ、完全に違います。

まず台湾と中共の貿易額が増えているという点においては、そのとおりで増えておりますが、その中には米国に実質制裁を加えられたファーウェイ向けの台湾半導体の駆け込み需要による取引も入っている訳で、ただ単に数字だけ見て台湾が中共とグルになっていると判断するのは非常に危険だと考えます。
ちなみに業績が落ち込まなかった最大の要因はリモートワークなどに必要なIT関連の出荷が非常の多かった事も上げられ、また中国向け以外にも日本向けや米国向けもプラス成長しているわけで、輸出額が増えた=中共とグルになっていると発言するのは宜しくないと考えます。

経済部(経産省に相当)情報サイトより
https://www.trade.gov.tw/Pages/List.aspx?nodeID=1375
また、台湾の航空会社2社の黒字の原因は、まずは半導体を含む電子部品や製品の輸出が多くなったことによる輸送量増加であり、もう一つは政府主導で行われているマスクや疫病関連の医療物資を発展途上国などへ支援する際に中華航空などが利用されたことであります。つまりは、会社全体のトータルの業績の数字ばかりが注目されておりますが、内訳とその背景を見ると台湾の航空会社2社の旅客部門に関してはANAやJALと同じく大赤字であるのには変わりありません。それを伝えずに、ただトータルの数字を見て「黒字なのは中共とグルになっているからだ!」と大きな影響力を持つ人が言うのは非常に宜しくないと考え、前々から物申そうと思っていたものの、なかなか出来ませんでしたが、今回、我慢の限界が来てしまいブログを書いている訳であります。

またこのブログの意図として彼女の人格を傷つける意図はまったくなく、ただ情報の精査をお願いしたいという願いであります。


他にも深田さんの台湾に関する情報には大きな誤りがあり、時には「あれ?この人、台湾の事全然知らないな」と思うような発言や、時には「あれ、この事実をこの角度から発言すると言う事は、台湾のイメージを悪くしようとしてるのかな?」という発言までありました。
簡単ですが、さらっとご紹介いたします。

まずはこれ

というTwitterの発言。現在はこのアカウントは凍結されて見ることは出来ませんが、現在のアカウントでも引き続き台湾批判をしておりますので、彼女の姿勢がぶれていないことが分かります。
まずは、ウイルスの株を取得したという点、どこからの情報なのかさっぱり分かりませんが、仮に本当だとしても、この対応は正しいと思います。仮にアフリカで未知の疫病が発生した場合、現地への調査団派遣はやったほうが良いに決まっていますし、ウイルスの株があれば分けてもらえるよう交渉するのが、衛生部、日本だと厚労省の役目だと思います。
ただ、それを情報を隠蔽して、優位に立つための手段として用いたというのは、その後の世界各国に無償で医療物資を支援する姿勢を見れば、誤りである事が分かるはずです。どこかの国は、医療物資の援助と言いながら、金銭を要求する国がありますからね。

次に日本でも有名になった台湾のIT大臣オードリー・タン氏について。

彼女のことをファーウェイのスパイだと言っておりますが、私のコンテンツでも言いましたが、オードリー氏はいち早くファーウェイを含む中共メーカーの危険性に警鐘を鳴らし、現在では台湾の政府機関では4G関連においても中共製の設備を使っておりません。それなのに、彼女の親が外省人だからというステレオタイプな判断なのか知りませんが、オードリー氏をスパイ呼ばわりしております。深田さんは何が狙いでこのような発言をしたのか、気になる所であります。

次に、香港関連ですが、蔡英文総統は実は中共と組んでいるという発言。

台湾にあるメディアの記事を引用してのツイートなのですが、この引用しているメディアというのが中共傀儡メディアの中国時報※、英語名チャイナタイムス(chinatimes)であり、常に蔡英文総統批判を行なっているメディアであります。それを引用して、更には深田さん自身の言葉も付け加えて蔡英文総統を悪くいう事は、自由民主の為に戦っている蔡総統の頑張りを踏みにじる発言かと思います。
※日本で言えば、朝日・毎日・東京新聞の恣意的な記事を引用しているイメージです

もちろん、私は、「台湾は親日なんだから無条件に受け入れろ!」とか「台湾批判をする奴は弾圧するべきだ」と言うつもりは全くありません。台湾にも悪い部分はありますし、物申したいことだってあります。しかし、今回の冒頭で紹介した航空業界における黒字のように、誤認、ミスリードで台湾を批判している事に関しては、「違う!」と声を挙げているだけであり、台湾批判をするな!と言いたいわけではない事、ご理解いただければと存じます。

あと先ほど冒頭で紹介したANAとJALは赤字なのに台湾航空会社だけ黒字の中で、看過できない発言もあった。

台湾の闇を暴けるくらいの有力な情報網を持っているのに、「中国EVERGREEN」と発言している。YouTubeの魅力の一つとして、編集時においてカットが許される、という点。しかし、この動画においては、カットをせず、また最初に「EVERGREEN」と正しく発言しているのにも関わらず、その後改めて「中国EVERGREEN」と言うあたり、わざと「中国」を付けているのではないか?と邪推してします。

さて、まだまだ深田さんの台湾に関する情報の誤りは山ほどあるのですが、ブログの内容が長すぎるので最後に一つ
2016年の発言なのですが、

台湾の人口2000万人のうち400万人が薬物中毒。小学校の給食にまで麻薬を混ぜるのが、中国共産党の戦略で云々、というもの。
これはまったくの根拠なき発言で、給食に麻薬が入ったという事件はなく、誤って入ってしまったという事例もありません。それなのに400万人が薬物中毒と、自身に影響力がある自覚がないのでしょうか。こんな事実と異なることを、鴻海によるシャープ買収を絡めるために、ありもしないことをでっちあげるのがジャーナリストとしての役目なのか甚だ疑問に思った次第でございます。

先程も述べたように深田さんのTwitterアカウントは個人情報を投稿した事により凍結されたため、紹介した発言は一部見ることが出来ませんが、台湾と日本の関係をもっと強くするべきだと考える私のような親台派の人間からすると、非常に迷惑な発言であることには変わりありません。

誤認や勘違い、知識不足による誤った情報の発信に関しては、私も恐らくやってしまっているのでしょうから、自分に甘く、他人にも甘い私八度妖ですので、多めに見るようにしておりますが、流石にここまで確信的に誤った情報を発信していたため、今回動画作成に至った次第でございますが、今回の批判はあくまでも発言内容についてであり、深田さんの人格を否定するつもりは全くございません。

初稿 2020年11月5日 編集(八度妖)
再UPLOAD 2022年9月29日 (八度妖)

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AI技術 台湾

AI技術で蘇るカラー化された国策映画「台南州 国民道場」

台湾史を知る上での資料の1つとして台湾映画協会によって製作された作品をYouTubeにアップしました。 これは台南州に建設された皇民教育の場である国民道場の様子を描いた作品となります。
撮影時期:1943年

台南州国民道場は、当時の台南州台南市桶盤淺汐見町に1941年に台南州民の体と精神、そして皇民精神を養う施設として建設が開始された。またその周りには多くの関連施設があり、大型の公民訓練地域となっていた。現在、台南市南区台南市立野球場から国民路一帯がその場所に当たる。台南州は元々このエリアに明治神宮外苑の総合体育場のような施設を建設しようとしたが、その大部分は未完成のままとなっている。その中にある忠霊塔は、台南州青年の奉仕によって建立されたものである。

上が当時の地図(下部が国民道場)、下がGoogle Map

1942年6月に国民道場は運用開始し、その施設には、大衆浴場、禊場、教室、講堂、食堂、本部、日輪舎があった。「日輪舎」または「日輪兵舎」は、円形の竹で出来た道場であるが故に「日輪」と呼ばれた。1棟が約38坪、計50人が居住していた。元々の計画として20棟を建て、1000人を収容する目標であった。訓練生は台南市各市郡の青年団員で、毎回300人を募集して1か月訓練していた。現在の竹溪禅寺会館の近くである。

写真の一番後方に三角の屋根が見えるのが「日輪舎」と呼ばれる兵舎である

台南州国民道場の周囲には合計12の施設を建設する計画があり、既存の台南市野球場、プールを含む、テニスコート、州民広場、州民道場、忠霊塔、相撲場、武徳殿、公会堂、陸上競技場、大弓場、馬場であった。第一期工事は1941年に始まり、州民道場、州民広場、相撲場と忠霊塔であり、後期工事は未完成である。(野球場とプールは中華民国時代の建設)

忠霊塔
元々は台南公園内にあった忠魂碑をその後戦争で亡くなった台南州民を祀るために台南忠霊塔として州民広場の東側へ移設した。当時の【台湾日日新報】では忠霊塔は蔡重要施設であるとされており、国民道場は「付設」という位置づけであった。1941年に完成し、最後の台湾総督安藤利吉が書いた「忠靈塔」という文字であったが、1948年「積健為雄」へと取り換えられた。

