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TSMCへ900億円プレゼント?は「嘘」

まず一言

「900億円をプレゼント」は嘘
もしくは誇張された情報です

うっかり間違えたのか、わざと900億円プレゼントと言ったのかは不明ですが、実際にはそんなことはありません。

まず、どこからこんな情報が出て来たか?というと、私の知る限り、深田萌絵さんだと思いますし、他にはいないと思います。(もしいたら、教えてください)

連続して深田萌絵さんのツイートを引用して申し訳ないですが、これはほんの一部の発言です。他にもあったのですが、あまりにも量が多かったため省略いたしました。


ではなぜ、この情報が嘘だというか?というと、経産省の公式Webサイトを見れば分かるとおり、補正予算900億円は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」という枠組みで編成されており、その詳細を見ると、助成金として1件につき上限250億円となっているからです。

先端半導体製造技術の開発(助成)

提案1件当たりの助成費は、原則として250億円以下とする。

ソース
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200415001/20200415001-1.pdf

しかもこの助成金は、折半であるため、実際の投資額の半分になるわけなのですが、Bloombergの予想では茨城県つくばに作られるTSMCの工場への投資は200億円と推測されており、つまりはこの数字すべてが助成金の対象になるのであったとしても100億円が助成金となるのであります。

ただ、100億円も巨額だと言えるので、この使い道が正しいかどうかを見極める必要があるのですが、才女の深田萌絵さんが凡ミスをするわけがありません。何か理由があって上限250億円の予算を「900億円プレゼント」と嘘までついて発言したか、裏を考える必要があると思います。それはどうしてもTSMCを日本に誘致したくない理由があるんだと思います。嘘までついて、愛国精神あふれる日本人を騙しているわけでありますから。その理由についてはまた改めて考察したいと思います。

ちなみにこの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」ですが、元々1000億円以上あった予算に追加として900億円の予算が組まれたのであり、先月、予算の使い道の第一弾が決まりました。

東京エレクトロン社、キヤノン社、SCREEN社(及びその関連会社)に決まったというニュースがありました。つまりは、この予算すべてがTSMCまたは外資に使われることではないということがお分かりいただけたでしょうか。

能天気に海外からのビジネスの話に乗るのはいけませんが、かと言って疑い過ぎて、本来味方かもしれない相手までも「不要だ!」という可能性があることにも目を向けるべきだと私は考えます。なお、TSMCが中共とズブズブの関係かどうかは確証は持てませんが、可能性は低いと私は考えます。

最近TwitterやYouTubeなどの言論を見ると、TSMCが危ないから日本誘致はヤメロ、という声が大きくなっているように感じます。理想論としては私もJapan as Number one というように日本企業最強という状態がくればいいと思いますが、今まで日本政府が半導体業界をないがしろにしてきたツケをすぐに回復できるのであれば、誘致は不要なのかもしれませんが、何周も周回遅れになっている状態なのですから、野球の助っ人外国人選手のようにTSMCを誘致するのはありだと私は考えます。なぜなら、例えが古いかもしれませんが、ランディー・バース選手一人で阪神を日本一に導いたのではなく、掛布・岡田選手や他の選手もいたから日本一になれたのであり、半導体業界も同じようにTSMCだけでシェア世界一になったのではなく、信越化学やSCREENなど数多くの企業がいるから世界一になることができているのであります。

しかし半導体業界は非常に複雑なので、深田萌絵さんのように単純化して分かりやすく説明する事も大切ですが、主義主張が入っているような場合は気を付けるべきだと私は考えます。

最後に、日本の国益になることを考えるにあたり、日本の安全保障が関わって来ると思います。台湾を中共にとられてしまったら、日本の安全がどれだけ脅かされるかお判りでしょうか?そうならないためにも、TSMCが中共とズブズブだという主張を一歩下がって、冷静に情報を分析する事が必要だと思います。

2021年4月19日 編集(八度妖)
2022年9月29日 一部修正(八度妖)


2021年4月30日追記

色々と情報を調べていたら、TSMC社が2月9日に

すべて自身で完全子会社を設立する事を決定した

という公式リリースを出していました。また工場ではなく「研究開発拠点」ということですので、日本の半導体製造メーカーの脅威になるようなことは少なそうですね。

https://pr.tsmc.com/japanese/news/2786

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tsmcに関する3の疑問に答えてみた

tsmcに対する疑問について、企業や政府機関の公式サイトや台湾のニュースメディアを参考にして半導体に詳しくない人でも分かりやすいようにまとめてみました。

では早速参ります。

1、 血税を投入して日本に誘致

これは先日投稿したように、この噂は2月9日のtsmcの公式発表で100%自己資本でやりますというリリースが出ていたので、フェイクである可能性が高いです。また、経済産業省の助成金の対象となる企業は全て日本企業となることが決定されていますので、血税投入という情報を信じている人は、トーンを下げるべきだと思います。本当は信じるなと言いたいところなのですが、過去の自分自身の判断の否定にもつながることなので、なかなかできないという心理も理解できますので、まずはトーンダウンしてくださいという口調にさせていただきます。

※2021/5/31 経産省がtsmcジャパンと20社・機関とともに共同で研究開発することに基金を出すことを決定しましたので、「血税を使うはフェイク」は誤りです。しかし、基金の使いみちがどのようになっているかはまだ不明なので注目していく必要があると思います。

TSMCへ900億円プレゼント?は「嘘」

2、 tsmcは人民解放軍にチップを提供

そもそもこの情報はどこから来たのか?という点ですが、殆どの人が、ワシントンポストや大物YouTuberなどの情報をソースとしております。しかしながら、4月上旬に台湾経済部(経産省に相当する機関)の王美花大臣が、「tsmcは台湾、米国のどちらの輸出規制のルールに則って輸出されている」と声明を出しております。これだけでは恐らく「台湾政府は嘘をついているかもしれない」という人が出るかと思います。確かにこの声明だけでは、ミサイルに使われたことを100%否定するコメントではありませんよね。その点は認めます。確かにルールに則って輸出しても使われる可能性はあります。
では、そもそも論としてtsmcってどんなことをしているか?を理解しなければなりませんが、非常に難しい分野ですので、分かりやすく説明する必要があります。

tsmcがやっていることは、受託製造、つまりは下請けの製造会社ということです。
金属製の乗り物の模型を例にあげると、
この模型を作りたいと思った会社はPCと専門のソフトウェアを使って実際の自動車飛行機などから縮小された模型のデザインをすると思います。しかし、デザイン会社はこのデザインしたものを型を作って、そこに金属を流し込みパーツを作るという製造工程を行なう事が出来ません。こんな時どうするか?というと、この模型のデータを鋳造工場に持って行き、型を取って金属を流し込むという製造工程を外注するわけです。で、今回注目されているtsmcですが、この部分を担っている訳であります。で、金属を型に流し込んで、金属パーツが出来上がっても、製品と呼べるものでしょうか?ただの金属片の集まりだけですので、これを組み立てる工程が必要かと思います。しかしtsmcはこの工程を行なう事ができないので、別の会社へ完成した金属片を渡し、受け取った会社がパーツと説明書を加えて箱詰めしたり、組み立ててから箱詰めしたりするわけであります。

つまり何が言いたいか?というと、半導体というものは、tsmcのような1社だけで、どうこうできる分野の話ではないということです。それを理解しないで、解放軍のミサイルにtsmc製のチップが使われているから、tsmcは国防上大きな問題になりえる!と主張するのは、非常に危ないということです。
(tsmc製チップを解放軍が使う=tsmcを完全悪玉会社と考えるのは危険、という意味)

この理論が通じるのであれば、多くの日本人が持っているアップル製品のiPhoneやiPad、そして最近のアップルのパソコンのCPUはすべてtsmc製となり、tsmcを助けている人間ということになります。tsmcはケシカラン、と思っている人でiPhone使っている人いないですか?そんなにtsmc社が嫌いであれば即iPhoneを使うのをやめるべきです。