公会堂
現在市内にある公会堂は当時既に築30年以上であった。元々の計画では州民広場に収容人数3000人の台湾最大の公会堂を建築する予定であった。

1911年に建てられた台南公会堂。現在台南市指定の古跡に指定されている。

初稿 2021年3月1日 編集・翻訳(八度妖)
再UPLOAD 2022年9月29日 (八度妖)

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AI技術

白黒映像のカラー化手順

最近はAI技術を使って無料で白黒写真をカラー化するサービスが登場しておりますが、とうとう白黒映像も無料でカラー化できるようになりましたので、ここでカラー化する方法手順を記載したいと思います。

※この映像は比較的白黒とカラーの差がはっきりしていたため引用したのであって、戦争を美化するという意図は決してございません。
  1. 前提条件
  2. 手順1 カラー化できるサイトへアクセス
  3. 手順2 カラー化エンジンを起動させる
  4. 手順3 カラー化するためのプログラムを立ち上げる
  5. 手順4 いよいよ映像をカラー化する
  6. 長時間の映像のカラー化手順

前提条件

・Googleアカウントを持っておりログインしている状態である事
・PCまたはタブレットを持っている事

※スマホでも可能だが「ブラウザのPCモード」を利用する事

手順1 カラー化できるサイトへアクセス

以下のURLをクリックするか「deoldify」というキーワードで検索する

https://github.com/jantic/DeOldify

手順2 カラー化エンジンを起動させる

AIを使ったカラー化には「グラフィックカード」と呼ばれる高性能映像処理器が必要なのですが、GoogleのColabというサービスでは、誰でも無料で使えます。先程の手順1でアクセスしたサイトの赤枠「Open in Colab」をクリックします。

「Open in Colab」をクリックすると別タブでDeOldify(カラー化)エンジンが立ち上がります。

手順3 カラー化するためのプログラムを立ち上げる

技術的な部分を説明すると色々と難しくなるため、キーワードを見ながらプログラムを立ち上げましょう。

画面右上が以下のようになっている事を確認します。緑のチェックマークが無い場合はしばらく待ちましょう(5分以上変化がない場合は、ブラウザの再読み込みを行ないましょう)

画像13
ア.「Git clone and install DeOldify」に対する操作を行ないます。下の図①[!get clone https://~~] の[ ]にカーソルを当てます。

[ ] にカーソルを当てると再生ボタンのようなマークへと変わるので、再生ボタンのような部分をクリックします。

イ.ボタンをクリックすると以下のようなメッセージが表示されるので「このまま実行」をクリックします。

このメッセージは「データを読み取られても自己責任ですよ、Googleは責任取りません」という意味合いです。2021年6月11日現在、私が見た限りデータを読み取るソースコードは含まれておりませんでした。

ウ.手順イを実行すると再生ボタンがクルクルと回り、最終的に以下のような状態となります。最後の行に「done」とあれば次のステップに行きます。
※時々「done」と表示されても再生ボタンがクルクル回っている場合があるのでその場合はクルクルが止まるまで待ちます。

エ.次に「cd Deoldify」の [ ] にカーソルを当てて再生ボタンになったらクリックします。

/content/DeOldify と表示されればOKです。次のステップへ行きます。

オ.「Setup」に対する操作を行ないます。赤枠の[ ]にカーソルを当て再生ボタンが表示されたらクリックします。[ ] が [3]になったら次のステップに行きます。

カ.「!pip install -r colab_requirements.txt」という箇所の[ ]にカーソルを当てて再生ボタンになったらクリックします。長い行が表示され、最後の行に「RESTART RUNTIME」と表示されますので、クリックします。
※2022年10月現在、このRESTART RUNTIMEは表示されないようです。表示されなければ次のステップ【ク】へ進んでください。

キ.「ランタイムを再起動してもよろしいですか?すべてのローカル変数を含め、ランタイムの状態は保存されません。」と表示されるので「はい」をクリックします。
2022年10月現在、この手順は不要のようです。表示されていれば「はい」をクリックしてください

ク.画面上方にある「cd Deoldify」の [ ] にカーソルを当てて再生ボタンになったらクリックします。/content/DeOldify と表示されれ、且つ[ ] が [1](または再生ボタンのまま)へと変われば OKです。次のステップへ行きます。

ケ.再度「#NOTE: This must be the first call in order to work properly!」という行の[ ] にカーソルを当てて再生ボタンが表示されたらクリックします。[2](または再生マークのクルクルが停止)になったら次のステップに行きます。

ケ.以下
[import fastai]
[!mkdir ‘models’]
[!wget https://~~]
[colorizer = get_video_colorizer()]
に対して1つずつ [ ]にカーソルを当て再生ボタンになったら クリックして [数字]になったら下の項目の[ ] へカーソルを当て再生ボタンをクリックという操作を行ないます。

所要時間の目安として
[import fastai] (すぐ完了)
[!mkdir ‘models’] (状況により数分かかる)
[!wget https://~~] (すぐ完了)
[colorizer = get_video_colorizer()](状況により数分かかる)
となります。

コ.最終的にこのように表示されます。
※[ ]内の数字は場合によっては[4][5][6][7]になっている場合があります

手順4 いよいよ映像をカラー化する

手順3でカラー化する準備は整いました。これからクラウドストレージ内にある白黒映像またはYouTub、DailyMotionやニコニコ動画にある白黒映像のURLをメモしておきます。

※注意 およそ20分を超える映像は本編で紹介した方法では失敗する可能性があります。

ア.「source_url」に白黒映像のURLを貼り付けます。そして②のwatermakedのチェックを外し、③の [ ] にカーソルを当てて再生ボタンになったらクリックします。

イ.再生ボタンがクルクル回っている間はカラー化処理をしています。下部赤枠は進捗状態。処理が完了するおおよその時間も表示されます。

ウ.進捗状況が100%になっても再生ボタンがクルクル回っています。その場合は、カラー化された映像が表示されるか進捗バーの下部に
「Video created here: video/result/video.mp4」と表示されるまで待ちましょう。カラー化された映像が表示される場合は、右下の点3つをクリックして「ダウンロード」をクリックするとPCにダウンロードされます。

エ.もし「Video created here: video/result/video.mp4」と表示されたのに、カラー化された映像が表示されない場合は、画面左側にあるフォルダアイコンをクリックします。

オ.「DeOldify」→「video」→「result」フォルダを展開し「video.mp4」を右クリックして「ダウンロード」をクリックするとダウンロードが始まります。

カ.「video.mp4」の右側に円グラフのようにオレンジで進捗状況が表示されます。

キ.通常は「ダウンロード」フォルダーや「ドキュメント」フォルダーにダウンロードされたファイルが格納されているはずです。

続けて別の白黒映像をカラー化する場合は、手順4「ア」から行なってください。数時間経過した後にカラー化する場合は、最初からやり直してください。

それでは、カラー化された映像をぜひお楽しみください!

長時間の映像のカラー化手順

しかし上述の方法では、さまざまな制限があるため、長時間(主観的ですが20分以上)の映像をカラー化すると失敗する可能性があります。長時間の映像をカラー化する方法は以下Webサイトで有料(500円)で公開しております。

https://note.com/asianews_ch/n/n39a2ab6f0bc9/

初稿 2021年6月14日 編集(八度妖)
再アップロード 2022年9月29日 (八度妖)

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台湾

台南幇って何? 如何に成り立ったのか?秘密結社に非ず

「台南幇」が秘密結社だと不思議なことを言うITビジネスアナリストがいるが、それは全くのデタラメだ。「台南幇」は確実に存在するものの、秘密結社ではなく、セブンイレブン、スターバックス、ミスタードーナツ、イエローハット、無印良品、ヤマト運輸など幅広く事業展開している台湾の優良企業「統一企業(台湾株式市場TPE: 1216)」をメインとした企業の集まりであり、公然となっている存在である。

以下は台湾経済部(経産省に相当)工業局に記載されていた文章を中心に私なりにまとめたものである。


一般人にとって「台南幇」とは抽象的な概念であるが、本当の台南幇のメンバーから言わせると、明確な脈絡の発展だけでなく、関連企業にも明確な立ち位置というものが存在する。呉修斉※1が父親について行き、侯雨利※2が経営する新復興布行で働き始める時から序曲が展開し、その後呉修斉と弟の呉尊賢が別の新和興を創業し、16歳の高清愿が新和興に児童労働しにやって来たことから台南幇の関係人脈につながっていく。
侯雨利は早い頃から布生地屋を経営し、稼いでおり、当時台南市の布生地業界でトップであった。その後政府が紡織会社設立申請を開放したため、侯雨利の資金、呉三連の政治的人脈、呉修斉の経営能力を起訴として台南に紡織会社が設立した。これ以降、台南紡織は台南幇の旗艦事業となり、また台南幇を代表することになった。また台南紡織の収益、関連人物による手厚い共同投資、事業の拡大により、次第に台南幇の関連事業になっていった。