※2021年5月12日追記

2021年4月13日に米共和党の2議員は半導体製造機器の輸出規制を強化するよう求める書簡を米商務省長官へ出したというニュースがあり、この書簡をベースに「米国はTSMCに疑いをもっている」と主張する人がいますが、これはあくまでもマイケル・マコール下院外交委員会筆頭理事とトム・コットン上院議員に対して求めたことであり、決してアメリカ政府の見解ではない事、補足いたします。

ソース
https://gop-foreignaffairs.house.gov/wp-content/uploads/2021/04/edaletter.pdf

※2021年5月27日追記

そもそもこの書簡すら、tsmcを名指しで批判しているものではないことが以下動画で解説されていました。ちょっとでも疑問を感じたら八洲子さんのようにきちんと第三者の資料を用いた動画や情報もチェックする方がよろしいかと思います。

3、 tsmcは中国企業

これは確かに創業者のモリス・チャン氏は中国浙江省出身の人物ですが、tsmcはワンマンカリスマ社長でここまで大きくなったのか?という点とモリス・チャン氏の経歴も見なければなりません。まずtsmcはITRIという台湾政府の技術研究開発機関からスピンアウトして出来た会社で、スピンアウト後も李登輝元総統も半導体で台湾の将来がかかっている産業だと認識しており、且つ中共からの機密情報を盗もうと画策している事も知っている上で、政府がバックアップをして大きくなった会社であります。
そしてモリス・チャン氏も若い頃にアメリカに渡り、米国籍を取得しており、考え方は米国人的なものもあるので、中国人だというのはいささか乱暴すぎる言い方であります。
ちなみにモリス・チャン氏の発言は台湾経済界に大きな影響力をもっているものの、実は2018年にtsmcの経営から完全に引退しております。また、現在tsmcの幹部は皆さんが言う所謂本省人も、そして外国人もいるし、そして何より株主の構成を見ても米国系と台湾政府が主要株主であることを考慮すると、中国企業というのはいささかミスリードな主張かと思います。
この理論が通るのであれば、日清食品を創業した安藤百福さんはもともと日本人で、戦後台湾人になってしまい、日本国籍を取得したものの、創業当時は台湾国籍でしたので、日清食品は台湾企業と言えるのでしょうか?出自だけでどこどこの国の企業だと考えるのは非常に短絡的であると私は考えます。


いずれにしても、tsmcを敵視して得をするのは誰なのか?を考えるべきですし、様々な意見を見る事が大切かと思います。私も2年くらいYouTube活動をしており、どのようなトレンドが再生回数を稼げて、広告収入が多くなるかを何となくつかめております。昔から変わらないものとしては、不安を煽るような内容は非常に再生数を稼ぎやすいという事ですね。今であれば、tsmcは危ない、中共の台湾侵攻は何月だ、とかそういうような情報ですね。以前の私であれば、そういう話題をテーマにしておりましたが、それでは行かんということで、最近は爆発的な再生回数という衝動にかられるものの、なるべく事実を淡々と述べるクソ真面目な動画/ブログをアップしております。本業があるので、お小遣い程度の広告収益があればいいものですから。

ちなみに、このブログに反論コメントが来ると思いますが、その際はきちんと論拠となる資料を添えてくださいね。あと、私に対しては構いませんが、コメントした人に対しての誹謗中傷は許しませんので、コメント送信前にもう一度コメントを読み返してくださいね

2021年5月12日 編集(八度妖)
2022年9月29日 一部修正して再UPLOAD


なんと、国政政治学者の藤井厳喜先生に、動画がよくまとまっているという有難いお言葉を頂きました!!

YouTubeではイラストを用いた解説もしております。
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インテリジェンスを語る柏原竜一氏の塩対応

個人名を出した反論はあまりしたくのは無いのですが、インテリジェンスを研究している柏原竜一さんという方が、私のTwitterのツイートを引用して「アンチを斬る!」という動画を出していた方がいたので、今日はそれについて反論させていただきます。
(ちなみに動画では、私をメインに斬っているわけではありません。私を斬っているのは、ほんの数十秒だけです)

まず、柏原氏の動画で何が焦点か?ということですが、タイトルどおり某著名人のアンチを斬るという内容ですので、その著名人に対して反論していたのですが、その反論にまた反論するという形のないようでした。その中でほんの数十秒なのですが、私のTwitterのツイートが挙げられていました。

その話題というのは、TSMCが日本に拠点を置く事に関して、某著名人が

血税900億円をプレゼント

というような主張をしていて、愛国と言われる人たちの愛国心に油を注いで、tsmc誘致反対の声を大きくしていました。しかし、半導体の専門家の服部毅先生など、多くの人が「tsmcに血税が投入されるのはフェイク」と断言するなど、それが嘘だということがバレているのに、それでも、「血税投入」を擁護する人が出てきました。その擁護する人の1人がインテリジェンスを語る柏原竜一氏であって、彼のYouTubeチャンネルでそれについて触れていました。4月29日に動画をアップしてその動画の15分43秒あたりから私のTwitterのツイートを引用して説明しております。

動画は非公開となってしまったので、替わりにサムネイルを貼っておきます。

流れをさっと説明すると、

ネット上でtsmcに血税投入がされるという噂が広がり、それはフェイクだという声とフェイクじゃないという声が出始めておりました。そして私がフェイクじゃないという主張する人に対して、「tsmcが100%自己資金で研究センター作りますよ、という公式見解を出してますよ。血税投入はデマでしょ」というツイートをしたところ、柏原氏は

2021年1月5日の日本語版Bloombergの記事では、TSMCが折半出資で日本で合弁事業を行う予定だと報道しており、ブルームバーグも台湾メディアも報道しているのだから、デマだと言い切るのはおかしいでしょう、

と動画内でという主張をしていました。

ちなみにブルームバーグの記事は、tsmc関係者→台湾メディア聯合報、つまりは中国語→ブルームバーグ英語版→ブルームバーグ日本語版となりますので、1次情報ではなく4次情報となります。しかも、言語も台湾での言葉、英語、日本語と翻訳が複数回入っている点にも注目ですね。このような情報を元にインテリジェンスするのはどうなんでしょうかね。せめて英語の情報を読んでいただきたいなぁと思った次第でございます。

ブルームバーグ記事
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-05/QMG9POT1UM0Y01

さて、動画内では、tsmcに血税投入はフェイクだという発する人をばっさばっさと斬っているつもりのインテリジェンスの専門家の柏原氏でしたが、素人の私がなぜ、彼の動画が滑稽というか浅いと感じたかを簡単に整理してみます。

1月5日 ブルームバーグが折半で合弁会社を設立と報道

2月9日 tsmcが公式で完全自己資金で支社を設立とリリース

3月上旬 SNS上で某著名人が「血税投入を阻止せよ」と騒ぎたてる

4月中旬 半導体の専門家や一般人でさえも「血税投入はフェイク」と発言し始める

4月29日 柏原氏が「フェイクと言う奴らを斬る」という動画を配信

時系列おかしくないですか?