※1 現在台湾最大グループである「統一企業」の初代董事長
※2 台南紡織出資者の1人

台南幇の主要な事業には、台南紡織、坤慶紡織、環球コンクリート、太子建設と統一企業が挙げられるが、20年前の急速な発展により、台南幇は急速に成形されていった。但し民国77年(1988年)から呉三連、侯雨利、侯永都が相次いで亡くなった後に、台南幇は初めての世代交代が進んでいき、呉修斉は同時に台南紡織、太子建設、統一企業の董事長(会長に相当)に就任し盟主の地位を確実のものとした。
この後、台湾経済が急速に発展するにつれて、台南幇は伝統的な食品、紡績、建設会社から国際化、更なる多角化を展開していき、産業の多元化だけでなく、伝統産業から金融までカバーするようになった。

「台南幇」という言葉が定着し始めたのは、民国72年(1983年)1月の《天下雑誌》にて特集となった「藍色(国民党)の中で育った巨人企業ーー台南幇」で報道された後に、工商的な性質を持ったメディアの記事で使われるようになった。「台南幇」には地域的な意味として「台南」と「北門」※3が隠されているが、「台南」や「北門」と関係する企業は台南幇のメンバーでない。例えば北門地区出身の東帝士企業集団の陳由豪総裁、府城出身の奇美実業集団の許文龍氏は台南幇には含まれない。

※3 日本統治時代に設置された台南州の北門地区出身のメンバーが台南幇の主要メンバーであったため、北門の意味も含まれている

経済部工業局の公式サイトにある資料は以下の通り(中国語のみ)
https://www.tipo.org.tw/TC/about_textile_3_in.aspx?id=10695&chk=c42ee2df-348d-4fa6-9a99-5fb9e50ffe2b&param=pn%3D97%26key%3D

初稿 2020年8月25日 編集・翻訳(八度妖)
一部修正 2022年9月29日 (八度妖)


Webサイト管理者コメント

簡単に言ってしまえば、台湾の街中で見かけるセブン-イレブンやスターバックスと言った企業を経営しているのが統一企業で、台湾では誰もが知っている大企業である。その統一企業は台南幇のメンバーであるが、あるITビジネスアナリストのデタラメな主張により、台南幇も「青幇(チンパン)」」と同じように秘密結社の一つだと思われているようだ。しかし、「幇」は確かに秘密結社的なイメージを持っているものの、日本で「組」がヤ〇ザの組織と思ってしまうのと同様で、ゼネコンにも〇〇組という社名があるように、「〇〇幇」のすべてが暴力団や秘密結社という訳ではないこと、注意していただきたい。

もし統一企業が秘密結社や暴力団であれば、話好きの台湾人の格好の話題のネタとなっているであろうが、そのようなニュース記事はもちろん、電子掲示板でも見かけることができない。ちなみに統一企業は台湾株式市場に上場している優良企業であり、IR情報等を見ればわかるとおり、闇社会との取引は行なっていないとされている。

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ニュース 中共

豪州研究所の最新世論調査:3/4の豪州人、中国の軍事的脅威ある

ロイターの報道によると、豪州外交政策のシンクタンク「ローウィー国際政策研究所(Lowy Institute for International Policy)」が毎年行っている世論調査で、豪州人は、国際情勢の関心がCOVID-19や気候変化に対する懸念からロシアと中国に対するものへと変わっており、3/4の回答者が中国を軍事的脅威ある国と認識しており、豪州人にとって最大貿易相手国の中国への評価が急速の下落している事を反映している。

ローウィー研究所は3月に2000人の豪州人に対して調査を行ない、92%の回答者がロシアのウクライナ侵略に対して懸念を示しており、87%が中国とロシアが協力し合うことを懸念していることが分かった。ローウィー研究所の世論調査主任であるナターシャ・カッサム(Natasha Kassam)氏は、「ロシアのウクライナ侵略はオーストラリア人の自身の安全と地域に関する視点を大きく揺さぶった」と述べている。」

ローウィー研究所の調査では、4分の3の回答者が、今後20年以内に中国は豪州にとって軍事的脅威ある国になる可能性が「やや高い」または「非常に高い」と考えており、前回2018年の調査より29ポイント高くなった。これは、5年前には、多くの豪州人は中国は「経済パートナー」と捉えていたが、現在は「安全保障上の脅威」へと変化したことを反映している。

最新の調査では、88%の豪州人が中国の太平洋島嶼国に建設しようとしている軍事基地の可能性を懸念しており、多くの豪州人は豪州は太平洋地区に支援するべきだと考えており、災難援助支援は93%、ワクチン援助は86%、経済発展の協力は84%、中国の影響力を食い止める事は82%であることが分かった。

つまり3分の2に近い豪州人が、米国と中国間で台湾に関する軍事衝突が起き、重大な脅威になりうると考えており、昨年よりも12ポイント増えた。そして42%だけがCOVID-19が重大な脅威と考えており、昨年よりも17ポイント下落している。

カッサム氏は、豪州新政府は国防予算を増やし、中国とロシアに対して強硬な政策を取ることに国民が支持している事が分かったと述べた。

豪州新総理のアンソニー・アルバニージ氏の5月の就任以降、豪州近隣国家のソロモン群島と中国が安保協定を結んだことを懸念している。中国駐豪州大使は豪州新政府に両国の関係を改善するよう呼びかけた。

豪州と中国の最近の関係は悪化しており、キャンベラ当局はCOVID-19の起源を調査するよう求めたことに対し、豪州の電力資源、農業などに関係する製品の輸入を禁ずるなど北京当局による両国の貿易関係に対する経済報復を行なわれるようになった。

2022年6月29日 編集・翻訳(八度妖)
2022年9月29日 再UPLOAD

Web管理者感想

今回、民進党支持者の購読者が多い「自由時報」の記事をベースに翻訳・編集したのだが、ダウジョーンズのニュース記事を見ると

「中国が台湾を侵攻した場合、豪州軍が防衛に関与することに賛成する豪州人が51%」という項目があったのだが、自由時報が参照とした元ネタのロイターにはこの部分が記載されていなかったのか、はたまた記載はあったが自由時報記者が翻訳しなかったのかは不明だが、非常に気になった。

通常であれば、過半数が台湾防衛に関わることを支持するという世論調査は大きく取り上げられるはずなので、恐らく前者だと考えられる。ちなみに記事は以下のような感じ。

「Most Australians expect China will pose a military threat to Australia in future and a slim majority would support the involvement of Australia’s defense forces to defend Taiwan in the event of a Chinese invasion, an annual poll by Sydney-based think tank the Lowy Institute found.」
(シドニーに拠点を置くシンクタンク、ローウィー研究所が毎年行っている世論調査で、オーストラリア人の大半が、将来的に中国がオーストラリアに軍事的脅威をもたらすと予想しており、中国が台湾に侵攻した場合、オーストラリアの国防軍が台湾を防衛することを支持する人が半数を少し超えていることが明らかになった。)

「It found 51% of Australians would favor the country’s military supporting U.S. intervention if China invaded Taiwan, an eight-point increase from 2019 when the question was last put to respondents.」
(それによると、中国が台湾に侵攻した場合、同国軍が米国の介入を支援することに賛成するオーストラリア人は51%で、前回回答者に質問を行った2019年から8ポイント増加したことが分かった。)

米国の軍事介入を支援する否かは最終的には政府トップが決める事だが、国民の声というのも非常に重要であるため、現在の豪州は正しい方向に向かっていると私は感じた。

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中共

スパイ?中国共産党員のいる日系企業リスト

2020年12月12日に英国及び豪州メディアが中国共産党党員195万人分の名簿が漏洩したというニュースが報道されましたが、その名簿を入手したので見てみたところ、多くの日本企業内に党員がいることが分かりましたので、名簿内の情報をここで公開したいと思います。

注意点:あくまでも漏洩されたと言われるデータベースの中から日本企業と思われる情報を抜き出しただけであり、情報内容が正しいか否かについて、党員がスパイ活動しているかは不明です。

↑ ↑ ↑
画像をクリックすると
スプレッドシートへ飛びます

CSVファイルはここから

TSVファイルはここから

※ダウンロードしてCSV、TSVファイルをそのままExcelで開こうとすると「文字コード」の関係で文字化けする可能性が高いです。一旦CSVファイルを右クリックして、メモ帳で開き、名前を付けて保存を実行する際に、画面下部の
「文字コード:UTF8(BOM付)」に変更してから保存してExcelで開くと文字化けしないと思います。


調べて欲しい企業名がありましたら、コメント欄にコメントを残していただくか、Twitter @asianews_ch へDM下さい。もしヒットした場合は上記スプレッドシートへ反映させます。

中国で使用されている漢字は「簡体字」と言われるもので、台湾や香港で使われている漢字は「繁体字」と言われます。中国現地の社名を簡体字にしてからお知らせいただくとありがたいです。簡体字への変換については 以下のページをご利用ください。

日本の漢字を簡・繁体字へ変換するサイト
https://www.jcinfo.net/ja/tools/kanji

初稿 2020年12月17日 編集翻訳(八度妖)
一部修正 2022年9月28日(八度妖)