1月時点でTSMCの日本拠点が折半出資であるという情報を以ってあれこれ語るのは、全く問題ありません。

しかし2月9日にTSMCが役員会議ですべて自社のみで出資することが決定して、この決定事項が公表されました。

そして3月上旬から4月上旬くらいまででSNSでは「TSMCに血税投入するのは間違っている!」というような論調が出て来たわけであります。まぁ、この時点で、2月9日のTSMCの公式見解を知らなかったという前提であれば、騒がれるのも仕方ないと思います。実際私もこの公式見解を見落としていた訳でありますから。

4月中旬頃から、「あれ?経産省ってtsmcに血税投入するなんて一言も言っていないぞ」という声が上がり始め、私も血税投入してないんじゃないの?とツイートしたところに、4月29日、柏原竜一氏が「アンチを斬る」というタイトルの動画をあげて、ブルームバーグ日本語版ではそう報道していた。だから、血税投入はデマともフェイクとも言えない、と主張している訳です。

もう一度おさらいしましょう、ブルームバーグの記事、先ほど説明したように1月5日の4次資料となるニュースをベースに血税投入はデマとは言い切れない、と言っておりますが、2月9日にはtsmcの公式リリースを見てください、という投稿をしたのに、それを見ることなく、いや、見たのかもしれませんが、まったくそこには触れず、ただ単純にブールムバーグが~!と主張するのはインテリジェンスと言えるのでしょうか?時系列で考えると、如何に滑稽なのかがお分かりになったかと思います。


しかも、この後の柏原竜一氏の対応が

非常に塩対応

その動画や彼のTwitterに対して、私を含めたいくつかの反論があったものの、その反論する人をブロックしたり、コメントを削除(正確には第三者には見えないような形にすること)を行ない、挙句の果てには、反論者を「工作員だ」と言い切り、そんな工作員は相手にしない、忘却が最善の策です、と仰る始末でございます。私なんかは「今後の書き込みはご遠慮ください」と、私の名前を出しておきながら、議論もさせてもらえない状態。

更には、柏原氏は「某著名人のビジネスパートナーが人民解放軍と繋がっていることを見せるために、写真をあげているけど、ソースが無いので信用できない。こういうやり方は工作員のやり口だ」と動画内で名指しで批判されていた八洲子さんという人なのですが、コメント欄にその写真の出所となるURLリンクや情報を書き込んだ所、そのコメントを消すという、インテリジェンスを研究している人として情報を消す、人々に伝えないというあり得ない対応をしております。

また私の動画にも

「柏原さんの某著名人の応援動画にコメントしたら、消されてしまいました。賛否両論から討論の企画をお願いしつつ、検証主義派の人達は、資料にもとにしてファクト・チェックしているだけでは?、顔出ししないのは内部告発しているのでは?という趣旨を書きましたが駄目でした。以下省略」

というコメントがありましたが、柏原竜一氏はコメントを消す行為は結構行なっているようですね。まるで言論統制を行なう某国の手口ですね。


ちなみに私は、コメント欄のコメントを削除することはあまりしませんが、YouTubeが自動的に非表示、つまりは別アカウントから見えなくするようにすることがあるので、時々チェックして非表示状態を表示状態にすることをしております。

削除するコメントは、個人への誹謗中傷、連続した同じ書き込み(宣伝行為ですね)、差別的な発言、など、基本的にはYouTubeのコミュニティガイドラインに違反したコメント、違反しそうなコメント、そして「台湾は中国の一部だ」という中華プロパガンダに関しては削除しております。

最後に、話はちょっとずれてしまいますが、私のようなチャンネルのコメント欄にも「台湾人は所詮中国人だ、漢民族だ」というようなコメントを頂きます。現在中共憎しの輿論が広まりつつある中で、一点忘れている事があります。それは、「台湾人=漢民族」というのは中国プロパガンダだという事ですね。中国は台湾をどうしても自分のものにしたいがために、血液のDNA的にも歴史的背景を見ても、漢民族の血は入っているものの台湾人は「オーストロネシア系民族だ」という事実を隠そうとしているわけであります。台湾人の先祖は所詮は漢民族と認識していたら、その考えをぜひ捨ててください。その考えをして得をするのは中国、中国共産党と中国国民党の連中なのですから。

ちなみに、台湾の中国国民党や中華統一促進党のようなチャイニーズであることを主張する連中の中には、所謂外省人がいるのはもちろんのこと、所謂本省人と言われる人たちも一定数いますので、現代台湾を語る上で、外省人・本省人というステレオタイプの考えで判断する事は、誤った判断を下すことにもつながりますので、ご注意ください。

例えば、tsmcは浙江省出身のモリス・チャンという外省人が創業した会社だから、tsmcは中国企業だ、というような話や、オードリー・タンIT大臣は外省人で、マルクス主義者で、左翼で共産主義者ではないか?というような話ですね。細かい話は長くなるので止めておきましたが、お時間あるときに下の動画をご覧いただけると幸いです。

2021年5月7日 編集 (八度妖)
2022年9月29日 一部修正(八度妖)

YouTubeでも同じ内容を話しております。


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浙江江蘇閥って何?そんなの聞いたことが無い

注意:ここ数日でこのページへのアクセスが急増しておりますが、浙江江蘇閥、浙江財閥、台湾浙江財閥、青幇(チンパン)がDeep State若しくは中華Deep Stateだという主張があり、検索してここに辿り着かれた方も多いと思います。しかしながら、ここでは浙江なんちゃらや青幫がDeep Stateであることには言及しておりませんが、台湾や台湾闇社会が世界を牛耳っているというような主張は信憑性が低いと私は考えております。なぜならSNSで活躍する某F女史は「中国国民党」のことを「台湾国民党」と表記するなど初歩的なミスをしており、とても台湾情勢に熟知しているとは思えないからです。

「中国国民党」のことを「台湾国民党」と表記する事は「自由民主党」を「自由な民主党」、「中央大学」を「中央学院大学」、「フェラーリ・テスタロッサ」を「フュラーリ・テスタオッサンドナイシテマンネン」と間違えるくらい似たような名前だけど、全く異なるものであるということです。常識のある台湾人であれば、中国国民党のことを絶対に「台湾国民党」とは言いません。

ちなみに「台湾国民党」は2007年~2020年まで存在した非常に小さな政治団体です。

青幫(チンパン)については 以下記事名をクリックすると私の考察がご覧いただけます。

どこかのITビジネスアナリストF女史がよく「青幇(チンパン)」という言葉を使って、台湾IT業界も中国と同じように赤く染まっていたり、裏で糸を引いていると本を出版したり、SNSで情報を拡散しておりますが、最近になって、台湾を愛する人たちによって、「青幇(チンパン)」は既に影響力がなくなり、風前の灯火だという事実が知れ渡ってきた影響なのか、F女史の発言から「青幇(チンパン)」という言葉が少なくなってきました。その替わりに「浙江江蘇閥」という言葉を使い始めたことに気づきました。浙江江蘇閥についての知識はそれほどないのですが、さらっと調べてみた限り、浙江省や江蘇省出身の財界人が集まった浙江閥(浙江財閥)が存在したのは確かであり、中国がまだ蒋介石率いる中華民国だった頃に蒋介石は浙江閥(浙江財閥)に苦しめられていたのは歴史にも残っております。

神戸又新日報 1930.5.2 (昭和5)

習近平氏は2002年に浙江省の党委書記に就任していたため、浙江省の党幹部とのつながりが強いと言われています。

一方江蘇閥とは何か?というと調べた限り、明確な定義が無いようです。江蘇省は上海の北部に位置する省であり、恐らく上海幇(シャンハイバン)と同じであると推測されます。そして江蘇閥(上海幇)の実力者と言えば、江沢民氏、曽慶紅氏などが挙げられます。
現在中共の最高指導者と言えば習近平氏。つまりは浙江閥も習氏寄りのグループであると考えられますが、一方江蘇閥(上海幇)は権力闘争の相手であります。つまり「浙江江蘇閥」という言葉は水と油が一緒になったような言葉であるという事がお分かりいただけたでしょうか。
ちなみに中国語の情報も調べたのですが、浙江閥と江蘇閥が仲良く組んでいるというような資料を未だに見つけられないでいるのは、私の探し方がおかしいからなのかもしれません。

結論

F女史は以前は青幇を使って根拠もなく台湾や台湾人を批判していたのですがが、冒頭にも述べたように青幇が何ら影響を持たない組織であることがバレ始めたので、新たに「浙江江蘇閥」という言葉を作り上げたものと考えます。冒頭にもあるように「浙江財閥」という」単語は存在しておりますが、それは中華民国政府が大陸を統治していた頃の話。現在は既に国民政府の敵対勢力である中国共産党体制が敷かれている大陸においての浙江・江蘇というと

浙江=習近平派、江蘇=江沢民派

となるため、この二つの派閥が仲良くくっついて、更には台湾ともくっついて世の中を回していると思いますか?私はそんなことはないと考えています。

また仮にF女史の言う浙江江蘇閥が国共内戦で敗れて、国民政府軍と一緒に台湾へ亡命してきた外省人が織りなす組織であったとしても、(蒋介石時代の)中華民国の浙江財閥の影響力が大きかった頃から、既に時間も時局も大きく変化しており、また一番の後ろ盾であった蒋介石が亡くなって影響力を失っているため、台湾メディアでは浙江江蘇閥(または浙江財閥)の話を取り上げることは殆どない。そして何よりもF女史が言うTSMC(台湾積体電路製造)が浙江江蘇閥であるというのは大きな間違えである。なぜなら、反共産主義であり、台湾を民主化に導いた李登輝元総統の言葉に

TSMCは、私が総統在任中、政府がバックアップをしてできた会社

とあるように、決して中共と一緒になるために設立された会社ではないという事です。いずれにしても

「浙江江蘇閥」という言葉に要注意!!

が必要である。


ちなみに「幇」という漢字にGANGSTAR(ギャングや闇組織)というイメージを持っている人も多いかもしれませんがが、そういう意味は無く「幇助」という意味から「お互いに助け合うグループ」という意味となっております。日本語で分かりやすく例えると「組」が付く組織で真っ先に思いつくのは何でしょうか?私は「山〇組」なんですが、如何でしょうか?しかし闇組織の組以外にも、大手ゼネコン会社にも「組」が付く会社がありますよね?つまり「〇〇幇」というのは「組」のようなもので、闇組織だった「幇」もありますが、そうでない「幇」も存在するのです。例えば「台南幇」が挙げられますが、こちらはセブンイレブン、スタバ、ヤマト運輸など手広く事業を展開する台湾の優良企業「統一企業」を中心として会社の集まりであります。
「台南幇」についてはまた次回ご説明したいと思います。

どうやら深田さんは「幇」も「組」の意味をご存じないようです。(2020年当時)

最後に
「私は聞いた事がない」が「だからこの世にそんなものは存在しない」というつもりはまったくございませんがタイトルを見るとそのように感じかもしれません。ちょっと興味を引く大袈裟な表現であったことは申し訳ないと思っておりますが、デマに騙されずきちんと正しい情報を仕入れるようにしてもらいたいという気持ちである事、ご理解いただけると幸いです。

2020年8月27日 編集・翻訳(八度妖)
2022年9月29日 一部修正(八度妖)

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深田萌絵さんと中共半導体企業の関係を教えて!

今日は数年前から中共肝いりの国産半導体製造プロジェクトについてご紹介いたします。このプロジェクトは5省6社にも上り、各社数千億円から最大2兆円弱の金額が投資されており、合計すると数兆円というお金が投資されて外国に頼らない半導体を作る体制を作っていこうという、もはや国家プロジェクトと言ってよいくらいの投資が盛んにおこなわれていました。

ですが、結果から言うとどれも途中で頓挫して失敗に終わりました。中には詐欺グループが大ぼらを吹いて、何千億円というお金をだまし取ったという会社もありました。HSMCって会社ですね。ただ、殆どの場合、これだけの大規模投資であるが故に関係者、つまりは美味しい思いをしようとする輩が多くそれぞれが中抜きしていくと最終的に投資できる額がとても少なくなるのはご想像に難くないと思います。そのため、結局設備投資も中途半端、そして何より熟練の技術者は引き抜きでなんとかなると思っている体制ではとても半導体製造なんてできるわけもありません。

では、簡単ではありますが、失敗例をご紹介いたしますね。

2015年南京経済技術開発区に德科碼半導體科技有限公司という会社が設立され、設立当初は南京のTSMCと呼ばれるくらい期待されており、約3000億円の投資が予定されておりましたが、結局倒産しました。

2016年江蘇省淮安市に徳淮半導体有限公司という会社が設立され、7000億円弱が投資される予定でしたが、現在は開店休業状態。従業員からは未払い賃金の支払いを求められております。

同じく2016年、貴州省政府は数千億円を投じて米国クアルコムと華芯通半導体科技有限公司という合弁会社を設立しましたが、2019年には継続が難しいと判断され、閉鎖されました。

 2017年、四川省に米国のチップファウンドリーGLOBALFOUNDRIES と成都市政府との提携により、9000億円の投資計画で格芯集積回路製造有限公司という会社が設立されましたが、現在は閉鎖されております。

 2018年に陝西省に6000億円規模の投資で陝西坤同半導体科学技術有限公司という会社が設立されましたが、現在は幹部クラスが全て退職しており実質開店休業状態であります。

そして最後は、2兆円弱の投資が計画されていた武漢宏新半導体製造有限公司HSMCですが、2019年12月に最先端のEUV装置を納入するというセレモニーを大々的に行いましたが、結局は冒頭で申し上げたように詐欺グループによる大規模詐欺だったという事件でございます。もちろん現在は閉鎖されております。

ということで、中共肝いりの半導体製造プロジェクトはことごとく失敗しております。恐らくどの会社も中国人気質というか金儲けの方にばかり注目されて本気で半導体を製造していこうと考える人が指導者や会社幹部にいなかったために失敗したのだと思われます。唯一の成功と言っては変ですが、SMICくらいがちゃんとした半導体を製造している感じでしょうかね。しかし彼らの最先端技術は28ナノ、TSMCは5ナノということで、約10年の開きがあると言われております。皆さん、10年前の携帯電話、またはスマホと今のスマホを比べてみれば分かると思いますが、日進月歩のIT産業で10年の開きというものが、どれだけ性能に差があるかご理解いただけると思います。


さて、今日の本題となります。TSMCの日本誘致に反対しているITビジネスアナリストがいますが、その彼女が経営する会社と先ほど中共トップ肝いりの国策プロジェクトとして登場した会社、陝西坤同半導体科学技術有限公司の関連企業ケントンIoTテクノロジーと業務提携を行なっているという情報があり、皆様にご紹介したかったのであります。

両社の親会社は「坤同科技(北京)」と言い、坤同半導体の60%の株式とケントンIoTの大半の株を有しております。つまりは半導体とIoTは兄弟会社と言ったら良いのでしょうか、「坤同科技」という共通の親会社であるという点ですね。大きな枠組みで言うならば「坤同科技集団」というグループに属している企業となります。また会社所在地も同じフロアの1号と2号ということなので、同じ場所と言っても問題ないと思います。役員に関しても詳細は省略しますが、董雄という人物が親会社を含めて絡んでおります。

そんな国家プロジェクトに参与するような会社が所属するグループ企業と業務提携しながら、一方では「解放軍ともつながっているTSMCの日本誘致は売国行為だ!」なんていうのはいささか滑稽に感じます。そういうことを主張する前にまずはご自身の坤同科技集団との関係性を公の場で説明するべきだと私は考えます。ちなみにご当人は

「ケントン半導体は、メルマガでも書きましたが浙江財閥に乗っ取られています。」
https://www.facebook.com/moe.fukada.35/posts/pfbid0Cxj2KXiJq5Knudg5zYcXTTkFxG28P8H9zFfYnaqAKFUfugywJdHFmR9qNK3FJGPkl

とFacebookでは説明されております。何が言いたいのかよく分かりませんが、恐らく純粋に半導体企業であったケントンと業務提携をしたけど、その後ケントンが浙江財閥に乗っ取られてしまった、私は悪くないんです、とでも言いたいのでしょうかね。

まぁ、業務提携ということだけなら、お金儲けを目的として行う事はあるし、本人曰く、金銭のやり取りはないということなので、百歩譲って目を瞑るとしましょう。

ところが、最近になって平成30年の裁判記録にトンデモナイ事実が書かれていたようです。

どうやらご自身が抱えている裁判で資産の仮差押え命令が出されたこと自体が違法だと主張した訴訟を国に対して起こしておりました。結論としては門前払いだったようなのですが、その原告、つまりは訴えた人は、深田さんだけでなく、先ほど述べたケントンIoTテクノロジーが入っているというものでした。