更新履歴

12/18 シャープ 126名追加(日本企業と言って良いか不明だが、元日本企業ということで・・・)
12/18 NTT 34名追加
12/18 ヤマハ発動機研究開発 13名追加
12/18 リコー 121名 追加
12/18 ニプロ 6名追加
12/18 ナブテスコ 10名追加
12/18 帝人 17名追加

12/19 小糸 145名追加(参考サイト https://www.marklines.com/cn/top500/koito-manufacturing)
314名の可能性もあるが、小糸商務、小糸離退、小糸人事、小糸新工廠等の為除外
12/19 古賀電機 5名追加

12/21 キヤノン 28名追加
12/21 エプソン 4名追加
12/21 京セラ 47名追加
12/21 菱商(三菱商事系) 10名追加

12/22 氏名の一部を公開
12/22 資生堂 31名追加
12/22 コーセー5名追加
12/22 東レ 19名追加
12/22 東洋電装 28名追加
12/22 ブリヂストン 8名追加
12/22 藤倉 66名追加(グループ会社に藤倉航装あり)

12/23 ソニー 5名追加
12/23 いすゞ自動車 6名追加
12/23 スバル 14名追加
12/23 IHIインフラシステム 15名追加
12/23 本田技研 16名追加
12/23 ミネベアミツミ 6名追加
12/23 愛知製鋼 55名追加
12/23 協和発酵 16名追加

12/24 モリタ製作所 1名追加

12/29 TSIホールディングス 5名追加 沿革に「2007年上海東京時装商貿有限公司設立」と記載有

検索してヒットしなかった企業名(五十音順)

艾杰 (IIJ)
艾欧 (アイ・オー・データ)
信响通信 (アイコム – 無線)
旭化成
旭履鞋业 (アサヒコーポレーション – 靴)
麻生
安满能 (アマノ)
安立 (アンリツ)
石播,石川岛 (IHI系)
出光
艾杰旭 (AGC – 旧 旭硝子)
NHK (日本广播协会)
都客梦 (NTTドコモ)
宜丽客 (エレコム)
欧智卡 (大塚商会)
岡本
沖电气
奥林巴斯 (オリンパス)
卡西欧 (カシオ)
加藤
凯迩必 (KYB カヤバ工業)
菊水 (菊水電子工業)
极商,极东 (極東貿易)
可乐丽 (クラレ)
凯讯 (KDDI)
神钢 (神戸製鋼所系)
五洋
南通开发区太阳电子,三昆电子 (サン電子)
山业 (サンワサプライ)
捷太格特 (ジェイテクト)
重松
島津
饰梦乐 (しまむら)
日联海洋,中钢海洋,大立钢製品 (ジャパン マリンユナイテッド)
信越
新明和
住精 (住友精化)
精工 (セイコー) 多くヒットするが日系ではない模様
软银,软件银行 (ソフトバンク)
第一实业 (第一実業)
大賽璐 (ダイセル)
太阳膜结构 (太陽工業)
太阳诱电 (太陽誘電)
武田
多田野 (タダノ)
电溶 (電溶工業) 別会社のDenyoも「电溶」と訳されることも有り
透康 (トーカン)
东装 (トーソー)
东电化 (TDK)
东电电子,东电半导体,东电光电 (東京エレクトロン系)
华桑电子 (東京エレクトロンデバイス系)
东涇 (東京計器)
通伊欧轮胎 (東洋ゴム)
东洋纺 (東洋紡)
东苏克 (トスコ – 繊維製品)
中岛 (中島プロペラ等)
恩佳升 (長野日本無線の子会社)
尼康 (ニコン)
日油
似鳥 (ニトリ)
宝来光学,化药,化耀国际 (日本化薬)
日航
日本工营 (日本工営)
日制钢,日钢 (日本製鋼所) 「日钢」は「日照鋼鉄集団」の可能性があるため排除
结雅希 (日本無線)
白十字
帕索纳 (パソナ)
美禄可,巴法絡,巴比禄 (バッファロー)
不二越,建越,那智,耐锯 (不二越)
富留得客 (ブルドックソース)
丰和 (豊和)
丸红
美多绿 (ミドリ安全) ※「绿安物业」がヒットしたが企業HPに当該社名記載無いため除外
村田
明电舍 (明電舎)
森尾
安田
洋马 (ヤンマー)
日铝全综 (UACJ金属加工)
尤尼吉可 (ユニチカ)
优科豪马 (横浜ゴム)
丽格 (リーガル-靴)
理音科技 (リオン)
理研计器
渡边 (渡辺)

注:「ヒットしない=安心」ではなく、党員2%の中にはいないということです
注2:そもそも中国に現地法人の無いっぽい企業は検索対象外としています(このリストは中国現地にいる党員がメインであるため)

三菱、三井、明治、川崎等大雑把な分け方していないのは、グループ分けが難しいからです。川崎を例に挙げると95名中、川崎重工が70名、川崎汽船が11名、川崎食品が6名、新川崎食品が8名となっており、川崎と言っても軍需関係の川崎重工から食品の川崎食品まで多岐にわたり線引きが難しいからと、この分類に時間を割く事ができないからです。

※リスト内の情報に誤りがあればご連絡ください。 pak.too.iau@gmail.com

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台湾

外省人・本省人の使い方について

2022年5月、米国カリフォルニア州で台湾系米国人の鄭達志(ジョン・チェン)医師がデビッド・チョウ(周文偉)容疑者によって射殺されてしまい、また、このほかに5名が負傷するという痛ましい事件が起きたのは記憶に新しいと思うが、容疑者が「台湾生まれの米国籍を有する人物」ということで、容疑者は外省人である、というような文言がメディアに登場するようになり、この「外省人」という言葉に対して、見直そうという声も上がっている。

銃撃事件があった米カリフォルニア州の教会=アナドル通信社提供

なお、この事件に絡んでYouTubeでも解説しようとも思ったのだが、ちょっとショックが大きすぎるのと、YouTubeではこういう悲惨な事件に関してのコンテンツには厳しい規制が設けられることがあるので、YouTubeでは扱わない事に決めた。ただ、タイトルにあるように「外省人・本省人(人によっては内省人とも言う)」について誤解している人もいるようなので、せめてBlogだけでも残しておこうと思い筆を執った次第である。

まず、外省人・本省人とは何か?を簡単に説明すると、1945年、日本が終戦を迎えた後に、連合国の一般命令第一号によって台湾で施政権を行使する事となった中華民国が、1949年国共内戦で中国共産党に敗れたために、大量の中国国民が台湾へやってきたのを境に出来た言葉と言われている。

まず第一に、「省」とは何か?というと、中華民国、すなわち中国から見た「台湾省」という行政単位にあたる。そして、その台湾省に戦前から台湾に住んでいる人たちを「本省人」、戦後中国からやってきた200万人とも言われる人たちのことを「外省人」と呼んで区別する。

しかし、「台湾省」という呼び方は、中国(中華人民共和国、そして中華民国)からの視点の言葉であり、「台湾は中国の一部である」という主張を正当化するための言葉でもあると考える人もいる。私も台湾は戦後中国に返還されたとは考えていないので、台湾省という呼び方は嫌いであるし、不当なものだと考えている。

例えば「台湾は台湾であり、中国(中華)ではない」と主張する人にとってみれば、「本省人」に分類されることは「台湾省の人」という意味であり、「中国に属する」とも捉えられるため、違うという声をあげる人がいることも知っておかねばならない。

「外省人」という言葉についても、戦後すぐに中国からやってきた人たちは「外省人」と分類されても問題ないであろうが、その人たちの子供や孫を「外省人」と呼んでも良いのか難しい部分である。なぜなら、外省人と言われる1世代目の中国人が所謂「本省人」と結婚して出来た子供は「外省人」なのか、所謂「本省人」なのか、ということになる。またその子供となれば、さらに区別は難しくなるのは想像に難くない。

そして、所謂「本省人だから日本に親しみを感じる。中国に反感を持っている」という考え方も正しいとも言えるが、中共傀儡メディアである中国時報や中天新聞のオーナー(蔡衍明 氏)は所謂「本省人」なのだが、考え方はまったく中国共産党寄りであるので、皆様が想像するよな本省人とはかなり異なるケースも見受けられるのも事実である。

以下は、非常に役立つ記事であるため、併せて読むことをお勧めしたい。

日本人が捨てるべき「台湾への思い込み」
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14466


例え方がおかしいのは百も承知なのだが、あえて日本人でも分かりやすく例えるならば以下の通りである。

先祖代々東京で生まれ育った人たちを東京人と呼び、集団就職などで地方から東京にやってきて、長年東京に住んでいる人たちを「東京人」と呼ばないのは、問題ないと思うし、ご納得いただけると思っている、だが、その子供や孫たちが東京で生まれ育った場合(しかも本籍は親の地方に存在する場合)、彼らは一体「どこの人」と呼べばよいのであろうか?生まれ育ったのが東京なのだから、立派な東京人だ、とも言えるし、「いや、本籍は〇〇だから、東京人とは言えない」という主張もあるだろう。