深田さんの嘘を追求する八洲子さんが情報ソース付き(公文書)で解説されています。

つまりは、中共国家プロジェクトに参与した企業の関連企業と結託して日本国を相手に裁判を起こしているということです。深田さんの会社と日本の利害関係者で国を相手に訴えるというのなら、理解できるのですが、常日頃から「ファーウェイは危ない、TSMCは中共とズブズブで危険だ!」と中共の脅威を訴えている人が、中共とズブズブの企業と結託して日本国に対して訴訟を起こしているという状態なんです。これ、深田さんを支持する方はどうとらえているんですかね?知りたくないですか?私は少なくともメルマガのようなプライベートな場での説明ではなく公の場所でしっかりと説明してほしいと思っております。

またぜひとも深田さんを支持している方は、一体全体どういう状況なのか、本当に中共と関係がないのか、知っている範囲で構いませんのでコメント欄に書いていただければ嬉しく思います。

はい、今日はこんなところでしょうかね。要点としては、半導体産業はお金を出しただけで簡単に立ち上がるという訳ではない、ということ。そして、中共とズブズブの関係を持っていることを隠しながら「愛国」を叫んでいる言論人がいるということですね。

2021年6月28日 編集(八度妖)
2022年9月29日 一部修正(八度妖)

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台湾 深田萌絵

浙江財閥・青幇が今も活躍していると思っている人へ

はっきり言います。そんなのは台湾の事を知らない事に付け込んだファンタジーな物語であります。では、日本人でも分かるように私もちょっとしたファンタジーな物語を作ってみました。


三河出身の徳川家康(旧称 松平元康)は、群雄割拠の戦国時代を生きた武将である。しかし1590年、当時の権力者豊臣秀吉の権力には勝てる状況でなかった徳川家は故郷を離れ関東へ移封を命じられ江戸を拠点とすることになったが、その後徳川家は江戸から権力を奪還し250年間に渡り栄華繁栄を極めた。その間、全国からの献上品などがあり、その富の総額は400万両、現在の価値にして20兆円もあると言われた。しかし幕末に薩長を中心とした新たな勢力に負け、政権を朝廷に奉還したが、その後も人脈と資金を活かして、現在に至るまで日本のディープステートとして、日本の政財界を牛耳っている事を知っている日本人は非常に少ない。

例えば、1990年代に首相になった細川護熙氏の先祖をたどると徳川家康に行きつく
また、
・元貴族院議員の本多 忠敬子爵
・日産自動車創設者の橋本増治郎氏
・丸善元社長の小柳津要人氏
・鐘紡2代目社長の津田信吾氏
・東建コーポレーション創設者の左右田稔氏
・トヨタ自動車会長の内山田竹志氏

らは徳川家康の出身地でもある三河(岡崎市)であることから、今も尚 徳川三河財閥の力が日本の政財界を牛耳っている事が明らかである。

また大衆の心を掴むのに適している芸能界においては、徳川家康の改名前の姓「松平」も大きな影響力を持っている。例えば松平健 氏のように老若男女から好かれる俳優は、芸能界でも大御所と呼ばれており、ここにも徳川家の影響力の大きさを伺い知ることができる。


こんな与太話、日本人であれば「ちょっとこじつけが強引すぎるよ」となることでしょうが、登場人物が外国人となると、なんだか妙に説得力があるように思えてしまうのが不思議だ。その最たる例として挙げられるのが、最近ネット社会で話題の「青幫(チンパン)・浙江財閥」ではないだろうか。祖先の出身地が浙江省というだけで、清朝末期・中華民国時代に中国で暗躍した秘密結社で、(ある著名人の話では)資産総額7兆円とも言われる財産を有していたと言われる青幇(チンパン)の一味であると言われているのがTSMC会長のモリス・チャン(張忠謀)氏。そして先祖が浙江省出身でもないにもかかわらず、何らかの原因で青幇の頭領になっている焦佑鈞氏とその家族(ちなみに焦家の祖先は江蘇省)。他にも鴻海精密工業創設者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏もチンパンの一味と言われている。

しかし、徳川埋蔵金を見ても分かるように、その財産が大政奉還後もなおどこかに存在していると言われているが、確かな証拠がない。同じように浙江財閥の7兆円といわれる財産も果たして本当に国共内戦に敗れて台湾に逃亡した秘密結社のメンバーが、今のように電子化されていない財産を台湾へ持ってくることが出来たのかも定かでない。国共内戦で国内の貨幣が変わったのであるから、巨額な資産を台湾に持ってくるとしたら有価証券ではない金の延べ棒等のような形しかないのであるが、7兆円規模の黄金が台湾に持ってこられたという記録は私は知らない。

ちなみに確かに浙江財閥の生き残りがいることは、台湾経済界でも話はある。例えば台湾産自動車を製造する「裕隆集集団」が浙江財閥の生き残りだと言われているが、総資産200億元(約700億円)と、台湾を裏で牛耳るというには少々物足りない額である。
(過去に浙江財閥がない、と発言したかもしれません。それはここにて訂正いたします。)

青幇(チンパン)や浙江財閥等の秘密結社に「ロマン」を求めて、一般社会で話されているストーリの逆張りをした主張をするのはファンタジーとしては面白いが、このように強引な人物・背景設定に疑問を感じない或いは感じても無視してしまうのはあまりにも滑稽であると台湾在住歴7年、台湾とビジネスをして20年になる私から老婆心ながら指摘させていただければと思う。

2021年2月13日 編集(八度妖)
2022年9月29日 一部修正(八度妖)

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台湾 深田萌絵

台湾が尖閣諸島の領有権を主張しているというのは日台分断工作!に加担

よく「台湾も中国と同じように戦後になって尖閣諸島の領有権を主張し始めた」という声を聞くようになりましたが、それは誤りです。
尖閣諸島の領有権を主張しているのは「華民」、英語名 Republic of CHINA (及びそれを熱烈に支持する人たち)です。Republic of TAIWAN※ ではありません。

※残念ながらRepublic of TAIWANはまだ存在しておりません


この問題を理解するには、台湾と中華民国の関係を知らなければならないのですが、
「中華民国=台湾」
という風な理解をしていると、日台分断工作の罠にまんまとハマってしまっている「ア保守」と言われてしまいますし、台湾独立・建国なんて夢のまた夢になってしまい、中共を利することにつながります。

台湾=中華民国ではないことについて簡単に説明すると、現在台湾島澎湖島を実効支配しているのは連合軍の一員であった蒋介石率いる中華民国政府。一応1996年に民主化が成し遂げられ新たな自由民主主義国家として国家運営が始まったものの、戦後200万人とも言われる中国からの難民とその子孫※、そして汚職にまみれた腐敗政権の利権に群がっていた所謂本省人と言われる人たちが台湾というアイデンティティに目覚めず、今なお存在しています。
(※外省人3世くらいになると「台湾は台湾だ」という考えを持つ人が出始めている)

一方「台湾国」、「台湾共和国」の建国を目指している人にとって見れば、「台湾国」は台湾島と澎湖島が領土であって、中華民国は連合国の都合によってやってきた大量の難民率いる亡命国家なのであります。また独立派・建国派にしてみれば、領土は台湾島と澎湖島であるため、尖閣諸島は日本の領土だと主張する人が大半なのです(そうでない人もいますが)。
以下の李登輝元総統の考えを継承しているのでしょう

では、なぜ蔡英文政権が「尖閣の領有権は中華民国にある」と言っているのか?というと、台湾は法治国家であるため、中華民国に不当に支配されている状態とは言え、法の則りながら国家運営を行なわなければならない上に、先ほど述べたように数百万人にも上る「中華民国」支持の有権者もおり、更には戦後不当に台湾を支配してきた中華民国政府が行なった「尖閣諸島は中華民国の領土である」という教育・プロパガンダを信じている台湾国民も多い事より、もし仮に李登輝元総統のように「日本の領土だ」なんて発言すると、将来行われる選挙の際に大敗してしまう可能性が大きいため、例え李登輝元総統の理念を継承していたとしても公の場で「尖閣の領有権は日本にある」なんて言えるはずもありません。また「尖閣の領有権は中華民国にある」と言わないと、野党からもちろん、無党派層や与党からも「弱腰だ」というような批判が来るため、蔡英文総統はこう発言せざるを得ないのであります。

しかし、蔡総統の発言を原文(中国語)で見てみると、蔡政権が李登輝元総統の理念を引き継いでいる事が垣間見ることができます。
蔡総統が就任してから一度たりとも「尖閣諸島は”台湾”の領土だ」と発言したことがありません。(総統就任前は「尖閣は台湾のものだ」という発言はありますが)

蔡総統はいつも「尖閣諸島は”中華民国”の領土だ」と発言しております。これはどういう事かというと、中華民国支持者を満足させつつ、日本との摩擦を減らすための言い回しであると読むことができます。つまりは、領有権を主張しているのは「中(華民)国なんです」という意味が込められていると推測できます。

また外交部の「台湾のしおり2020-2021」を見ると

中華民国(台湾)と中華民国を分けて使っていることから、尖閣諸島の争議に関して中華民国(亡命政府)の主張であり、台湾(または中華民国台湾)は主張をしてません/控えています、という配慮を見る事が出来ます。

ただ、総統就任中に「尖閣諸島は”台湾”の領土だ」と発言することが仮にあったとすれば、これは非常に危険な思想を持っていると判断する事ができます。また、民進党の立場としても「領有権は台湾にある」と主張したこともあるので、こちらも要注意となりますが、解決策があります。それは文の最後に記しておきます。

話は変わってしまうのですが、深田萌絵さんという著名人が

とツイートしており、あたかも台湾が領海侵犯をしているようなイメージを持たせる印象操作を行なっておりますが、台湾漁船が領海侵犯をしている事実は今の所確認されておりません。「侵入」と「進入」を書き間違えた可能性もありますが、過去の深田氏の発言から鑑みると台湾のイメージを悪くして、日本人同士内で争議を起こそうとしている発言とも捉える事ができます。

ちなみに、台湾漁船と台湾海巡署公船が進入しているのは「台湾と日本が主張する排他的経済水域が重なっている海域」であるため、「領海侵犯」ではありません。また日本と台湾の間には「日台漁業協定」が締結されているため、尖閣諸島周辺での漁は合法なのであります。

また蔡政権になってから、台湾漁船が日本の海上保安庁に拿捕された件数は0件(2016年6月~20年5月まで)になっており、台湾が法に則り漁をしていることが数字から読み取ることができます。また、海上保安庁も台湾漁船の周りに台湾海巡署公船がいるから拿捕ができず0件になっているのかもしれません。ただ、実際の現場ではすべての漁船が台湾公船と共に尖閣周辺の漁場に来ている訳ではないので、協定を無視した漁がある可能性は否めませんが、拿捕が0件だということは、台湾漁船側もルールを破るような漁はしていない(若しくはそういうルール違反は減った)と推測する事が出来ると思います。

101年は2012年。つまりは1911をプラスすると西暦に変換することができる。


いずれにしても台湾=中華民国と理解している状態では、親日のはずの台湾がなぜ尖閣諸島の領有権を主張しているのか?という誤った認識を持ち続けてしまい、日台分断を目論む輩の思う壺になってしまうこと、覚えておいてください。

もちろん私は「台湾は親日国なのだから、何の疑いも無く信用しなさい」ということを主張するつもりは一切ありません。台湾は日本にとって親友・兄弟のような存在です。しかし、実際の社会でもそうですが、親友・兄弟であったとしても、突然「黙ってあなたの預金通帳とハンコを貸してくれ」と言われたとしても、理由も聞かずに「ハイハイ、わかりました~」と何の疑いも無く貸す人はいないと思います。日台関係もこのように実社会と同じように信頼できる国であるものの、何の疑いも無く信用するというのはやってはいけないことであります。

また一般庶民は外交権も無いわけなので、民間外交という役割の中で、日台友好をやっていく際に、尖閣諸島の話を日本の政治家の先生に提起するのは良いとしても、同じ日本人に対して、そして台湾人に対して「台湾は尖閣の領有権を主張しているからケシカラン」と持ち出すのはナンセンスだと思います。それでも主張したいというのであれば「台湾」ではなく「中華民国(旧称シナ政府)」が主張しているということにしてください。

あとネット掲示板では「亜細亜新聞CHの八度妖は台湾擁護が極端すぎて気持ち悪い」とか「尖閣領有権は日本のみなのに台湾を擁護するとは売国奴だ」という書き込みがあるとのことですが、私は「尖閣諸島は日本固有の領土だ」という考えを持っておりますし、日台間にある尖閣に関するわだかまりを日本と台湾どちらにも益があるように解決したいと思っています。

最後に、日台間の尖閣諸島に関する争議を解決する方法とは、何か?
それは冒頭でも述べたように李登輝元総統の理念を継承している台湾独立、台湾建国という流れに対して、日本や日本国民がサポートする事であります。台湾独立派、建国派の人の一部には尖閣が日本領土だと確定する事に納得できないという人が出てくるかもしれませんが、李登輝元総統の理念を理解しているのであれば、むしろ独立・建国へのサポートを得られた方が最終的な利益につながると判断する人が大半だと思います。

2021年2月22日 編集(八度妖)
2022年9月29日 再UPLOAD(八度妖)

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台湾 韓国

日本海呼称、台湾政府の政府回答

今日は、ニュース配信ではないですが、2019年YouTubeに投稿した動画「台湾の地理に教科書に日本海に余計な呼称がついている」という問題について、視聴者の方より動画をアップロードした後に、最新版の教科書はどのように表記されているか?と問い合わせがありましたので、中国語で直接台湾の文科省に相当する「教育部」へ問い合わせたところ、次のような回答が返ってきました。

日付 2109年12月30日

八度 妖 様、こんにちは。
2019年12月18日に教育部部長(大臣に相当)宛ての電子メールで、台湾の中学校社会科教科書に日本海がどのように表記されているか?についてお問い合わせをいただいておりましたが、教科書に関する件につき、教育部から本院へ対応するようありました。貴殿お問い合わせの事項について、以下に本院が説明いたします。
一、国民中学社会科教科書内の地図を調べた結果、中国大陸の東側、長江河口北側と韓国済州島を結ぶ線より南側の水域について、「東海」と表記しています。日本列島の西側、ロシアと挑戦半島の東側の水域について、「日本海」と表記しており、また「日本海(東海)」とも表記しています。

二、教科書内に表記されている「日本海」または「日本海(東海)」は、日本と韓国が当該水域の名称について争議しているため、この部分については教科書出版会社は2種類の名称を並列する方式で表現しております。
三、教科書は一つの綱領、複数の教科書の精神に基づき、その内容が綱領の規範に違反がなく、不正確である疑いが無ければ、本院は教科書出版会社の編集内容を尊重しています。
貴殿の小中学校の教科書に対して関心をお持ちくださりありがとうございます。また何か問題がございましたら、本院教科書研究センター兪(電話番号)までお問い合わせください。本院職員が誠意をもって回答いたします。

国家教育研究院

はい、という回答をいただきました。回答の内容は納得のいくものではありませんでしたが、こんな外国人の問い合わせに対しても、きちんと回答してくださった台湾人には本当に感謝でございます。
まずは、対応、そして回答してくださった教育部及び国家教育研究院のスタッフの方にはお礼申し上げたいと存じます。ありがとうございました!