同じように戦後70年以上も経っており、生まれも育ちも台湾の所謂外省人もいるだろうし、親の仕事の関係で生まれも育ちも「中国」という所謂本省人もいるであろう。なので、そろそろ「外省人・本省人」という概念だけで台湾を見るのを考え直すのは如何だろうか。少なくとも私は、「本省人・外省人」という言葉を使わないようにしているし、使う場合には「所謂」というものを付けて使うようにしている。

2022年5月18日 編集(八度妖)
2022年9月29日 一部修正(八度妖)

P.S.では「外省人・本省人」を使わずに、台湾情勢を語る場合、どのように表現したらよいか?という問題にぶつかるかもしれない。その場合は
・在台中国人
・台湾を支持する台湾人
・中国を支持する台湾人
等のように、属性や思想を使った表現するのが良いかもしれない。

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台湾 深田萌絵

プロからもらったガチの青幇(チンパン)情報

以前「青幇」なんて存在しない!と大風呂敷を広げた動画をアップいたしましたが、完全に間違えでした。申し訳ございませんでした。

というのも、似たような内容をBlogにもアップしていたのですが、なんと青幇を30年にも渡って取材し、青幇とも交流のある映画監督GEN TAKAHASHIさんから抗議のコメントを頂き、正しい情報を教えてくださいました。
今まで青幇、というと戦前中国の上海やその周りの浙江省などで幅広く活発に活動していた組織で、戦後国共内戦の影響でその活動拠点を台湾に移し、衰退していった、と言うものかと思います。
台湾に活動の場を移した後のことについて、情報があまりにも少ないので、色々な情報が錯綜しておりますが、どうやら簡単に纏めると次の見解が正しいようです。

チンパンは存在しているが、
政財界を牛耳るようなことはない

では、チンパンを取材しているGEN TAKAHASHIさんの主張がどういうものなのか、見てまいりましょうか。


はじめまして。貴殿の本稿につきまして疑義と抗議の主旨でコメントさせて頂きます。

→これは「台湾を牛耳る青幫って何?」という私のブログについてのコメントでございます。続けます

 私は台湾の青幇を30年にわたって取材し、現在も交流がある日本の映画監督でGEN TAKAHASHI(高橋玄)と申します。私の来歴については名前で検索して頂ければ幸いです。
 さてまずは一読、貴殿の本稿主旨が不明でした。「青幇というマフィアが存在しない」とのことですが、それは「青幇という組織が存在しない」の意であると解して良いのでしょうか?
もしそうであれば、貴殿の青幇についての知識と情報は、入口の段階から完全に間違っています。

→はい、元々私のブログでは、今インターネットの世界では一部の陰謀論者が青幫は台湾の政財界を牛耳っており、特に台湾の半導体業界、TSMCなどを牛耳っており、日本を苦しめようとしている悪の存在だ!という主張をしているので、それを分かりやくシンプルに否定したいがために「青幫というマフィアが存在しない」とブログに書いていたのは事実です。ちなみに現在は「台湾を牛耳るようなマフィアは存在しない」に変更しています。では続けます。

「世界安清総会と名前を変え」などと書いておられますが、そもそも「青幇」という呼称自体は組織名ではありません。そのような基礎知識もなく「細々と活動している」などの、あたかも「何の力もない有名無実の元マフィア」であるかの印象を、日本語で宣伝することは日本人の青幇に対する理解を妨げ、彼ら青幇会員を小バカにしているようにさえ見受けられ、彼らと現に親交のある私としては看過できません。

→これは私の表現の仕方がまずかったかもしれませんが、小バカにするつもりはありません。

 「細々」どころか、青幇は「洪門(一般読者への註:ホンメンと読みます)」と連携するかたちで、一回の大会(会員同士が集まる宴会)で数千人規模の会員が、新北市のホテルなどを会場にして盛大に集まるという活動を現在でもしています。そのホテル周囲では公安警察がビデオカメラで参加者の人定を行うという、ある種、日本のヤクザ組織、思想集団に対する警戒と同様の風景が見られます。

→これは私の完全な情報不足でした。なるほど数千人規模ですと細々なんて言えませんね。

 少なくともコロナ直前の2019年でもそのような洪門の集会は行われており、その指導者たちの多くは青幇でもありますから、貴殿の記事での「青幇というマフィアは存在しない」との記述が「青幇という組織が存在しない」であったとしても正確性を欠いています。

→はい、これは私の考え方を改める必要があると思います。本当にこういうコメントは有難いと思います。

 また、「台湾を牛耳る青幇」という表現それ自体、非常に意図的な印象を受けます。たとえば、日本の任侠組織・山口組は世界的なネットワークに利して広大な経済活動を行っていますが、だからといって「山口組が世界を牛耳っている」という事実はありません。
 失礼な言い方であれば謝罪しますが、貴殿のような現地(特に中国語圏)に詳しく普通話や台湾語を解する「事情通」という方の情報発信は、それだけで在邦日本人には正確な情報であるように受け取られる傾向があります。

→これはこのコメントの返信にも書いていますが、某YouTuberの主張をブログに書いただけなのですが、それを私が主張しているとGEN TAKAHASHIさんが勘違いしていたようです。

 貴殿は「中華安清総会」の情報が「ほとんど入らない」と書いておりますが、つまりは青幇について現在の実態を何も知らないのに「周囲の台湾人の誰に聞いても知らない」からといって「存在しない」と言っているも同然ではないでしょうか。

→情報の扱いは本当に注意しなければなりませんよね。このご指摘があってから、「周りが誰も知らない」とかいう表現方法は説得力に欠けると、思い知らされました。

 また、意図してのことか貴殿は「洪門(ホンメン)」について触れていません。台湾人にとっては青幇より一層身近にある洪門を語らずに青幇を語ることは出来ません。なぜなら青幇は、もとは洪門から派生した組織形態であり、前述のとおり「青幇」は組織名ではなく、いわば「種目」のような形態の名称だからです。

→これは、私のブログの主旨が台湾を牛耳る青幫というトンデモ話を否定したいがために青幫だけにクローズアップした為でしたが、確かに洪門についても触れなければなりませんでしたね。反省です。

 そのようなこともご存じないような貴殿の記事は、読者に誤った情報を付与しますから、訂正なり追記をお願い申し上げたいところです。

→はい、このようなご指摘を頂いたので、ブログ冒頭ではGEN TAKAHASHIさんのコメントを併せて読むように促す文章を掲載しておきました。

 ここで宣伝のようではありますが、私は世界で初めて青幇の実態の一部を描いた『名もなき絆』という映画を監督し昨年劇場公開しました。本作は現在、U-NEXTやAmazonなどの配信でご覧いただけます。

『名もなき絆』U-NEXT
https://video.unext.jp/title/SID0065268

→U-NEXTやアマゾンプライムを見られる人はご覧いただければと存じます。

また、現在都知事の小池百合子氏とは師弟関係にある、安倍英樹氏(1955年生まれ)は洪門幹部(洪門南華山龍義同副堂主)にまでなられた日本人ですが、彼が2007年に上梓した『洪門人による洪門正史ー歴史・精神・儀式と組織ー』(錦正社)という、おそらく現在入手困難な書籍では、青幇の非常に正確な情報と、青幇が現在でも活動していることを述べられています。
 私や安倍氏(私は面識ありませんが)についての情報を述べますのは、台湾通との貴殿が「自分のまわりの台湾人は誰も知らない」との理由、青幇が歴史的に消滅したと論説することに対しての、反論のエビデンスとしてであります。

→私の主張はほんわかとした何となく存在しない、という感じであるのですが、GEN TAKAHASHIさんや安倍さんについては、どうやらきちんと証拠を集めて解説されているようですね。入手困難な書籍なので、読むのが難しいかもしれませんね。

 一方、貴殿の記事は、台湾生活が長いというだけで、青幇(つまりは洪門と一体化した中国人の相互扶助文化)について、ほとんど無知で、特に現在の状況は何もご存知ないとしか思われません。

→これは、プロの方からそう指摘されてもぐうの音も出ませんね。半導体業界を牛耳る青幫はいませんよ、ということを強調したくて、「青幫なんか存在しない」と主張した私の誤りです。

 青幇(洪門も含め)は、基本的に政治、思想、宗教の統一性はありません。貴殿が「泡沫政党の党首」と揶揄されていた張安楽氏とは私も直截面識があり、彼のFacebookでの対談番組にも出演したことがありますが、彼の政治的立場や主張は時に他の会員と反対のことも珍しくありません。日本流にいえば、自民党党員や党友に近いといっても間違いではありませんが、現在はそれよりも「個人」で構成されています(そのあたりの中華圏の文化は貴殿もご承知でしょう)。

→このご指摘はもっともとですね。党全体の意向というよりも「個人」という単位で見て行かなければならないということですね。ただ、台湾独立派の私からすると、中華統一促進党は台湾独立において非常にやっかいな存在である為、意識的、無意識を含めて彼ら全体を悪く言ってしまっている傾向があるんだと思います。
私が時々、「私はかなり台湾独立派的な立場で発言しているので、統一派などの主張と総裁するくらいがちょうどよい」と主張しますが、それは意識的に彼ら統一派などの考えを悪く言っている時と判断して良いと思います。