回答を私なりに解釈すると、教育指導綱領の規範に違反がない場合においては、教科書出版会社の判断に任せるということでした。

さて、我々が東シナ海と呼んでいる水域が「東海」と呼ばれることについては、私は全く異論はございません。世界最大で人口の最も多いユーラシア大陸の東側にある海ですので、東海でも問題ないと思います。しかし、日本海については、国家教育研究院の回答にもあったように日本、特に北海道、東北から見たら「西側」に存在するのに「東」の海というのはおかしな話だと思います。
既に東シナ海という「東海」が存在しているのに、なぜもう一つの「東海」という主張を台湾教育部は受け入れてしまっているのでしょうか?もしこの理論が通るのであれば、争議がある場所はすべて両者の主張を受け入れなければなりません。
ここはアルゼンチンの件で迅速な対応をしてくださった山田宏議員にまたお願いしたいところであります。
まずは、この結果をTweetし、山田議員も

と掛け合ってくださると回答をくださいましたが、既に2か月が経っておりますが、未だに動きが無さそうです。

進展がないのは恐らく 駐台湾日本大使館に相当する「日本台湾交流協会」の大使に相当する「台北事務所長」の泉裕泰氏がいわゆる外務省のチャイナ・スクール※ 出身であるため、「日本と韓国が揉める事」及び「それに関連して日台関係にも争議が起こる事」を良しと考える中国の影響を受けて積極的にこの呼称問題を解決しようとしていないのでは?と勘ぐってしまいます。

※チャイナ・スクール出身者すべてが「親中」であるわけではないと思うので、泉氏がどのような人物はあくまでも私個人の推測であり、泉氏を中傷する意図はまったくございません
22年追記:泉氏は就任から現在まで非常に前向きな評価が多いです。

いやぁ、韓国がが良く行う「ウソも100回言えば真実になる」という行為、台湾にも悪影響が出始めていますね。困ったもんですね~~。

2020年3月19日 編集・翻訳(八度妖)
2022年9月29日 一部修正・追記 (八度妖)

YouTubeでも配信中(2020年1月9日配信)
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韓国

台湾で起きた某国人のあきれた行動?!

我が国日本の隣国には良い国もあれば、あまり評価の良くない国もある。今回は隣国の中でも韓国の外交官家族が台湾で起こした(と言われている)事件をご紹介したい。まずは以下の記事をご覧ください。

 韓国の台湾駐在代表部の公用車ナンバー「外0455」を付けた車を運転していたLEE HWA SOOさん(女性・42歳)は12月15日午後、台北市重慶南路と北平西路の交差点で、タクシーと軽い接触事故を起こした。お互い相手のせいだと言い張って一歩も譲らなかったため、警察が現場に出向いて事故処理に当たった。警察の問いに対して、LEEさんが自分は日本人だと主張したことから、警察が女性の身分を調べたところ、女性は結局「ニセ日本人」。
 LEEさんは「台湾の警察はいいかげんだが、自分が日本人だと言ったら、待遇がよくなるのではないかと思った」と弁解した。
 事故が発生したのは午後1時55分。LEEさんは警察官が現場に駆けつけたのを見てすぐに、自分のことを日本人だと名乗り日本語で話し始めた。外事課に英語が得意な警察官がいたが、LEEさんが日本語しか話さなかったため、日本交流協会に至急連絡した。事故処理が終わるまでに日本側の関係者が現場に到着しなかったのは幸いだった。
 警察が処理を始めて1時間ほどすると、韓国側の関係者が集まってきた。警察はLEEさんが運転していた車のナンバーから、ようやくLEEさんが韓国の外交官の家族であることを突き止めたのである。警察官は、「LEEさんの様子から判断すると、夫に知られるのを恐れているようだったが、なぜ自分は日本人であると言い張ったのか分からない」と話している

週間台湾通信第8905号(2000年2月3日発行)より

一般人がこのような対応を取るのは、百歩譲って理解できなくもない。しかし、外交官向けの公用車に乗っていながら、このように対応するLEEさんの考えは本当に理解できない。自国が好きすぎて、傷をつけたくないから身分を偽ったのか、はたまた、日ごろから「海外で悪い事をしたときには”日本人”と言う」という癖がついていたのか。

いずれにしても、日本では韓国に対して嫌悪感を抱く人が増えてきているというのは事実だ。一方台湾ではどうか?というと1992年の台湾(正確には中華民国)と韓国との断交において、事前通告も無しに、24時間以内に国外退去を求めるという非常に悪質なやり方であった。しかも断交前には「断交などあり得ない」という態度であった。またその他諸々、韓国の台湾に対する非礼な行動が多々あったため、台湾人の中でも嫌韓な人が多いのも事実である。

ただ1点注意いただきたいのだが、このニュース、中国語の記事を探してみたたものネットにはそれらしいニュース記事が見当たらなかったこと。今度台湾にある国立図書館で実際に1999年12月16日の新聞を見て、このような事件があったのか探してみたいと思う。気軽に台湾に行くことが出来るのはいつのことになるやら。(一応居留証を持っているのでいつでも出入国出来るのですが、簡易的な隔離総統の措置を取らなければならないので、台湾に家を持っていない私は経済的にも時間的にも行くことができない)

2022年9月29日 編集 (八度妖)

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台湾 深田萌絵

台湾を牛耳る「青幇(チンパン)」って何?

さて、今日は、台湾マフィアの青幇(チンパン)について解説いたします。

結論から言うと、

台湾には「青幇」というマフィアは
既に存在していますが、政財界を牛耳るような存在ではありません

厳密に言うと、「中華安清総会」という組織になって細々と活動を行っているといわれておりますが、そもそも表に出るような組織ではない為、あまり情報がないのが現状です。その点について、2022年長年青幇について取材してきた高橋玄さんという方から情報を頂きましたので、以下の記事もご覧いただくと幸いです。

プロからもらったガチの青幇情報
https://asia-news.tokyo/blog/115

以下は2020年当時の知識を元に書いたものですので、参考程度にしてください。


この中華安清総会についての情報があまり入って来ませんし、台湾人の友人・知人、会社の取引先に中華安清総会について聞いても「知らない、聞いた事すらない」という回答でした。また青幇についても聞いてみても「知らない」とか「なんか上海にそんな組織が昔あったね、それがどうかしたの?」と現代台湾にはそもそも存在しないのになぜそんなことを聞くんだい?というような反応でした。

ただ、日本のSNSでは、なぜか青幇という組織が独り歩きし、台湾の政治経済だけでなく、日本やアメリカ、チャイナなども裏で牛耳っているという、私にとっては「陰謀論」的な話をあちらこちらで耳にするようになりました。

私は台湾に10年弱住んだことがあり、その後も台湾と関わりのある仕事を10数年やっておりますので、一般の日本人よりは少しだけ台湾事情が分かっていると認識しておりますが、SNSで「青幇」という単語を初めて聞いたので、調べてみたところ、冒頭で結論を申し上げたようにそんな組織は現代の台湾では存在しないという結果に至りました。

では、なぜ青幇という組織が台湾を動かしているか?という説が日本で広がっているかと言うと、とあるインフルエンサーが青幇という台湾の闇組織/秘密結社が中共とグルになって日本の安全保障を脅かしているという論評を発表し拡散しているからであります。

青幇とはどんな組織なのか?今はどうなっているかと言う流れを本当に簡単ですが、ご紹介してまいりたいと存じます

まず、青幇の幇ですが、これは日本語でいう「〇〇会」や「〇〇組」や「〇〇団」「〇〇派閥」というような「集団」を意味する言葉なのですが、有名なのが中華マフィアの青幇や中国共産党の非公式派閥で江沢民派の上海幇、習近平派の陝西幇(せいせいぱん)などがあり、なんだかきな臭い、悪いイメージがついておりますが、悪いイメージだけではありません。台湾には「台南幇」というセブンイレブンやスターバックスを台湾で経営している統一企業という会社を中心とした企業の集まりもあるので、「〇〇幇」イコール「闇組織/秘密結社」と捉えるのは「山口組があっちの組織だから、熊谷組も同じようなあっちの組織だ」と言っているようなものです。幇は決して闇組織という意味ではないので、誤解なきようお願いします。