 ここ10年ほどは青幇のトップと洪門のトップは同一人物ですが、貴殿はそれも存じ上げないようです。
 貴殿の本件無責任な記事に対して抗議を申し上げまして、正確な情報発信をお願いしたいところです。

→ブログでも動画でも訂正動画を出していなかったので、まずは動画で訂正動画を出させていただきました。ご指摘誠にありがとうございます。

追伸

前記、私のコメントをご自分の「台湾通」ぶりの限界を露呈するからという理由で承認、公開されないのでしたら、本稿記事ごと削除して頂きたいと思います。
なおも、それさえ無視されるときは、機会をみて、貴殿の記事と私のコメントをネットの第三者メディアで公開させて頂きます旨、予め申し添え致します。

→これは結構きつい言い方でしたが、それだけ怒り心頭だったという現れだということですね。私の主張には、どこか自身の無い部分があったし、GEN TAKAHASHIさんにも勘違いがあったので、ブログは消さないでおこうと思いますが、動画の方は、訂正が効かないので一旦限定公開という形にしております。

当時YouTubeにてアップロードしていた動画のサムネイル

さて、このようなコメントを頂き、私のコメントを次のように返しました。

コメントありがとうございます。
青幇について長年取材されているということで、私の無知であることが分かりました。ご指摘誠にありがとうございます。機会を見て、本記事を変更するなり、削除するなりしたいと思います。

「青幇」という名前の組織がないのは存じております。また「台湾を牛耳る青幇」は私が述べたのではなく「深田萌絵」氏という言論人が述べている事をそのまま記しており、私自身も高橋様と同じように「台湾を牛耳っている」とは思っておりません。ただ日本の黒社会と同じように政財界にある程度の力を持っている事はあると思っております。(牛耳るというのは大げさな表現だと私は思っております)

そんな深田氏の発言を信じる人が多いため、このような記事を書いているのですが、誤解を与える可能性があるとのこと、承知いたしました。ただ、高橋様にはぜひ深田萌絵氏への疑義・抗議、または彼女の主張が正しければ賛同をお願いいたします。

http://fukadamoe.blog.fc2.com/blog-entry-3403.html
https://www.youtube.com/watch?v=52RNTud4ea4

などなど。基本的には書籍には色々と青幇について書かれているようです。

高橋様の深田氏への対応を見た上で、私の記事の削除が必要だった場合には、削除したうえで、訂正の記事として高橋様のコメントもご紹介したいと思います。

こういう裏社会はなかなかメディアでは報じられることが無いため、高橋様のコメントは大変ありがたいと思うと共に、自分の無知を恥じるべきだと感じました。ご指摘、誠にありがとうございます。
コメントを頂いたにもかかわらず、質問させてください。
既述「深田萌絵」氏は半導体業界は青幇が牛耳っている、特に最先端半導体製造メーカーTSMCやWinbond(華邦電子)等の企業も青幇が牛耳っていると主張しております。これは本当のことでしょうか?これさえ分かれば、私としては、十分納得できることになりますし、誤解を広めてはならないという気持ちになります。お返事いただけると幸いです。

また、映画「名もなき絆」を拝見しました。映画内に出てくる「青幇」を語って金儲けする女というのが既述深田氏に似ているような気がしました。
いずれにしても今まで日本では「青幇」について語る言論人は殆どおらず、そのため、私のような「一般人が知らないからもういない」という論調から、「青幇が世界を牛耳っている」という言論人の破天荒な論調まで、様々な形で情報が拡散されておりましたので、この映画を見て、また高橋様の論調を広げる事で正しく理解されるようになると信じております。

こんな感じですね。で、GEN TAKAHASHIさんはきちんと次のようなお返事を下さいました。きちんと深田萌絵氏の青幫についても触れてくださっています。

ご丁寧な対応に感謝致します。

 私のほうも貴殿の記事のタイトル自体が、深田某氏の言説を反映させたものだと知らずに失礼致しました。不明の至りですが、私は深田某氏のことを知りませんでした。
 今回、貴殿にご教示頂いたリンクを少し見ましたが、一読して「青幇トンデモ情報」のようなものであることはすぐに判りました。深田某氏の背景は知る由もありませんが、それこそ陰謀論好きの、現実の現在の青幇について何も知らない方でしょう。そうでなければ、彼女には、青幇のネガティヴ・キャンペーンを工作する何らかの背景があるかもしれませんが、いずれにしても「ほぼほぼフィクション」と言わざるを得ません。
 ただ、このことは実は「ニセ青幇」がいることにも関係しています。それは日本人でも台湾人でも青幇を騙る者が存在します。なにしろ秘密結社というくらいですから、外部からは内情が見えないため、いくらでも「おはなし」が創作出来るわけで、それを商材にすることも簡単です。
 貴殿もよくご存知かと思いますが、日本、台湾、香港、大陸やマラッカ半島近隣も含むアジア文化圏では「兄貴!」「好兄弟!」などという、日本だとヤクザ的なノリの呼称が普通の人々の間でも使われます。そうした文化では、青幇のような秘密結社の「秘密」というものも擬制家族の身内感覚で、簡単に組織外の一般市民に間違ったまま出てしまうことがあります。
たとえば、深田某氏のいう「TSMや華邦電子も青幇が支配している」との「おはなし」も、その情報源となった人物が組織の会員である「兄弟」から聞きかじった話を、深田某氏に「膨らませて」話したということも考えられます。
 また別の可能性として、青幇会員の誰かが、普通にTSMCなどの企業の従業員だということもあるでしょう。その従業員が青幇であることを深田某氏の情報源となった「兄弟」が知っていて、伝言ゲームのように「青幇が支配している」とまで「盛られた」のかもしれません。
 これは青幇が「秘密結社」と言われるときの、「秘密の種類」と関係あるかと思います。青幇(洪門でも)の宴会や集会には、非会員も普通に出入りするのです。会員の家族だからといって、世帯ごと青幇に入門する義務などありませんし、その意味では「ウチの亭主は青幇ですよ」というレベルの秘密と、会員であるその亭主自身しか知らない組織的な秘密では種類が違います。この点は、社会一般にどんな分野の共同体でも普通のことでしょう。一般的には、夫の会社が計画する企業買収の情報を、妻が知らないほうが普通です。

 さて貴殿は、私が深田某氏にも抗議することをご希望のようですが、彼女には申し訳ないのですが、あのレベルの「トンデモ話」に私がかかわるつもりはありません。
 ただし、本稿についての私の一連のコメントを、彼女のブログなりに、貴殿または匿名で転載(転送)されることは構いません。
深田某氏が「インフルエンサー」とのことですが、少なくとも私は台湾の青幇幹部たちから、その名を聞いたこともありません。

→これは非常に重要な証言ですね。もしあれだけ「青幫が~」と核心に迫るような真実だとしたら、青幫が深田さんをマークしてもおかしくないのですが、それがないとなると、GEN TAKAHASHIさんが仰るように「トンデモ話」、「ほぼほぼフィクション」ということで間違いないと思います。続けます。

 一方、最初に私が貴殿の本稿記事に抗議した主旨は、「現在、青幇は存在しない」という認識は誤りであるというものであり、また、貴殿のブログでの他の記事からも貴殿の情報発信には普遍性があり、読者からも信頼されているものとお見受けしたからこそ「青幇は現在でも存在していますよ」という事実をお報せしたものです。
仮に、私が最初にみた「青幇トンデモ話」が深田某氏のものでしたら、最初から相手にしていないかと思います。
そのうえで、もし私が深田某氏に抗議しなければ、それが「現在、青幇が存在しない」ことの証左になるというご主旨でしたら、これ以後、特に貴殿に申し上げることはありません。
 私の映画を観て頂きまして恐縮ですが、映画のラストシーンで主人公の「老大」が言うように、青幇は宣伝するような存在ではありません。
 私は長年彼らを取材してきた映画監督だからこそ、彼らとの信頼関係からあの映画が生まれたのであり、実際には彼らにとっては、組織外の人たちに青幇がどう言われようが、まるで相手にしていません。私が映画で描きたいと言ったから、彼らが許可してくれたのです。もし深田某氏が、本物の青幇会員と親しい関係にあれば、あのような「青幇トンデモ話」は書かないでしょう。かといって、組織が排撃するレベルではないので、笑って放っておかれるだけです。
 ただ、繰り返しになりますが、貴殿は台湾を愛する方であることは貴殿のブログからもじゅうぶんに伝わりますから、私の心情として「青幇は存続している」という事実をお知らせしたかったということです。
 なお蛇足ですが、もしも私の一連のコメントについて、私が青幇幹部と長年交流してきた証拠を見せろということでしたら、貴殿の台湾のご友人関係から洪門や青幇に通じる人間を辿って、私の映画『名もなき絆』を観てもらえば、そこに映っている「老大」たちが、すべて実在する現在の青幇の指導者であることは判ります。台北の公安警察でも判ります(教えてくれるとは思えませんが)。 
 貴殿から頂いた映画の感想で、登場人物である「ニセ青幇の女」が深田某氏を彷彿させるというのは、指摘されてまさにそうだと思いました。私は彼女の存在を知らないまま映画を作っていましたが、モデルになった「ニセ青幇女性」は存在していました(殺されてはいませんが…苦笑)。

長くなりましたが、貴殿本稿に関する私からの発言は以上とさせて頂きます。
今後は、もっと大規模な国際配給の企画として、青幇・洪門を舞台とした物語の映画を作りたいと考えています。
いつか台湾でお会いすることもあるかもしれませんが、その時は白酒でもやりましょう。

再度の追伸で恐縮です。

「ニセ青幇の女」が主人公として登場する映画は
ご覧頂いた『名もなき絆』の1本前の短編『静かなる国』です。
あれは17年前からの4部連作になっており『名もなき絆』が最新ですが『静かなる国』も、コロナ真っ最中での青幇の日本での一幕を描いています。
https://video.unext.jp/play/SID0065267/ED00350273


はい、以上が私の返信に対する回答でした。深田某氏の主張がトンデモ話であることが証明されたかと思いますが、ウィンボンドのショウユウキン氏が青幫のトップであるということを何かにつけて主張していますが、それが本当なのかを念のため、確認してみました。

高橋様

私のくだらない質問にも真摯に答えていただき、本当にありがとうございます。このお返事を以って高橋様の投稿は終わりと言う事で残念でなりません。(私としてはもっと知りたいというのが現状です)

深田氏の青幫話についての高橋様の見解も承知いたしました。反論・抗議するに値しない「トンデモ情報」であると考えていらっしゃるのは理解できましたが、深田某氏は話し方が上手いためなのか、そんな「トンデモ情報」を信じる人が数多くいるのも事実で、私のブログを読む人の数十倍、いや、数百倍もの影響力がある人物であり、論調でもあると私は考えております。実際にYouTubeでは登録者数10数万人と、所謂中堅レベルのYouTuberとも言える存在でございます。
いずれにしても、反論するに値しない話との事ですので、高橋様に1点お願いと言うか、教えていただきたい事があります。

彼女は「青幫のトップはWinbond(華邦電子)社のトップ「焦佑鈞」氏である、と何度も明言しておりますが、こちらは「そんな事実はない」と言う認識でよろしいでしょうか?
出典元URL
http://fukadamoe.blog.fc2.com/blog-entry-4179.html

いずれにしても、高橋様からコメントを頂き、自分の見識の狭さ、情報分析能力の未熟さを実感したのは事実であり、その道のプロの方からご指摘いただけたことは本当にありがたい事だと考えております。

本日退勤後、ぜひ『静かなる国』を視聴させていただきます!!今からワクワク感でいっぱいです。また、新作等が出ましたら、お知らせいただけると幸いです。高橋様、本当にありがとうございました。

このコメントに対して、回答を頂きました。

八度様

貴殿からの最後のご質問に、iPhoneからの送信で回答しましたが
ここには表示されないようでした。
念のために、再度、ご質問の件のみ回答します。

青幇のトップは華邦電子のトップの焦佑鈞という方ではありません。

深田某氏は、青幇についての「創作」を自分の著作などの商材にしているようですが、このようなことを公言している時点で、彼女(またはその情報源)が、青幇に関してまったくの無知で、おそらく実際のメンバーをひとりとして知らないことも明白です。

日本の皆まさにおかれましては、深田某氏の青幇の「おはなし」は漫画だと思って娯楽として楽しんで頂ければ良いかと思います。


はい、以上が30年にも渡って青幫について取材している映画監督GEN TAKAHASHIさんとのやり取りでした。如何でしたでしょうか?私の「青幫は半導体業界や政治の世界を牛耳っている」という深田萌絵氏の主張がまったくの「トンデモ話」であることを強調がしたいために、ちょっと拡大解釈してしまったことでGEN TAKAHASHIさんを怒らせてしまったのですが、GEN TAKAHASHIさんの勘違いもあって、結局のところ円満に情報交換ができました。

いずれにしても「青幫が台湾を牛耳っている」というのはまったくのデタラメ、ということで間違いなさそうですね。それにしてもWinbondのトップの焦佑鈞さんは、こんなトンデモ話が日本では結構多くの人が信じてしまっているという、想定外の事態になっていることを把握しているんですかね。ただ、仮に焦佑鈞さんが裁判を起こしたりすると、深田氏はそれを利用して「ほら、私を消そうとしている」と騒ぎ立てて注目を浴びようとするでしょうから、焦佑鈞さんもTSMCも触らぬなんとかに祟りなし、ということなんでしょうかね。私も暫く深田さんには触れずにいましたが、今回GEN TAKAHASHIさんからきちんとした情報があり、このコメントを転載しても良いとの許可も頂きましたので今回動画&Blogにさせていただきました。

初稿 2022年6月7日 編集(八度妖)
修正 2022年9月29日(八度妖)

カテゴリー
AI技術 影武者

プーチン大統領の「影武者説」をAI顔認証技術を用いて検証

ロシアのプーチン大統領には影武者がいると噂されていたが、2020年2月27日に過去に公の場に立たせる影武者を作る計画があったことを、プーチン大統領自ら公表した。しかし、プーチン大統領自身で影武者を使うことを拒否したので、この言葉通り受け止めるのであれば、公の場に姿を現したのはすべて本物のプーチン大統領ということになるが、はたして本当であろうか?加齢による変化があまり見られず、目の下のたるみが消えたなど、ネット上では噂が尽きない。
ということで、アマゾンが提供しているAI顔認証システム「Amazon Rekognition」を用いて、プーチン大統領の影武者が公の場に姿を現したことがあるかどうかを検証してみた。

※私は顔認識の専門家でもなく、国際情勢に精通している訳ではないので、あくまでもエンターテイメントとして検証をご覧いただければ幸いである。

また過去に「金正恩氏の影武者説を検証」というコンテンツもありますので、併せてご覧いただければと存じます。

検証方法

AWS(Amazonのクラウドサービス)にあるAmazon Rekognitionという内にある「顔の比較」という機能を使用

※ちなみにこの「Amazon Rekognition」を導入している企業は米国CBS放送、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)、共同通信、毎日新聞等である。

使用する写真

検証するにあたりどの写真を本物と判定するかを決めなければならい。ということで、影武者を使う事がふさわしくない場面と言えば、国際的会議であると私は考える。なぜ国際的会議が影武者にふさわしくないか?というと、様々な首脳と短時間のうちに話し合いを行なわなければならず、また現在は声紋による認証もあるため、顔はそっくりでも声紋までも同じにするのは、更にハードルが上がるためであることと、ましてや影武者の一言、特に失言などで国際情勢が変わる事だってあり得るかもしれない。そんな大事な場で、わざわざ影武者を出席させることは、無いだろうと考える為である。

ということで、上にあるG20大阪サミット2019に参加したプーチン大統領の写真を本物と仮定して検証していこうと思う。


検証1

G20大阪2019のプーチン大統領の写真と2000年に初めて大統領に就任した時の写真を比較

結果として

類似率97.7%

19年が経過して、だいぶ顔にも老いが見え始めているにも関わらず、AWS顔認証においては同一人物と判断した。

検証2

同じくG20のプーチン大統領の写真と、2020年2月に影武者計画が存在したことを認め、インタビューに応じているのは本人だと答えた時の写真を比較

類似率99.9%

G20から半年しかたっていないため、ほぼ本人だという結果であった。

検証3

2010年にボトックス注射を行ない劇的に若返ったというニュースがあったが、若返る前の写真とG20大阪サミットの写真を比較

類似率99.9%

肉眼で見ると確かに皺などがなくなり、若返っているが、AI顔認証的な角度から見ると、何も変わっていないということがわかる。

検証4

ネットで出回っている目と口の距離が異なるという写真
一つが2018年に撮影されたものであり、もう一つが2000年にエリツィン氏と一緒に映っている写真
1:1.04という比率と1.18という比率なので影武者だと言われているが、果たしてどうなのであろうか

類似率99.6%

こちらについては、上を向いたり、下を向いたりすることでこの比率が変わるので、この比率だけを以って影武者と判断することはできない。

この図は極端な例であるが、若干上を向いている、下を向いているという形であれば、比率が違ってくることが分かる

検証5

1980年代にKGBで働いていた頃に撮影されたとされる写真とG20の写真を比較

本人ではない

30数年前の写真ということもあり、さすがに同一人物とはみなされなかった。これはAWSとしても30数年前の写真と比較することを想定したアルゴリズムで顔認証プログラムを作っている訳ではないからであろう。

検証6

では、30数年という長い期間ではなくもう少し期間を狭めた場合はどうなのであろうか。2000年就任当時の写真とKGB時代の写真を比較

類似率99.5%

検証1でG20大阪での写真と2000年就任当時の写真が同一人物と判定されたのであるから、その2000年の写真とKGBの写真が同一人物と判断されたという事は検証5は、加齢による顔の変化にプログラムが追い付かなかったと言っても良いのかもしれない。