では、この青幇、どのような歴史なのか?本当に簡単に説明いたします。

時はさかのぼる事、辛亥革命前の清朝、長江下流域の蘇州、無錫などから収穫されたお米を北京へ陸地内の運河を使い運んでいた水夫さんたちがお互いを助けるために小さな組織を作っていたのですが、アヘン戦争後に中国沿岸部にいくつも港が設置され物資の運搬が海上輸送に代わってしまい、路頭に迷う事になってしまいました。
また、当時列強諸国が上海に租界を作ったため、上海は急速に発展し、国際的な商業都市になっていったわけであります。それにともない全国各地から良からぬ人たちも集まるようになり、先ほど述べた長江下流域で水夫だった人たちも上海へやってきて、生きるために良い事、悪い事をしながら、つぎつぎと組織が統合されていき、最終的に残ったのが青幇と洪門になります。それで、青幇は娯楽施設などを仕切っていたという事もあり、今はそうなのか分かりませんが、芸能界と闇社会のつながりは、当時上海にもあったと言われております。

いずれにしても青幇はこうして上海やその近郊で闇組織、秘密結社として発展していくわけであります。そしてその頃にはチャイナは既に清朝から辛亥革命を経て国民党率いる中華民国が支配していたのですが、国民党も決して清廉な政府と言う訳ではなく、蒋介石率いる国民党軍はゴロツキ・ならずものの寄せ集め感が漂う部分がありましたので、蒋介石にとっては、青幇を利用する事は似た者同士、都合が良かったわけであります。今でいうアウトソーシングですね。そうして政府の後ろ盾を得た青幇は上海で莫大な資金を得て中国で最大の秘密結社になったのですが、戦後国共内戦に後ろ盾であった国民党が敗れてしまったので、中国における活躍の場は縮小し、1950年代半ばには消滅したとされております。しかし、皆さんご存じのように国共内戦で蒋介石率いる国民党が敗れ、国民党とそのとりまき数百万人が一斉に台湾へ渡ったのですが、それと同じくして青幇も台湾へ渡ったり香港へ渡ったりしました。

ただ、台湾に渡った青幇は、娯楽施設などの資金源があった上海時代とは違い、国民党の後ろ盾があったと言え、上海時代のように自分の思うようには振舞えませんでした。しかも日本統治以前から存在した台湾土着の闇組織との対立もあり、また青幇は台湾と元々縁があったわけでもなく、台湾土着の闇組織を駆逐できるほど体力があったわけではなかったために、新たに組織を存続させる術を探さなければならず、青幇は土着の闇組織に加わったり、台湾最大の外省系マフィアの竹聯幇や四海幇などへ加入していき、実質消滅に至りました。ただ、1993年に青幇の精神を継承する組織が「中華安清総会」へと改名し細々と活動していることは事実であります。

つまりは、台湾人の記憶、特にアラフォー以下の世代の記憶に残っていない青幇を持ち出して、台湾のマフィアが云々というのはちゃんちゃらおかしな話であり、青幇が何なのか?を調べようとしているのは日本人くらいではないでしょうか?

ちなみに台湾におけるマフィアは

所謂外省人系組織が竹聯幇、四海幇
所謂本省人系組織が天道盟・牛埔幇

が4大反社勢力と言われており、これらは一般人においても認識されている反勢力となります。よくニュースなどに出てくる街頭でのいざこざなどはこれら組織が絡んでいることが多いです。

また竹聯幇の親分は張安楽氏、通称「白い狼」と言われる人物で、彼は台湾の泡沫政治団体「中華統一促進党」の党首でもありますが、これは先日動画でも取り上げた台湾総統選前に蔡総統のイメージをダウンさせるために中共から金銭を受けており工作活動をしていた団体であり、中共の工作機関であると言っても過言ではありません。そんな泡沫政治団体の声をあたかも台湾の民意だ!なんて取り上げる某インフルエンサーは何を考えているんでしょうかね。理解できません。

なお、台湾以外にも米国には華青幇という上海青幇の流れを汲んだ集団が存在しております。彼らの殆どが薬物販売などの犯罪に加担しているくらいで、半導体業界とか政治の世界とは程遠い集団であります。ちなみに現在台湾現地マフィアの天道盟と密接な関係を持っているようです。

このように華青幇という組織が現在もアメリカで存続しているものの、殆ど影響力を持っていないという良い例を1つお伝えしようと思います。

1984年、アメリカ、サンフランシスコで作家である中華民国系アメリカ人作家の「劉宜良」氏、ペンネーム「江南」が中華マフィアによって殺(あや)められるという事件が起きました。これは、江南が当時中華民国の総統であった蒋経国氏の経歴を暴露した「蒋経国伝」を出版したため、それを事前に察知した蒋経国氏が最大勢力であった外省系マフィアの竹聯幇に手を下すことを命令し、事件に至った訳であります。もし某インフルエンサーが言うように青幇が台湾を牛耳っているのであれば、政府トップが絡むような江南事件には青幇が登場してくるはずなのですが、昔から中華民国政府は、政府が直接手を下せないことは、こういう闇組織に外注していたのですが、政府が関わるような案件に関してなぜ青幇が出てこないかが不思議であります。

■蒋経国伝 (日本語)
台湾経済のめざましい発展は、蒋介石の後継者蒋経国の手腕に負うところが大きい。本書は蒋経国の伝記を史実に則して客観的にとらえ、中国現代史の実像にせまろうとするものである。蒋経国の一生は、まさに中国現代史の主要部分を体現している。青年時代、ソ連に留学して、マルクス・レーニン主義にとらえられて帰国して彼の、その後の歴史的展開の中での動きは、「天安門事件」を理解するうえでの一つの重要なカギを提示するものといえよう。


ちなみにそれに対する先ほどから述べているインフルエンサーの見解は「竹聯幇は青幇の下位組織である」と説明しております。つまりはそういう些細なことは下っ端にやらせている、とでも言いたいんでしょうかね。

なお、台湾最大の新聞社自由時報のWebサイトで「青幇」をキーワードとして検索してもヒットするのは16年間で89件。しかも記事を見ると、青幇とは関係のない記事がヒット。これは、 周揚青という名前の人が△▲を助ける/手伝うという中国語が「周揚青幇△▲」という文章になるためであります。
しかも中華マフィア青幇について書かれている記事も、戦後間もない頃について述べた記事だったりするので、現代社会において、青幇が半導体業界を牛耳っているとか、鴻海精密機械の創始者テリー・ゴー氏が青幇とかかわりがあるだの、パナソニック半導体事業を買収したヌヴォトンの親会社が青幇だというのはまったくのデタラメなのであります。

考えてみてください、鴻海もヌヴォトンの親会社Winbondもアメリカの会計基準に則り、更には日本の大手企業とも取引がある上場企業です。もし経営者が闇組織であれば、それらと企業と取引している日本企業の審査部門は節穴だということになります。しかも年間何百億、何千億の取引をしている相手なのですから、審査は更に厳しくなるはずですし、そういった話には敏感になっているはずです。海外においても反社会的勢力との取引を制限する法律があるため、株式上場企業の経営者が青幇と言われる中華マフィアである可能性は極めて低いわけであります。ただ、法律には触れないくらいえげつないことをしているのは否定しません。紳士協定という言葉が通じないことがたくさん、いや、そもそも紳士協定なんて概念すらないのかもしれませんね。

そうはいっても、中華マフィアで秘密結社だった「青幇」という単語は非常に謎めいた部分があるので、こういう陰謀論的な話に魅かれてしまうのは私も理解できます。私だって「M資金」や「徳川埋蔵金」とかそういう話は嫌いではありませんから。

さて、最後に言いたいこととしては、台湾にも闇組織があり、決して100%清廉潔白な国家と言う訳ではないという事です。一部の負の部分だけを取り上げて、それがあたかも全体がそうであるというような情報の発信をしている影響力を持つ人物がいたので、今回動画を作成するに至りました。

次回は「親中の台湾半導体業界」についてを解説しようと思ったのですが、かなり難しい部分があるので、筆が止まっております。ちょっと時間がかかってしまうかもしれません。

2020年12月15日 編集 (八度妖)
2022年9月29日 一部修正 (八度妖)