検証7

KGBの写真と、更に若い頃の写真との比較

類似率99.7%

プーチン大統領は1952年生まれなので、10代の頃の写真と考えると、1960年代に撮影された写真と推測されるが、1980年代に撮影された写真と比較しても本人だと判定されたので、ここまでで出てきた写真はすべて本物のプーチン大統領の写真だと考えられる。

検証8

そもそもこのAWS Rekognitionの顔認証の精度は如何なものか?という疑問もあるだろうから、元プロ野球選手のイチロー氏のそっくりさんである「ニッチロー’」さんの写真と比べてみた。ぱっと見すると、どちらも本人のようである。というか、左側の写真がない状態で、右側の写真だけを見せられれば、私は本人だと思う。

本人ではない

さすがにそっくりさんレベルでは「本人でない」ことを見抜くことができるようだ。ちなみに詳細を見ると「類似率 19.9%」となっていた。


結論

比較する写真の撮影された期間の大きな隔たりがなければ、検証した写真すべてがプーチン大統領ということになる。(あくまでもG20大阪に参加したのが本人であれば、という前提)

なお、このAWS Rekognitionを使っている中で感じた事としては、写真の解像度が低くなればなるほど、同一人物と判定する確率が高くなるという事である。つまりは、より正確な顔認証を行なうのであれば、高解像度の写真を使わなければならないということと、顔認証全体に言える事なのだが、顔の向きを同一にすると更に精度があがるということである。

耳の形が違う、誰々が別人だと証言しているから替え玉だ、という情報もあるが、耳の形は撮影角度により大きく変わることもあり、証言はあくまでも「主要な判断材料」にはならないと筆者は考える。
(証言のみで判断すると、隣国のお婆さんのいうことが事実になってしまいます)


ちなみに高須クリニックの高須幹弥先生は、金正恩氏の影武者説について語る動画の中で、高須先生の見解として、

「そもそも現代のこの世の中で影武者を作るって、ほぼ不可能だと思うんですよ」

と主張しており、武田信玄には影武者が存在したことは広く知られているが、その頃のように「周りの側近しか(主君の)顔を知らない」という環境であれば影武者の存在意義はあったのかもしれないが、

今はもう写真ももちろんテレビもインターネットもあるし、しかもかなりの高画質の画像とか動画が世界のどこでもスマホ1台、パソコン1台で見れるわけじゃないですか。
もう今の世の中、これだけの情報化社会で影武者を作るって、もうほぼ無理だと思うんですよ。」

と影武者説を否定していた。美容整形の専門家がこう語るのであれば、恐らくプーチン大統領も同じことが言えるのではないかと思う。

高須クリニックの高須幹弥先生も影武者説を否定

この写真も検証してほしい

というものがあれば、コメント欄にURLを張り付けていただければ、この検証後、このブログに追記していこうと思います。(比較元の写真の指定がなければ、G20大阪の写真を使用します)

2022年9月28日 編集(八度妖)

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影武者

小室圭氏は影武者なのか?AI顔認証を使って検証

今日はアジアのニュースではなく、初めて皇室について触れてみたいと思います。ネットでは小室圭氏に影武者がいる、とか、昔と違い別人のようだ、という声が意外に多く見かけるんですよね。ということで、金正恩影武者検証で用いたアマゾンRekognitionというAIサービスを用いて本人かどうかを確かめてみました。

結論として、

AIでは本人である

と判定しました。

では早速検証を始めます。まず、本物だ、と言える写真を選ばなければなりませんね。

ということで、2017年9月に婚約内定を受けて眞子内親王殿下と記者会見をする小室圭氏の写真を使います。この時はまだ本性が露呈されていなく、好印象と思った人もいるかと思いますし、この頃の印象を基準に今回NY滞在時の顔や帰国時の顔が影武者ではないか?と思っている人が多いのではないでしょうか。


ということで早速参ります。

1枚目 NY滞在中の写真となります。パッと見た感じ、確かに別人のように見えますが、AI顔認証にとっては

99.3%同一人物

という判定となりました。

2枚目 会見前、つまりは小室氏が学生だった頃の写真ですね。

こちらは

99.9%同一人物

と判定されました。髪の毛の色が茶髪でチャラい印象がありますが、AIにとってみればそのような要素は考慮されていないので、完全一致という判定を下したんだと思います。100%にならないのは万が一、億が一という部分に保険をかけているためと思われます。

3枚目 小学校の卒業アルバムとの比較ですね。

こちらは流石に

88.7% ギリギリ同一人物

と判定しておりますが、そもそもこのAIは過去の写真と現在の写真を比較するツールではなく、入退室管理などで使われる顔認証としての目的で開発されているので、このような結果になるのも当然かと思います。

4枚目 今度は横顔ですね。

横顔は顔の特徴点の半分が隠れてしまうため、誤判定を起こしやすいAIが不得意な角度となりますが、結果は

98.4%同一人物

と判定しました。これと同じように下を向いている顔などは精度が落ちてしまいます。

5枚目 今度は空港に到着した時のマスク姿の小室氏ですね。

結果は

同一人物ではない

と判定が出ましたが、顔の半分を覆われてしまっており、口回りや鼻の形、あごの位置などを特徴点として判定しますので、半分くらいの情報がない状態で判定しなければならないということで誤判定する確率が非常に高くなってしまいます。今回使用したアマゾンの顔認証はマスク姿では誤判定を起こす可能性が高いという事が分かりましたが、私が現在取引させていただいているAI顔認証の会社は、武漢肺炎発生後マスク姿が多くなったという事でマスク姿でも実用に耐えられるレベルまでかなりの改良を施していました。恐らくアメリカ人のマスク着用率は日本よりも低いため、アマゾンはそこまでして改良しようとは思っていないのだと思います。

はい、以上がAI顔認証技術を用いた検証結果となります。


さて、ネットには見た目の印象で影武者だという主張以外にも、目と歯の比率というものを用いて、本人ではないというこのような写真を用いて影武者説を広めているケースが見られます。

RR復活 RAPT理論様Webサイトより

ですが、まず第一点として、比率は撮影角度により変化が大きいため参照にならないという点をお伝えします。

そしてもう一つ、低解像度の写真の場合、オリンピックで金メダルを獲得した直後の阿部一二三選手ですが、柔道の実力も世界一という場面での撮影ですので、流石にこれは影武者というのはあり得ませんよね。で、目の中心と歯の位置を普通に囲えば、横115ピクセル、縦130ピクセル、比率が1対1.13となりますが、これを数ピクセルだけ動かして横119ピクセル、縦126ピクセルというように横長に変更すると比率が1対1.06となりますが、今度は同じように数ピクセルだけ動かして縦長にします。横111ピクセル、縦132ピクセルにすると、比率は1対1.19となり、大きく異なる比率になります。

こんな感じですね。比較すると違いが分かりますが、パッと見ただけでは、不正な操作をしているとは思わないはずです。ですが、このように線を意図のあるやり方で範囲を定めると、枠が縦長にも正方形に近い形にも見せる事ができるのです。

つまりは同じ条件においてもどこのポイントに枠の角を置くかによって結果がこんなにも違うという事と撮影角度によって比率が大きく変化するということを考慮すると、この方法はほぼ意味のないやり方だと言う事、お伝えいたします。もしこういう検証を行うのであれば、顔写真の解像度が少なくとも一辺が1000ピクセル以上は欲しい所ですね。そうでなければ、枠の形を意図的に変形させることが可能だからです。


如何でしたでしょうか。小室氏については、色々と言われる処がありますが、今回のこの動画では、彼の言動や人間としての部分には焦点を当てておらず、ネットに出回る影武者説をAI顔認証を用いて検証しただけとなります。

また美容整形の専門家の高須幹弥先生も仰っていますが、高解像度の写真や映像が出回っている現代社会、場合によっては写真に写る指紋、光彩、つまりは目の特徴点による認証が行なえますし、そしては最近では歩き方や身振り手振りで本人認証が可能となっているわけで、私のような仕事でちょこっとだけかじっている人間ですら顔認証が簡単に行える時代に、大金をはたいて、場合によっては人権侵害だとも言われるリスクも犯してまで影武者を作るメリットがないように思えますし、そのようなAI認証をも騙すことが出来るような瓜二つの人間を作ることはほぼほぼ不可能だと言われております。

Q.最近出てきた痩せた金正恩は偽物ですか?影武者?整形?
ただ、YouTube的にはこういう影武者がいるかもしれない、というワクワク感があることは私は否定しませんし、エンターテイメントとしては非常に面白いものだと思います。

そして何より第二次世界大戦中にイギリスのバーナード・モントゴメリー陸軍元帥には本当に影武者が存在したという実例があるので、完全に影武者は存在しない、とは言えないと思います。今回の動画はあくまでもAI顔認証技術ではどう判断するのか?という点に焦点を当てており、小室氏の影武者が存在するとお考えになるのであれば、それはそれでで尊重いたします。

実際に影武者がいたバーナード・モントゴメリー元帥

2022年9月28日 編集 (八度妖)